10月24日から26日にかけて、東京・池袋にて日本最大級のハロウィンイベント「池袋ハロウィンコスプレフェス2025」(以下、「池ハロ」)が池袋の東口エリア広域にて開催。12年目を迎えた今年はあいにくの小雨模様の中、池袋サンシャインシティやイケ・サンパーク、中池袋公園などを中心に池袋一体がハロウィンのお祭りモードで賑わった。
「ENTAMEnext」では、3日間で16万人が池袋に集まった同イベントで特に注目を集めたコスプレイヤーに直撃し、撮影とインタビューを行った。

【写真】コスプレブランド「M企画」の代表えむさんの新作撮り下ろしカット【4点】

話を伺ったのはオリジナルコスプレブランド「M企画」のデザイナー・代表を務める、えむさん。同ブランドの最新作をまとったその姿は、和と洋が溶け合う独創的な世界観そのもの。ブランド始動から10年、多くのコスプレイヤーを魅了し続けてきた彼女が語る、衣装に込めた哲学と、これから描く未来とは

――本日の衣装のコンセプトについて教えてください。

えむさん これは自分のブランドのオリジナル衣装で、来年の干支である「午年」をテーマにデザインしました。今日はハロウィンなので、少し鬼っぽいアレンジを加えています。コンセプトは、馬に乗りながら弓を射る「やぶさめ」のイメージと、弓道着の雰囲気を組み合わせているんです。そこに、馬のハーネスの要素もプラスして、この2つを融合させたデザインになっています。

――ハーネスや片袖のデザインが独創的ですね。

えむさん ハーネスがついているのは馬具のイメージからですね。あと、少し和のテイストを入れるために、あえて片袖を落としたりする着こなしを参考にデザインしました。本当は腰の部分が開いていて肌が見えるデザインなのですが、今日はイベントなので露出は控えめにしています(笑)。


――M企画の衣装を作る上で、最もこだわっているポイントは何ですか?

えむさん 一番は、幅広い体型の方に着てもらえるという点です。アジャスターを使ったり、調節できる部分を多く設けたりして、様々な体型の方にフィットするように工夫しています。そのうえで、とにかく「スタイルがよく見える」こと。この2つは特にこだわっていますね。男性が着てくれることもあるんですよ。

――スタイルアップへのこだわりが強いのですね。

えむさん 「M企画」の衣装は、基本的に少しフェティッシュで露出のあるデザインが多いので、肌見せの部分も含めてスタイルが綺麗に見えるように、型紙を何回も作り直したりしながら試行錯誤しています。だから、デザインを褒めていただけるとすごく嬉しいです。

――デザインからご自身で手掛けているのですか?

えむさん 私がデザインと型紙、サンプル作りまでを担当して、そこから量産するものは工場にお願いしています。ただ、この衣装は手伝ってくれている子と二人で、ハンドメイドで作った部分が多いですね。もともと作ること自体が好きなので、大変というよりは楽しくやっています。

――ブランドを始められて、今年で10年になるとか。


えむさん そうなんです。2015年から始めたので、ちょうど10年ですね。もともと大阪を拠点にしていたのですが、東京でのお仕事がだんだん増えてきて。月の半分くらい東京で過ごすようになったので、交通費などを考えて、拠点を東京に移しました。

――今回、池袋ハロウィンに参加しようと思ったきっかけは?

えむさん ディズニー映画の『ズートピア』が大好きで、今回はそのパレードに参加したかったんです。ちょうど新作の衣装ができたので、宣伝も兼ねて着てみようかなと。パレードは雨が降っていたんですけど、周りの参加者の方が優しくて、おしゃべりしながら楽しく歩けました。

――「M企画」の衣装を手に取る人に、どんな気持ちになってほしいですか?

えむさん 特に「こうなってほしい」というのはなくて、本当に自由に、ご自身の想像するキャラクターになりきって楽しんでもらうのが一番です。

ただ、一番伝えたいのは「体型を気にして着るのを諦めないでほしい」ということ。どんな体型の方にも似合うように、そしてその方の魅力的な部分を引き出せるようにデザインしているので、もし体型に悩みがある方にこそ、勇気を出して着ていただけたら嬉しいなと思います。

――ブランドを10年続けてこられて、今後の展望はいかがですか?

えむさん この10年間、本当に楽しくやってこられたので、これからも「大きくしたい」というよりは、この楽しい気持ちのまま続けていけるのが一番かなと思っています。実は、「M企画」とは別の新しいブランドも今動かしているところなんです。


――新しいブランドについても、少しだけ教えていただけますか?

えむさん そちらは……だいぶセンシティブというか、もっとアダルトな方向性のものになるので、大々的な宣伝は控えておきます(笑)。SNSなどを見ていただければ、そのうち「何かやってるな」って気づいてもらえるかなと。やりたいことをやるのが好きなので、これからも色々と楽しんでいきたいです。

【あわせて読む】「吾輩は“猫使い”である!?」新作ゲームで自身のキャラ実装決定!謎の美少女「名前はまだない。」が明かす“完全オリジナル衣装”制作秘話
編集部おすすめ