1月16日公開の映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』(児山隆監督)に出演している吉田美月喜。本作では南沙良・出口夏希と一緒に、茨城の田舎で“不適切な青春”を楽しむ女子高生3人組を演じた。
新進の若手女優として映画やドラマで活躍し続ける彼女に、我が道を行く高校生・岩隈真子を演じた感想や、昨今の出演作での発見を聞いた(前後編の後編)。

【写真】映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』に出演している俳優・吉田美月喜【7点】

――14歳の時にスカウトされて芸能界入りしましたが、これまでの経験を経て、人生観に変化はありましたか。

吉田 かなり変わったと思います。私はキャラクターを演じる時、まず共感できる部分を探す作業に入ります。自分とかけ離れた性格であっても、役を通して共感を寄せていくと、「こういう考え方もあるんだ」と自分が知らなかった価値観を受け入れられるようになります。だからいろんな役と出会うたびに、変わっているんじゃないかなと思います。

――活動する中で、大きな転機となった作品はありますか。

吉田 2年前のアニメ映画の『ルックバック』ですね。初めて声優をやらせていただいたのですが、共演の河合優実さんとお芝居をしていくうちに「俳優って声だね」と2人で話しました。

――アニメですから、声だけですべてを伝えないといけないですね。

吉田 そうですね。河合さんの声も昔から大好きだったので、現場で同じ考えになったのもうれしかったですし、腑に落ちました。
実をいうと、私はもともと自分の声があまり好きではなくて。でも『ルックバック』はオーディションで選んでいただいたので、自分の声を肯定してもらえたんだと思って、声でのお芝居に自信を持って研究していけるようになりました。

――それから、お芝居にどんな変化が?

吉田 それまでは、顔の表情とか体の動きとか、目に見える表現に頼りすぎていた部分がありました。でも、それだけでなくて演技する中での息遣い一つや、声で表現することも大切だし、声だけで伝えられる感情もあるな、と実感しました。だから岩隈のお芝居でも、声を低めにして彼女の性格も見せようとしました。それにいろんな作品を見てきて、私が好きな俳優さんって皆、声での表現力が豊かなんです。

――すると吉田さんにとって「声が素敵な俳優」といえば、誰が思い浮かびますか?

吉田 本当にいろんな方がいらっしゃいますが…最近『北方謙三 水滸伝』(26年2月よりスタート、WOWOW/Leminoドラマ)でご一緒させていただいた主演の織田裕二さんが、すごくいい声をされていました。何というか重みがあって「安心感ある大人の声」ってこうなんだ、と実感しました。それに満島ひかりさんの声も好きです。あんな大人の風格が出せるお芝居も目指したいです。

――そして今、役者として譲れないことを挙げるなら?

吉田 学生の時はお芝居が楽しい、という気持ちが第一で演じていました。それから20歳を過ぎて、もっと深く考えるようになりましたね。
どの作品でもお話に何かしらのメッセージがあるので、それを伝えるのも役者の大切な務め、と思うようになって。色々なお話を読み込んで、テーマや劇中の人々の感情に触れていくうちに、「変えたい、変わりたい」っていうマインドを持って動く人が格好いい、と思えるようになりました。

――すると、この作品での岩隈真子たちにも影響を受けたかもしれないですね。

吉田 そうですね。例えば世の中、「おかしいな」と感じることがあっても、なかなか表立って動けないこともあると思います。私は彼女たちに比べて臆病なので、常識を破ってみるのはまだちょっと無理ですが(笑)、破ってみることで救われることもあるのかなと。「壁に抗える人になれれば」と思っていますし、お芝居を通じてそういう希望を伝えていきたいです。

吉田美月喜(よしだ・みづき)
2003年3月10日生まれ、東京都出身。2018年に芸能界デビュー。主な出演作にNetflixシリーズ『今際の国のアリス』、ドラマ『マイストロベリーフィルム』、主演映画に『メイへムガールズ』(2022)『あつい胸さわぎ』(2023)、『カムイのうた』(2024)など。2024年公開の劇場アニメ『ルックバック』で、河合優実とW主演で声優初挑戦。2026年は1月から放送開始のドラマ『俺たちバッドバーバーズ』(テレビ東京系)、2月より配信の『北方謙三 水滸伝』(WOWOW/Lemino)、映画『GEMNIBUS vol.2』(3/6公開)などにも出演。
来春には彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.3 舞台『リア王』出演、映画『KARATEKA』(10/30スペイン公開)にて海外映画初出演する。

【前編】吉田美月喜が語る『万事快調〈オール・グリーンズ〉』“不適切な青春”への憧れ
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