話題作豊富な冬ドラマの中でも、放送開始前から注目を集めていた『再会~Silent Truth~』(テレビ朝日系)。主演は前クール『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)の大ヒットの勢いを継続している竹内涼真さんですが、今作にさらなる重厚な深みを与えているのが、3年ぶり連ドラ出演となる井上真央さんです。


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竹内さん演じる刑事・飛奈淳一が、23年ぶりに小学校の同級生だった岩本万季子(井上さん)、清原圭介(瀬戸康史さん)、佐久間直人(渡辺大知さん)と再会することから始まるヒューマンミステリー。

その中でも井上さん演じる万季子は、淳一の初恋の相手であり、殺人事件の容疑者として再会するという物語の核をなす重要人物です。

井上さんは子役時代から脚光を浴び、『花より男子』(TBS系) シリーズの牧野つくし役で大ブレイク。2011年には連続テレビ小説『おひさま』(NHK総合)、2015年には大河ドラマ『花燃ゆ』(NHK総合)でも主演を務めています。

ここ数年はドラマや映画への出演数を絞り、じっくりと活動されています。直近に出演した連ドラは、2023年1月『100万回 言えばよかった』(TBS系)。井上さん演じる主人公が、佐藤健さん演じる幽霊となった運命の人と、松山ケンイチさん演じる幽霊を憑依されられる刑事を通じ、想いを成仏させるファンタジーラブストーリーでした。

悠依の想いはとてもピュアなもので、その真っすぐさは牧野つくしにも通じるものがありました。TVerお気に入り登録数も100万を超え、「井上真央×演技派俳優」というシナジーの無類の強さが読み取れます。

そんなキラキラとしたラブストーリーから一転、『再会』はミステリーで重めのトーン。そして、万季子はバツイチのシングルマザーで、万引きしてしまった一人息子のために、スーパーの店長にゆすられる目に遭うなど、苦労していることがハッキリと伝わります。井上さんのシリアスで、くたびれた感のある演技が際立ちます。
 

淳一、万季子、圭介、直人が小学校時代に埋めたはずの23年前の事件にまつわる過去が、現在になって掘り起こされ、万季子をゆすってきたスーパーの店長が殺害された事件と繋がってくる。万季子と圭介は明らかに何かを知っており、刑事である淳一に仕事上でもプライベートでも探りをいれられます。

万季子は圭介と口裏を合わせ嘘の証言をしていくだけでなく、淳一の初恋の相手が自分であったことを意識的にか、無自覚にかは不明ながら利用し、自身に有利になるように淳一を惑わせています。

問い詰められてもグッと息をひそめ、淳一の前では魅惑的にもなる井上さんの表情一つ一つが、これから明かされる重大な何かを示唆しているようで目が離せません。

万季子は本来純粋で誠実な女性にも見えますが、彼女の原動力の全ては、名門中学校に推薦入学が決まっている息子のために、というものです。3年前に『100万回 言えばよかった』で、運命の人の幽霊とファンシーにピュアラヴしてたあの頃の井上さんはどこにもいません。

教育方針の違いで圭介とも別れることになるなど、全集中の呼吸で息子を守ろうとする万季子を演じる井上さんは、完全に母親の顔をしています。「こんな女性、実際にいるよな」という感じに、超現実的にお母さんです。

井上さんは昨年と今年、2年連続で年始のバラエティ番組『さんまのまんま』(カンテレ・フジテレビ系)に出演し、ネット上では何度も結婚しかけているという噂がありながら、本当に「何もない」ことを自虐的に強調していました。

しかし、この『再会』で井上さんはあらためて、役の上では恋に奔走する独身女性から追い詰められたシングルマザーまで、変幻自在に没入できることを証明してくれています。

すでに十二分なキャリアを持っている井上さんですが、『再会』を機に今後もさらに役の幅を広げていきそうです。

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