中村倫也が主演を務める金曜ドラマ『DREAM STAGE』(TBSテレビ)が放送中だ。令和のアイドル戦国時代の今、アイドルグループが次々に誕生しているが、スポットライトを浴びられるのはごく一部にすぎない。
本作は、アイドルの華やかな世界とその裏側にある厳しさを描いた作品で、登場する落ちこぼれグループ・NAZE(ネイズ)のファンだけでなく、今を懸命に生きるすべての人に希望を与えてくれる作品だ。

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◆デビューして食べていけるのは10万人に1人の世界で奮闘
現在のK-POPブームの中で、若年層を中心に“推し活”を楽しむ人や、アイドルを目指す人は多い。

そうした中、元・音楽プロデューサー・吾妻潤(中村倫也)がNAZEのメンバーに言い放った「デビューして食っていけるのは、たった数組。つまり10万人に1人だ」という言葉は印象的であった。この厳しい世界では、14時間のレッスンは当たり前で、なおかつ努力自体が評価されることはほとんどない。

吾妻は「ほとんどの人間が若さを犠牲にして後悔することになる」「早めにやめて真面目に働け」とキムゴンに助言していたが、この言葉には彼への思い遣りがこもっている。

アイドルを目指す場合、10代から20代の貴重な時期を捧げる覚悟が必要だが、挫折した場合は人生の再設計を迫られる。近年は未経験からのキャリアチェンジのハードルが下がっているとはいえ、社会人経験が浅いと同世代との比較で不利になるケースは依然としてある。アイドルとして成功すれば、高収入を得られる可能性もあるが、アイドルの卵の段階でお金の必要に迫られれば、普通に働く方が現実的だ。

K-POP界で“残り物”の烙印を押され、どこへ売り込んでも門前払いされる日々を送るNAZEであるが、それぞれが悩みや苦労を抱えている。例えばキムゴンは、ギャンブル癖のある父と闘病中の母を心配し、ユウヤは人気グループ・TORINNER(トリナ―)のセンターである兄・リョウへのコンプレックスに苛まれている。

第3話でも、NAZEを取り巻く状況は厳しく、取材や番組出演が白紙になったり、ライバルのプロデューサー・パク・ジス(キム・ジェギョン)の罠にハマったりと困難が続いた。


そして次回の放送では、NAZEとTORINNERによる2週間のSNSフォロワー数対決が繰り広げられる。NAZEは対決で負けたら、相手の望みを何でも1つ聞かなければならないが、果たしてどうなるか…。

“泥臭く一途に努力できる”NAZEだからこそ、エリート集団・TORINNERとは一味違う魅力で、ファンの心を掴むに違いない。

◆アイドルの舞台裏が注目される時代
少し前までは、アイドルといえば非日常的な存在であり、ファンに夢を見せる役割が強かった。きらびやかな姿しか見せず、ステージ裏の練習風景が公開されることはあまりなかった。

しかし近年は、舞台裏の姿を積極的に見せる傾向が強まっている。例えばNMB48では、新規メンバーのお披露目ステージの舞台裏や、先輩との初リハーサルの様子などを、公式YouTubeチャンネルで公開している。悔し涙を流す姿、うまく踊れずに悩み苦しむ姿、さらには“プロ”として厳しい指摘を受けるメンバーの姿までもが映し出されている。

意見は分かれるところかもしれないが、筆者はアイドルが夢を与える存在だからこそ、舞台裏の姿も覗き見たい。生まれつきの才能だけでステージに立つ人よりも、努力を重ねて夢を掴んだ人の方が応援したくなるし、その頑張る姿に励まされるからだ。

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