「ずっとノンフィクションでいたいんです」と語るのは、「都内で働くただのOL」として、YouTubeやTikTokで活動するなまはむこだ。動画で見せる日常感あふれる姿が共感を呼び、SNSの総フォロワー数は100万人を超えているが、なぜ「ただのOL」という立ち位置にこだわるのか。
その真意に迫った。(前後編の後編)

【写真】動画コンテンツで活躍するなまはむこの撮り下ろしカット【4点】

――高校で一度配信活動をやめられ、卒業後に上京されています。そこから現在の活動に至るまでを伺いたいのですが、まず上京当時のお仕事からお聞かせいただけますか。

なまはむこ 上京当初はバイトを何個か掛け持ちして生活していたのですが、初めて就職した会社でYouTuberさんの動画編集を担当していました。お仕事は「連絡が来たら対応する」という感じだったのでめちゃくちゃ激務で……。休みは月に2日しかないうえ、前日に「明日は休みです」と言われるような生活でした。

――それは大変でしたね。

なまはむこ 当時は大変でしたが、今考えれば自分で発信する前の玉拾い期間みたいなもので、編集スキルを学べたのはすごく大きかったです。元々ものづくりが好きだったので、もっと沢山の映像作品に触れたいと思いその会社を退社し、その後はCMの制作会社に再就職しました。
その頃に自分のYouTubeを開設し仕事から帰宅したら自身のYouTube撮影、編集に勤しむ日々を送っていました。

――YouTubeやTikTokには後輩さんも登場されていますが、出演させようと思ったきっかけはなんだったんですか?

なまはむこ その頃「TikTokが流行ってるからまずは実践して体感してみよう」みたいな感じで、まずは手軽にオフィス内の光景を撮影して動画を上げてみたのが最初です。ものすごく力を入れて企画を練って……という感じではなかったですね。


――そのラフな感じが、逆にリアルでウケたのかもしれませんね。

なまはむこ どの媒体でもそうなんですけど「考えすぎずやってみよう」という精神が強いのかもしれないです。もちろん、動画はちゃんと視聴者さんが面白いと思ってもらえるような企画を練って撮影していますが、あまり自分自身を着飾らないように意識しています。

――「自身を着飾らない」を意識されているのはなぜですか?

なまはむこ 私はあくまで「OL」であり、会社員だからです。この活動がバズったからといって、会社の評価が上がるわけではないですから。会社では、当たり前ですが一人の社員として成果を上げないといけない。YouTube活動においては完全にクリエイターになってしまったら、生活も価値観も全部変わってしまう気がして。私の動画を見てくださってる視聴者さんが「あるある」と思う瞬間って、すごくニッチで、会社員として働いていないとわからない感覚もあるかなと思うんです。

――おっしゃるとおりです。

なまはむこ そういう細かいリアルな部分がなくなると、私の動画はフィクションになって、作り物になって、面白くなくなってしまう。だから、私はクリエイター専業になるつもりはないです。

――今年の2月には初の写真集『なまっぽい』を発売されています。
グラビアへの挑戦は大きな決断だったのではないでしょうか。

なまはむこ もともとあまり肌を出すタイプではなかったので、大きな挑戦でした。でも、グラビアを見ること自体は昔からすごく好きで、自分でもやってみたいという気持ちが強かったんです。

――いつ頃からお好きだったんですか?

なまはむこ 漫画が好きで、小さい頃から少年誌を読んでいたので自然と目にしていたんです。深田恭子さんや若槻千夏さん、AKB48の皆さんなど、女の子が見ても本当にかわいいじゃないですか。ファッション雑誌にはない発見があるというか。

――ご自身が撮られる側になった初グラビアはいかがでしたか?

なまはむこ すごく楽しかったです! 結構コミュ症なので、緊張して動けないかも……ってすごく心配だったんですが、現場の皆さんがプロフェッショナルだったので安心して挑めました。

――水着になることへの恥ずかしさはなく?

なまはむこ それが、なかったんです。多分、普段の生活で友だちとプールに行こうってなったら抵抗があると思うんですけど、撮影の3日間は「いいものを作るぞ」ということしか考えていなかったからかもしれないです。

――今後のグラビア活動についてはどうお考えなんですか?

なまはむこ オファーがあればぜひやりたいと思っています。いつでもお受けできるように、体型は常にキープしています。急にチャンスが来たときに、太っていて自分に自信がない、なんてことになったらもったいないので。


――グラビアでかなえたい目標はありますか?

なまはむこ 青年誌の表紙が夢です。あと、ファースト写真集は重版できたらとってもうれしいな、と!

――今後の活躍が楽しみです。最後に、ファンにメッセージをお願いします。

まずは、いつも本当にありがとうございます。私は皆さんのことをフォロワーさんじゃなくて「生きる」を共にしている「戦友」だと思っているので、一緒に辛いことも楽しいこともこれから沢山共有できたら嬉しいです。

▽なまはむこ
12月23日生まれ、三重県出身。「都内で働くただのOL」として、YouTubeやTikTokを中心に動画投稿。ぼっち旅やVlog、料理と晩酌を楽しむ動画など飾らない日常が支持を集め、TikTokフォロワー70万人、YouTube登録者22万人を超える。 2025年2月には沖縄ロケで撮影した1st写真集『なまっぽい。』(双葉社)を発売。今後もグラビア活動に意欲を見せている。

【前編】なまはむこ、戦隊モノに夢中だった少女が見つけたインターネットの宝箱「中学生で配信デビューしてました」
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