与田祐希の“底辺ギャル役”が癖になる『死ぬまでバズってろ！！』が名作になりそうな予感

元乃木坂46の与田祐希が、主演を務めるドラマ『死ぬまでバズってろ！！』(MBS系)で注目すべき演技を披露している。与田は、同作でグループ卒業後初の主演を務め、主人公の“タパ子”こと浅野加菜子を担当。タパ子は、SNSでバズるためなら何でもする告発系インフルエンサーで、派手な髪の色と露出の多い衣装で、新境地となる演技を披露している。

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『死ぬまでバズってろ！！』は、ふせでぃの同名漫画が原作で、ドラマは10月16日から放送をスタート。どん底の生活から告発系インフルエンサーとして成り上がっていくタパ子の姿を描く。

与田が演じるタパ子は、借金を抱える26歳のフリーターでバツイチ。第1話から人生を投げ出したような言動が多く、元トップアイドルの与田とは正反対のヒロイン像だ。そんなお世辞にも魅力的とは言い難いタパ子を、与田は自身のフィルターを通して生き生きと、そして丁寧に演じている。

物語は、タパ子が撮影したひき逃げ事故を配信し、SNSでバズったことから始まる。普通なら、自分が配信した動画が思いもよらぬバズり方をすれば怖くなるところだが、何も失うものがないタパ子は、さらに刺激的な動画を求めて熱狂していく。

そんな異常な精神状態の女性を、与田はまるでキャラが乗り移ったようにハイテンションで表現。正統派アイドルだった与田が演じる“クズキャラ”は、ハマり役ともいえるリアリティでドラマを盛り上げている。

無防備で隙だらけのギャルを繊細に表現できている点も注目だ。第1話では、櫻井海音が演じる警察官の渡辺優斗と仲良くなるのだが、タパ子はすぐに優斗の部屋へ行くことになる。要所で無意識に優斗を誘うような言動があり、タパ子の持つナチュラルなビッチ感をうまく演じられている。セリフのテンポ感や表情の作り込みもうまく、与田の女優としての成長を見せつけている。

与田は女優としての出演作こそ多くないが、どの作品でも印象的な演技を見せてきた。デビュー作となった2018年の『モブサイコ100』（テレビ東京系）では、ヒロインの高嶺ツボミを担当。天然でかわいらしいキャラをナチュラルに演じていた。

2020年公開の映画『ぐらんぶる』では、ヒロイン・古手川千紗を熱演。クールビューティーなのに、白目をむいて金属バットを振り回すような振り幅の大きいキャラだ。大好きなダイビングのことになると、キュートなしぐさを見せる“クール”と“デレ”を併せ持ったクーデレ美少女という位置づけで、漫画原作で実写化が難しいとされたが、与田は振り切れた演技で体現してみせた。

また、話題作『日本沈没-希望のひと-』（TBS系）では、居酒屋の看板娘・山田愛役で出演。自然体の演技と愛らしさでSNSでも「かわいすぎる」と話題を集めた。その後、スピンオフドラマ『最愛のひと～The other side of 日本沈没～』ではメインキャストに。さらに主演を務めた『量産型リコ』シリーズ（テレビ東京系）では、プラモデルにハマる女性を演じ、根強い人気を誇るシリーズへと成長させた。映画『OUT』では、不良たちも圧倒する眼光鋭いヒロイン・皆川千紘を演じ、迫力ある演技で観客を驚かせた。

出演作は少ないながらも、与田はどの作品でもキャラクターの本質を理解し、説得力のある演技で存在感を残している。『死ぬまでバズってろ！！』のタパ子もそのひとつであり、キャラの特性を的確にとらえる彼女の演技力は、漫画や小説原作の実写化に強みを発揮している。漫画原作のドラマが増える中、与田は今後ますます注目を集める存在になりそうだ。

さて、そんな与田が主人公を演じる『死ぬまでバズってろ！！』第1話は、タパ子が刺されるという衝撃的な“未来のシーン”からスタートした。今後、告発系インフルエンサーとして、炎上を繰り返す中で、彼女は恨みを買い、トラブルに巻き込まれていくことになる。これまで数々の役を見事に演じてきた与田が、命の危機に直面する底辺キャラをどのように表現するのか。突拍子もないストーリーとともに注目していきたい。

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