12月19日、大みそかに放送される『第76回NHK紅白歌合戦』の曲目が発表された。初出場アーティストは紅組が8組、白組が2組。
アイナ・ジ・エンドは「革命道中 ー On The Way」、幾田りらは「恋風」、aespaは「Whiplash」、CANDY TUNEは「倍倍FIGHT!」、ちゃんみなはSPメドレーとして「NG」と「SAD SONG」を、HANAは「ROSE」、ハンバート ハンバートは「笑ったり転んだり」、FRUITS ZIPPERは「わたしの一番かわいいところ」、&チームは「FIREWORK」、M!LKは「イイじゃん」をそれぞれ披露する。

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そんな中、今年の傾向として目立ったのは、メドレーが多いということ。昨年の「第75回」では、TWICE、西野カナ、Mrs. GREEN APPLE、福山雅治やMISIAがメドレー形式で複数楽曲を披露しているが、今年はさらに増加。前述のちゃんみなのほか、AKB48、Perfume、MISIA、久保田利伸、SixTONES、TUBE、RADWIMPSの8組に加え、特別企画の堺正章も含め、計9組のアーティストがメドレー形式で楽曲を披露する予定だ。

では、メドレーがここまで増えた理由はどこにあるのだろうか。一つは、代表曲を多く持つアーティストが増えたことだ。限られた出演時間の中でファンを満足させるためには、1曲をフルで披露するよりも複数の曲をメドレーで届けた方がよいと考える出演者が増えているとみられる。

さらに近年は、若い音楽ファンを中心に、CDを購入して1曲をまるごと楽しむ層が減少し、サブスクやネット動画で“気に入った曲の気に入った部分だけを聴く”というスタイルが増えたことが影響していると考えられる。

「最近の若者は長いイントロを敬遠する」「ギターソロを飛ばしてしまう」といった声もよく聞かれるが、「サビだけ切り抜き世代」とも言われる音楽の視聴スタイルが増えつつある中、NHKも彼らに「紅白」を見てもらう手段としてメドレー形式を増やしているのではないだろうか。

フル尺で1曲より、「知っている曲が次々流れる」方が視聴者がチャンネルを変えにくくなるという傾向もあるようだ。NHKとしては何としても「紅白」だけは生で視聴してほしいという思惑があり、若い世代をつなぎ止めるための工夫の一環が、メドレーの増加として表れているのだろう。

果たして当日、どのアーティストが若い音楽ファンの心をつかみ、拡散の波を生み出すのだろうか。


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