2023年に解散したBiSHの元メンバーであり、現在は「CENT」名義で音楽活動、「加藤千尋」名義で俳優業を行うなど多方面で活躍しているセントチヒロ・チッチ。自身初となる写真集『セントチヒロ・チッチ写真集 千尋』も好評の彼女に、最近の活動を振り返ってもらった。
(前後編の後編)

【写真】1st写真集を発売したセントチヒロ・チッチの撮り下ろしカット【5点】

◆「どちらも自分の中では刺激的」俳優と音楽活動の相互作用

――ここ数年、俳優としても数多くの作品に出演していますが、それが写真集の表現に活かされた面はありますか。

チッチ 今回の撮影では、「誰かになる」みたいな気持ちは全くなかったので、そこまで意識はしていないんですが、お芝居を通して、いろんな表現を学ばせてもらっています。そのおかげで恥ずかしがるみたいなことが少なくなった感覚があるので、そういう意味では今回の写真集で活きているのかなと思います。

――8月には「CENT」名義でメジャー1stミニアルバム『らぶあるばむ』をリリースしました。多岐にわたるジャンルに携わって、混乱することはないんですか。

チッチ 混乱はしないですね。表現するという意味では音楽もお芝居も同じですが、感覚が全く違っていて。音楽はありのままの自分をさらけ出すことを一番に、素直でいることを大事にしています。お芝居は作品を作る上で、一人の俳優としての役割があって、誰かの人生を自分が重ねて生きるという表現の仕方だと思っているので、交錯しないんです。

――お芝居をした後に、曲作りをするということもあるんですか。

チッチ そういう日もあるかもしれません。私の中では分けていないですね。
どちらも自分の中では刺激的だし、いい意味で逃げ場になるというか。一つのことで思い詰めないでいられる場所があるということは、自分にとっていいこと。考えることがたくさんあるほうが私は好きです。

――『らぶあるばむ』は多彩なジャンルを横断したポップな仕上がりになっていますね。

チッチ 今回のミニアルバムは長い時間をかけて作っているので、その時その時の気持ちや状況が反映されています。タイトルにある通り“愛”をテーマに掲げていて、いろんな愛の形が表現されていて、集めてみたら、こういう作品になりました。それが統一感とは思っていなくて、ポップな曲もあれば、ポップ過ぎない自分の新しい表現があったり、R&B調の曲があったり。前作の『PER→CENT→AGE』とは違う自分がここにあります。

――歌唱面のバリエーションも増えていますよね。

チッチ 『PER→CENT→AGE』も幾つかの曲はプロデュースしていただいたのですが、自分で作る曲が多かったんですよね。今回、いろんな方がディレクションに入っていただいたので、その人たちと寄り添うことで新しい自分に出会うことを大事にしました。その時々で自分の知らないCENTの歌い方が生まれたなという感覚があります。


――それぞれディレクションが違うと難易度も上がりますよね。

チッチ イージーに生きていくよりは、難しいことがあるからこそ、発見があるし、同じことを繰り返していると、知らない間に決めつけてしまっている自分みたいなものにとらわれてしまっているところがあると思うんです。自分を決めつけないと決めているけど、そこから解放してくれるのは、自分以外の他者だと思っているから、そういうふうにディスカッションできる場所が好きです。

――俳優としては出演映画『ミーツ・ザ・ワールド』の公開が10月24日に控えています。松居大悟監督とのお仕事はいかがでしたか。

チッチ もともと松居さんはお友達で、長いこと下北沢でお酒を飲む先輩、仲の良いお兄ちゃんという関係性でした。やっと一緒にお仕事ができて光栄でしたね。加藤千尋として、松居大悟作品に愛を持っていることを大事にしたかったから、ちゃんとディスカッションして、どういう私でそこにいるかを話し合いました。松居さんは、ちゃんと繊細な部分まで見てくださる監督で、主演の杉咲花さんと松居さんの繊細な部分や人間らしい面に共鳴して一緒に作っているのが伝わってきて、素敵な現場だなと思いました。

――音楽でも親友である詩羽さんとコラボレーションしていますが、身近な人たちとお仕事する機会も増えていますね。

チッチ 大好きな人たちとお仕事をするのは目標の一つです。いろんな出会いがあって、好きな人が増えていって。
そういう人生でありたいと思うので、ソロになってそういう機会が増えたことはハッピーだなと思います。

『セントチヒロ・チッチ写真集 千尋』
好評発売中!

価格:3,300円(税込)
出版社:講談社
仕様:A4変形/128ページ

【前編】二つの名前に込めた想い――セントチヒロ・チッチが語る“写真集 千尋”の舞台裏
編集部おすすめ