現在18歳の女子プロレスラー・稲葉あずさが、上戸彩武井咲藤田ニコルら多くの人気女性タレント擁する大手芸能事務所・オスカープロモーションに所属したことを発表した。彼女に限らず、近年の女子プロレスラーはビジュアルやキャラクターの進化により、芸能界進出が活発化している。


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稲葉は2月14日、自身のSNSで「この度 稲葉あずさは『オスカープロモーション』に所属しました」とファンに報告。「プロレスや稲葉あずさをもっと沢山の人に知ってもらいたい!!これから色々な活動に挑戦していきます!応援よろしくお願いいたします!」ともつづり、芸能活動などを通じて、プロレスや自身のことを世間にアピールしていきたいと意気込んだ。

同じ女子プロレスラーの稲葉ともかを姉に持つ稲葉は、中学卒業間近だった2023年3月にTAKAみちのく率いるプロレス団体・JTOでデビュー。キュートなルックスと空手をベースにした抜群の格闘センスで瞬く間に頭角を現し、早くからベルト戦線に絡み、他団体の選手や幹部からも認められるほどの才能を発揮。18歳の誕生日に新宿FACEで自主興行を開催するなど、若くして興行主も務める‟驚異の10代”だ。

稲葉の大きな特徴としては、キックや掌底といった打撃技からムーンサルトプレスのような飛び技までこなし、通常はアイドル的な正統派レスラーとして闘う一方、女子プロレスの大手団体・スターダムではヒール軍団「H.A.T.E.」のメンバーとして躍動するなど、レスラーとしての表現の幅が広いことが挙げられる。芸能分野への進出は、表現力のさらなる拡大へとつながっていきそうだ。

現在、最も芸能界での活躍が目覚ましい女子レスラーといえば、スターダムのワールド王者・上谷沙弥だろう。昨年4月に「負けたら引退」を懸けて臨んだ中野たむとの激闘は女子プロレスの枠を超えた反響を呼び、その勢いに乗ってバラエティにも進出。TBS系『ラヴィット!』のシーズンレギュラーやフジテレビ系『千鳥の鬼レンチャン』の「女子300m走サバイバル」企画などで、地上波露出を増やしていった。

リング上では女王様的な美しきヒールだが、バラエティで見せる「ヒールなのに素はかわいい」「悪役なのに実はまじめ」といったギャップが視聴者に受け、これにより一般知名度が大きく上昇。レスラーとしての活躍に加え、バラエティ進出で世間に女子プロレスを「届けた」功績により、昨年末に東京スポーツ新聞社選定「プロレス大賞」で女子史上初のMVP(最優秀選手賞)を獲得した。


今年1月には放送中のTBS系ドラマ『リブート』に短い時間ながらゲスト出演し、2月2日にはテレビ朝日系『光一&シゲのSHOWマン!!』で上谷を中心にしたスターダム特集が組まれるなど、女子プロレスの魅力を世間に発信しながら芸能分野でも快進撃を続けている。

東京女子プロレスで活躍する上原わかなは、タレント業とレスラーの二刀流で活動しているが、昨年8月に山本舞香高橋ユウ、ゆきぽよらが所属する大手事務所・エイジアプロモーション入りを発表。芸能活動では大食い番組などで存在感を示す一方、モデルとしても活動する上福ゆきとのコンビでタッグ王座を獲得し、タッグトーナメントも制覇するなど、レスラーとしても飛躍の時を迎えている。

さらに、元ミスヤングマガジンでグラビアアイドルの山岡雅弥の妹でマリーゴールドに所属する山岡聖怜や、同じマリーゴールドで「グラビア界の国宝美尻」と称される橘渚など、リングだけでなくグラビアでも輝きを放っている選手も多い。

女子レスラーの芸能進出が盛んになっている背景には、タレントからプロレスへ転向したレスラーの増加による‟ボーダレス化”がある。「バイトAKB」のメンバーだった上谷や、九州発のアイドルグループ「LinQ」の元メンバー・伊藤麻希など、アイドル界やグラビア界からプロレス界に飛び込むケースが増えており、最初から芸能活動に慣れているレスラーが多くなった。

また、プロレスはファンを引き寄せる強烈な個性が求められる世界だが、それは芸能活動でも生かすことができる魅力だ。近年は女子プロレス界でビジュアル系レスラーの隆盛が目立っており、それも芸能進出の活発化に影響したと考えられる。

芸能活動をあまり快く思わないファンもいるかもしれないが、稲葉や上谷らのように実力があった上で、「世間にプロレスを知ってもらうため」という信念があれば支持を得られるだろう。個性あふれるレスラーがひしめく現代の女子プロレス界は、芸能界にとっても「人材の宝庫」といえそうだ。

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