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例えばアメリカ人演歌歌手として鮮烈なデビューを飾ったジェロは、現在どのような道を歩んでいるのだろうか。演歌歌手とは思えぬラッパーのような出立ちと、そこから放たれる日本人顔負けの甘い歌声は、当時の音楽シーンにおいても唯一無二の存在感を放っていた。
ジェロは2008年2月にデビューを果たし、同年の「日本レコード大賞」で最優秀新人賞を獲得。さらに亡き祖母との約束だった『紅白』のステージにも立つなど、デビューイヤーにして“その年の顔”として全国的な注目を集めた。
そんなジェロが芸能活動の無期限休止を発表したのは、デビュー10年目となる2018年のこと。公式サイトには「ボストン大学の大学院を卒業したことを機に、本人の強い希望により、あらためてコンピューターの仕事に就くこととなりました」と記されている。二足のわらじは選ばず、エンジニアとして生きる道を選んだようだ。
あれから7年。ジェロのSNSをのぞくと、2023年12月に日本を離れ、現在はアメリカに拠点を移していることが伝えられている。投稿の多くは母親をはじめとする家族たちの写真で、穏やかな日々を過ごしている様子が印象的だ。
また2025年2月には「2月20日は僕のデビュー日」と報告し、「アメリカの自宅には紅白出演の記念品を大切に飾っています」とも明かしていた。スポットライトの下を離れた現在も、あの『紅白』の舞台は、ジェロの人生を支える大切な記憶であり続けているのだろう。
このようにSNSをたどってみると、彼らの意外な近況が見えてくる。そこでここからは、「香水」の大ヒットで知られる瑛人、「トイレの神様」で一世を風靡した植村花菜、「空に唄えば」で大ブレイクした175R――彼らの“現在”にも注目してみよう。
◆瑛人
瑛人の「香水」がリリースされたのは2019年4月。人気に火がついたのはその翌年のことで、恋の未練を綴った等身大の歌詞とシンプルなメロディーが、SNSを中心に大きな話題を呼んだ。各音楽チャートを席巻し、年末には『紅白』初出場も果たすなど、彼にとって2020年は激動の1年だったといえる。
そして現在、瑛人は2024年から神奈川県逗子海岸にある海の家「弥栄(いやさか)」で共同オーナーとして働いている。夏の営業期間中はホールスタッフとして店に立ち、ときには同店でライブを行うこともあるという。
もちろん音楽活動も現在進行形だ。近年はタイでの活動にも力を入れており、今年に入ってからは、タイで人気を誇るバンド「SANIMYOK(スニムヨック)」とコラボした新曲「Free Bird」をリリース。これを記念して、瑛人×SANIMYOKによるジャパンツアーも開催された。
プライベートでは2022年に結婚し、今や3児の父親としても奮闘中の瑛人。公私ともに充実した日々を送っているようだ。
◆植村花菜
植村花菜は、亡き祖母への思いを込めた曲「トイレの神様」が2010年に大ブレイク。楽曲のヒットを受けて自身初の著書も発売されるなど、一大ブームを巻き起こした。さらに同年の『紅白』では初出場ながら、1組あたりの持ち時間を大幅に超える異例のロングパフォーマンスを披露。壮大なオーケストラの演奏とともに同楽曲を熱唱する姿は、多くの視聴者が涙を誘われただろう。
あれから15年。植村は現在、2児の母親として主にニューヨークを拠点に、子育てと音楽活動を両立している。またニューヨークを拠点に活動するにあたり、アーティスト名も「植村花菜」から「Ka-Na」へと変更。改名の理由については、英語圏のファンにとって「植村」の発音が難しいことなどを挙げていた。
日本でのツアーの際は、家族と一緒に来日しているようで、ブログやSNSにはライブの様子とともに、笑顔が印象的な家族写真も投稿されている。かつて時の人となった彼女は今、拠点やライフステージを変えながら、自分のペースで音楽と向き合い続けているようだ。
◆175R
2000年代前半に人気を博したロックバンド「175R」のボーカル・SHOGOも、海外に拠点を移した一人だ。175Rは2003年にメジャーデビューし、同年に発売された2ndシングル「空に唄えば」が大ヒット。
その後、175Rは2010年に活動休止を発表。およそ6年間の沈黙を経て、2016年12月に活動を再開した。再始動後にメンバーが1人脱退し、現在はSHOGOを含む3人体制で活動を続けている。
一方、SHOGOは2018年に家族でフィリピン・セブ島へ移住。現在は日本とフィリピンを行き来しながら音楽活動を行っているようで、2025年8月には音楽フェス「別府温泉ぶっかけフェス2025」にも出演していた。またバンド活動にとどまらず、セブ島初の日本人街「NEO TOKYO」のプロデュースにも携わるなど、日本とフィリピンをつなぐ取り組みにも力を注いでいる。
『紅白』という大舞台を経て、一躍時代の象徴となった彼らだが、その後の人生は決して一様ではない。表舞台から少し距離を置いた今も、それぞれが自分のペースで日々を重ねているようだ。
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