STU48を卒業し声優として歩み始めた頃、由良朱合は厳しい言葉を何度も投げかけられ、悔しさを噛み締めてきた。オーディションに落ち続けた日々。
初めてのレギュラー現場で目の当たりにした、先輩声優たちの圧倒的な背中。5年ぶりのグラビア復帰に伴う葛藤、そして落語やDJといった未知の世界への挑戦――。「10年後もこの仕事を続けている人」であるために、今も磨き続けている覚悟と、その裏にある等身大の素顔に迫る。(前後編の後編)

【写真】声優、グラビア、DJと活躍の場を広げる由良朱合の撮り下ろし【8点】

――なぜ、声優という道を選んだのでしょうか。

由良 もともとアニメやゲームが大好きだったのが一番大きいです。ただ、今までやってきた中で、声優のお仕事が一番大変だと感じています。

――オーディションも、かなり厳しい世界ですよね。

由良 本当に受からなかったです。100回受けて、1回も受からない時期もありました。でも、どれだけ有名な声優さんでも、役に合わなければ落ちる世界だと聞いて。「私が落ちるのも当たり前だな」って、無理やり納得させていました。とにかく、根気強く続けるしかないなと。


――仕事が決まり始めてからも、葛藤はあったそうですね。

由良 ありがたいことに、比較的早い段階でお仕事をいただけたんですが、「アイドル上がりだからでしょ」って言われることも多くて、すごく悔しかったです。このままじゃ、ずっとそう思われ続けるなって。だから最初の2年間は、仕事をしながら声優のレッスンを3つ掛け持ちして、とにかく必死でした。

――その努力が実を結び、アニメ『ボールパークでつかまえて!』(2025年4月~6月=テレビ東京系)で初のレギュラー役を。

由良 本当にすごい現場でした。ベテランの声優さんたちのアフレコを間近で見て、「プロってこういうことなんだ」って、毎回圧倒されていました。

――特に印象に残っているシーンは?

由良 3歳の女の子の役で、迷子になって泣き続けるシーンですね。別録りだったんですが、先輩方を待たせたまま、2分間ずっと泣き続けるんです。「早くOK出てほしい」「私なんかが時間を取ってしまって申し訳ない」って、ずっと思っていました。

――相当なプレッシャーですね。

由良 でも終わったあと、皆さんが「あそこ大変だったね」って声をかけてくださって。
その一言に、本当に救われました。

――そして、5年ぶりのグラビア復帰も話題になりました。

由良 いただいたお仕事だからこそ、全力で向き合いたい。そう思ってお引き受けしました。ただ正直、「声優なのに水着になるんだって思われるかな」という不安もありました。

――実際、賛否の声もありました。

由良 「水着になってほしくなかった」という声もありました。でも、私自身が女の子のグラビアが大好きなオタクなので、その気持ちもすごく分かるんです。だから、そう言ってもらえるのは「大切に思ってくれている証拠」だなって、ありがたく受け止めています。

――落語にも挑戦されましたね。

由良 ここ数年で一番怖かったです(笑)。20分間の一人語りで、セリフを飛ばしたら終わり。
稽古もほぼZoomで、本番までずっと不安でしたね。

――本番はいかがでしたか?

由良 お客さんがすごく笑ってくださって、最後の公演は自分的に100点でした。「かわいいは置いてきて、面白さに全振りでいこう」と言われて、とにかく笑わせることに集中しました。

――その経験は、声優業にも活きていますか?

由良 すごく活きています。「どう落とすか」「どうしたら伝わるか」を考える癖がつきました。

――オフの日は意外とインドアだとか。

由良 15時間くらい寝て、起きたら『スマブラ』してます(笑)。SNSで見るキラキラした感じとは、だいぶ違いますね。

――最後に、これからの目標を。

由良 「10年後も、この仕事を続けている人でいたい」。そのために、アイドルだった過去じゃなく、「声優・由良朱合」として認めてもらえるように、これからもお芝居を磨き続けたいです。

▽PROFILE
由良朱合(ゆら・あかり)
1999年3月12日生まれ、広島県出身。
幼少期より芸能活動に親しみ、アイドルとしてキャリアをスタート。グループ活動を経て、グラビアやDJなど表現の幅を広げている。近年は声優としてアニメやゲーム、舞台作品にも出演し、芝居と音楽の両軸で存在感を発揮。

【前編】由良朱合、STU48卒業⇒大学生活から“声優”を選んだ再出発の決断「楽しいだけの日々が怖くなった」
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