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一部お笑いファンからは、女芸人が主役の大会で粗品が目立つべきじゃないと批判的な声も飛んだ。だが、粗品は目立とうとして苛烈な言葉を紡いでいったのだろうか。辛口な審査だったと片付けてよいのか。そうではないと思う。単に大会全体の価値向上、ひいては女芸人のレベルアップを求めていただけだ。
大会終了後に粗品は「優勝賞金1000万円にしてはレベルが低い大会」と言い放った。優勝者であるニッチェが祝福されるべきタイミングでのコメントは物議を醸したが、逆に「レベルが高い大会だった」と言える人がどれだけいるだろう。他の賞レースと比較することが許されるなら、M-1グランプリやキングオブコント決勝進出経験者は一人もいない(唯一、紺野ぶるまはR-1グランプリやABCお笑いグランプリ決勝進出経験がある)。
粗品は審査員として任された以上、「THE W」に貢献したいという思いがあることを常々明言していた。だからこそ、最初の審査員登場から一切ボケることなく、まっすぐ本気の審査を続けていた。
「(パンツ万博に向けて)正直1秒も面白くなかった」や「(エルフに向けて)おもんない客を笑わせてるようではあかん」といった強い言葉が印象に残るが、同時に具体的なアドバイスも行っている。
しかし、粗品の場合は違った。もめんとに対してはコントのそもそもの構造を問い、電気ジュースにはツッコミのワードを直接指南している。仮にテレビの前で見ている素人がこれらのアドバイスに腑に落ちなかったとしても、彼女たち芸人がテレビやYouTubeなどあらゆるジャンルで王となりつつある粗品の言葉が糧にならないはずはない。もはやコーチとも呼べる存在から貴重な今後の指針を示してもらえる重要な場となったのではないか。
粗品のこうした本気の部分の土台となっているのは、すべてお笑い界のためという思考だ。正しくおもろいことをやっている芸人が評価されるように、素人にお笑いを教えて“あげて”いるという立場だ。
実際のところ、私たちがテレビや舞台でネタを見たときに大きな指標となるのは笑い声だろう。自分のツボにハマるかどうかという基準はあるにせよ、大きな笑いが起きていれば面白い芸人だと思うし、スベっていたらそうではないと認識する。
だが、プロの芸人から見れば、安易な笑いの取り方や逆に客には伝わりづらい技などがある。それを粗品は言語化し、お笑い界そのものを是正しようとしている。ドラスティックなやり方には賛否両論あるとしても、彼が持つ理念を誰も否定する権利はないだろう。
粗品は番組終了後のHulu「反省会」でも全組に言及した。番組終了直後に楽屋でスタッフの前でコメントしたと明かしており、疲労困憊の中すべての組にエールとアドバイスを送るのはお笑いへの愛以外の何物でもない。
お笑い界の革命児はどこへ向かい、どこまで突き進むのか――。気付けばその行く末に誰もが注目している。
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