ドラマ、映画を中心に俳優としてのキャリアを重ねる⼀⽅で、情報・バラエティ番組でも活躍している中村静香。⼩野武彦と共にW主演を務める映画『じっちゃ!』では、四季折々の⻘森・つがる市を舞台に、メロン農家を営む祖⽗との絆を深める東京からIターン移住した孫娘を瑞々しく演じている。
俳優生活20年の節目を迎えた彼女に、芝居を始めたきっかけやターニングポイントを聞いた。(前後編の後編)

【写真】映画『じっちゃ!』でW主演を務めた俳優・中村静香の撮り下ろしカット【6点】

――主演映画『じっちゃ!』はつがる市市制施⾏20周年記念作品として製作された映画ですが、中村さんも今年で俳優デビュー20年目を迎えたんですよね。

中村 そんな大それたことではないんですが、一つひとつの現場で育ててもらっているうちに、20年が経っていました。同じ作品でも集まるキャストが違えば違った色合いになりますし、作品ごとに得られるものが違うので、現場ごとにいろいろなことを吸収しながら育ててもらっています。

――どういう経緯でお芝居をすることになったんですか。

中村 17歳の時に初めて受けた『幸福のスイッチ』(06)という映画のオーディションで、監督自身が10年間温めていた台本の役に、たまたま私がハマったらしく。ネイティブな関西人というキャスティングにこだわられていたんですよね。現場の雰囲気も和やかで、初めての映画で居心地が良かったので、お芝居が楽しいなと思ったのが俳優をやりたいと強く思ったきっかけです。

――芸能界に入る前から、お芝居に興味はあったのでしょうか。

中村 漠然とした憧れはありましたが、具体的にやりたい気持ちが強くなったのは事務所に入ってからです。いろんな現場を経験するごとに、次はこういう役をやってみたい、次の現場ではこういうことを自分の課題にしてやってみようとか、目標が増えていきました。

――俳優としてターニングポイントになった出来事はありますか。


中村 特定の作品というわけではないのですが、20代前半の時に、あざとい女性や、色気を使って男性からお金を取っていく悪女みたいな役が多くなった時期がありました。バラエティでのキャラクター作りも反映されたのか、一気にそういうオファーが増えたんです。一つキャラクターができるのはありがたかったですね。何者でもないよりは、一つ色があると武器になりますからね。

――そういう役が集中したきっかけはあったんですか?

中村 「痛快TV スカッとジャパン」(フジテレビ)の再現ドラマに出させていただいた時に演じたキャラクターの一つがハマったんです。世の中にいる許しがたい女の子をデフォルメした、りなっしー(北条里菜)という、あざといけど憎めない悪女で。私としても、普段は言えないようなことがセリフなら気持ちよく言えて、演じながら笑ってしまうくらい楽しくて。だから無理に演じているように見えなかったのかなと思います。

――中村さんはバラエティでも活躍されていますが、芸人さんとの共演はいかがでしたか。

中村 最初は何も分かっていないから怖いもの知らずでした。芸人さんと居酒屋を4軒はしごするロケで、3軒目でベロベロに潰れちゃって、4軒目の記憶が一切なくて……。その日はマネージャーさんに抱えられて連れて帰ってもらったんですが、オンエアで泥酔していたのを知ったこともあります(笑)。
バラエティに出れば出るほど難しいと感じるようになって。かといって事前に準備したところで、上手く立ち回れるわけではないので。いまだに毎回緊張します。上手くできなかった時は家に帰って、お風呂に入りながら同じ失敗を悶々と反省してしまいます。そういう悩みを、この前ご一緒した芸人さんにお話したら、「中村さんはそういうタイプじゃないから、気にしなくていいよ」と言われて。等身大でやっていくしかないなと思いました。

――ご一緒した芸人さんとはどなたですか。

中村 パンサーの向井さんとチョコプラの長田さんです。お2人がやられている番組「向井長田のくるま温泉ちゃんねる」(BSよしもと)に呼んでいただいた時に、正直に自分の気持ちを吐露させていただいたら、そうおっしゃっていただいて、「なるほど!」と思いました。

――中村さんの酔った姿と言えば、「ゴッドタン」の「アイドル飲み姿カワイイGP」は衝撃的でした。

中村 オンエアから10年以上経っているのに、いまだにそう言っていただくことが多くてありがたいですね。

――最近ハマっていることやオフの過ごし方を教えてください。


中村 チェーン系の居酒屋さんでもお1人様用のカウンター席が増えているので、たびたび利用しています。パーテーションがあって、充電器が完備されていて、Wi-Fiもあって、すべて注文はタッチパネルなので1人でも入りやすいんですよね。両隣の席が女性のお1人様ということもありました。お酒が好きなので、オフの日はそういう感じで息抜きしています。基本的に賑やかな飲みの場も好きなんですが、さくっと飲みたい時はそうしています。

――映画『じっちゃ!』のロケ地・つがる市ではお酒を飲まれたんですか。

中村 それがうっかりしていて、撮影期間中は飲まなかったんです。クランクアップ後に千村利光監督が全体での打ち上げを開いてくださって、そこでようやくみんなでお肉とお酒を楽しむことができました。今度つがるに行った時は、ゆっくり地酒を楽しみたいですね。

『じっちゃ!』
絶賛公開中

中村静⾹ ⼩野武彦
⼩笠原海(超特急) なだぎ武 しゅはまはるみ 篠⽥諒 ⽊﨑ゆりあ 望⽉雅友
北野瑠華 鈴原ゆりあ 内山千早 ピンクレディ(りんご娘) 張間陽⼦ 津⽥寛治
脚本・監督:千村利光
主題歌: Hammer Head Shark「春末」

公式ホームページ:https://jiccha-movie.com/https://jiccha-movie.com/
X:https://x.com/jiccha2025

撮影/西邑泰和 ヘアメイク/近藤由菜 スタイリスト/竹上奈実
AUTHOR 猪口貴裕

衣装クレジット
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問い合わせ先会社名:株式会社KSD
連絡先:https://mastergui.jp/

【前編】中村静香、映画『じっちゃ!』で感じた青森の温かさ「食も人も、つがる全体が包み込んでくれた」
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