映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』の新キャストが続々と発表され、話題を呼んでいる。なかでも注目を集めているのが、宇佐美時重(うさみ ときしげ)を演じる俳優・稲葉友。
宇佐美は第七師団随一の“やばい男”として知られるだけに、今回の抜擢に驚いたファンも少なくないはずだ。

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稲葉はジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを獲得し、2010年のドラマ『クローン ベイビー』(TBS系)で俳優デビュー。『仮面ライダードライブ』(テレビ朝日系)や『HiGH&LOW』(日本テレビ系)シリーズなどを代表作に持つほか、大河ドラマにも名を連ねた実力派である。現在はドラマ『良いこと悪いこと』(日本テレビ系)にも出演し、モデルでタレントの藤田ニコルの夫としても知られるなど、公私ともに注目度の高い存在だ。

そんな稲葉が挑む宇佐美といえば、言葉にするのもためらわれるほどの異常性を放つキャラクター。クセ者揃いの『ゴールデンカムイ』にあっても突出した“変態性”を宿しており、中でも連続殺人事件の犯人を“ある突飛な方法”で推理する場面は、読者に戦慄を与えた迷シーンとして名高い。

それだけに、ジュノンボーイ出身のイケメン俳優が宇佐美役に抜擢されたという知らせは、原作ファンの間で大きな話題となった。「あんな強烈すぎるキャラクターを演じて大丈夫なのか」「稲葉の芸歴に傷がつかないのか」といった声から、「藤田ニコルを人質に取られているのではないか?」という冗談めいた反応まで飛び出し、宇佐美という存在の“ヤバさ”が改めて際立つ結果となった。

とはいえ稲葉がこれまで演じてきたのは、仮面ライダーマッハ(詩島剛役)のようなカッコいい役ばかりではない。例えば自身の長編映画初主演作『恋い焦れ歌え』で演じたのは、暴漢に襲われ、心身ともに深い傷を負った小学校の臨時教員というハードなキャラクターだ。

そこからの再生を描く重苦しい物語のなかで、失禁や嘔吐、さらには男性同士の濡れ場にまで挑む体当たり演技は、観る者に強烈な印象を残した。

一方、2016年に連続ドラマ化された『ひぐらしのなく頃に』(BSスカパー!)では、主人公の前原圭一を熱演。
新たに越してきた雛見沢村での生活を謳歌しつつ、連続怪死事件の謎と狂気に呑まれていくという難役に挑んだ。金属バットで同級生たちを殴り殺す狂乱のシーンはもちろん、電話ボックスの中で恐怖に震える演技は圧巻で、役者としての底力を見せつけた。

ちなみに圭一はこの電話ボックスの中で自ら喉を掻きむしり、命を落としてしまうのだが、稲葉はこうした“散々な目に遭う役”を演じることが少なくない。賀来賢人主演のドラマ『クローバー』(テレビ東京系)では、歯磨き中に主人公らにボコられた挙げ句、口や手足を塞がれたままトイレに放置されるチャラ男役。有田哲平主演の『わにとかげぎす』(TBS系)では、最終的に車に撥ねられてしまうヒール役を担当し、甘いマスクを容赦なく汚されるような役回りが続いた。

思い返せば、正統派ヒーローとして登場した仮面ライダーマッハでさえ、映画『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』では無念の最期を遂げている。こうして振り返ると、散々な目に遭う役回りは、ある意味で稲葉の十八番と言えるのかもしれない。

ほかにも『HiGH&LOW SEASON2』(日本テレビ系)では、凶暴なオネエ役を怪演し、『レンタル救世主』(日本テレビ系)でも女装男子に扮するなど、稲葉が演じてきたのは一筋縄ではいかない人物像ばかり。単なるイケメン枠に収まらず、極端なキャラクターを魅力へと変換する彼なら、宇佐美という怪物も見事に自分のものにしてしまいそうだ。

実際、稲葉が宇佐美に扮したキャラクタービジュアルはすでに公開済みで、ファンの反応は上々。ビジュアルだけでなく表情や視線の鋭さなど、細部に至るまで“宇佐美そのもの”を感じさせる仕上がりとなっている。

そしてこれだけ多彩な役柄を自在に演じ分ける一方で、本人の素顔は驚くほど誠実で穏やか。
そのギャップが、彼の内面的な引き出しの多さを際立たせているのだろう。もしかすると『ゴールデンカムイ』の宇佐美役は、カメレオン俳優・稲葉友にとって“本領発揮”の舞台になるのかもしれない。

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