かつてグラビアは「若さ」の象徴であった。しかし近年、その価値観は変わりつつある。
結婚や出産を経験した女性タレントが再び、あるいは継続してグラビアの世界で輝きを放ち、支持を得ているのだ。‟ママグラビア”が盛り上がる背景には何があるのだろうか。

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AKB48で女優の前田敦子は、2月13日に‟最後の写真集”と銘打った『前田敦子写真集 Beste』(講談社)をリリース。約14年ぶりの写真集だったが、Amazonのタレント写真集ランキングで発売日から3日連続で1位を記録するなど大きな反響を呼んだ。

前田はかつて国民的アイドルとして一時代を築き、卒業後は女優としてキャリアを重ねながら、プライベートでは結婚・出産を経験した。現在34歳となった彼女は、シングルマザーとして息子を育てながらタレントとして活躍している。

そんななかで「まさかのグラビア復帰」となった今回の写真集は、体づくりに徹底的にこだわり、惜しげもなく‟過去最大露出”に挑戦した。ピラティスに通い、女性らしい丸みのあるボディラインを残しつつ引き締め、「女性にとっては目指したい体、男性にとっては恋しちゃいそうになる体」を追求した。

写真集のテーマは「大人の恋」となっており、過去最高の仕上がりになったというボディに加え、今の彼女だからこその魅力や説得力が作品に独特の艶っぽさを与えている。実際、写真集の購入者からは「際どい衣装も多いですが、美しさに目がくらみます。石膏像のような芸術的スタイルです」「お子さんいるのにスリムで整った体、変わらない笑顔、同世代の女性としてあこがれです」などと、絶賛の声が相次いでいる。

広末涼子のものまねでブレイクした元タレント・おかもとまりは、昨年9月に「週刊プレイボーイ」(集英社)で約11年ぶりにグラビア復帰。
当時35歳だった彼女は「自分の体をグラビアに残して、40歳になる自分の参考書にしたいと思った」と、復帰理由を明かしている。

シングルマザーのおかもとには10歳の息子がいるが、2月24日に出演したABEMAオリジナル番組『愛のハイエナ season5』では、息子に「グラビアの仕事またやっていい?」と尋ねたところ、「自分に見せなければいいよ」と後押しされたことも明かしている。その言葉を糧にボディメイクに励み、復帰作では鍛え上げられたボディと洗練された大人の色香を披露している。同時にリリースされたデジタル写真集『35歳の透明感』(集英社)も好評となった。

「元祖メガネっ子アイドル」として人気を博した時東ぁみは、2016年に結婚し、約4年半の不妊治療の末に第1子を妊娠、2022年に男の子を出産した。ママになっても体磨きを続け、2023年にはボディコンテスト「APF JAPAN CLASSIC」で3位に入賞。昨年はデビュー20周年を記念し、自慢のボディを雑誌グラビアで披露した。約10年ぶりとなったグラビアでは、コンテスト仕様の体ではなく、男性読者を意識したボディを目指して増量し、魅力的な肉体美を見せつけた。

時東はグラビア復帰に際し、「女性が出産したり結婚したりすると、ボディメイクをしても『誰に向けてやってんだ?』みたいに言われることがありますけど、やっぱりキレイでいることは嬉しいし、誇らしいことだと私は思います」と語り、結婚・出産を経ても美しくありたいという、女性の想いを体現するための挑戦であることを示唆した。

このほか、3児の母でありながら40代とは思えないスタイルでグラビア界の第一線に立ち続ける熊田曜子など、グラビアで輝き続けるママタレントが増えている。なぜ‟ママグラビア”にそれほどの需要が生まれているのか。

その大きな理由は「物語性」と「市場の成熟」だ。
若手のグラビアアイドルに比べ、彼女たちは多くのキャリアや人生の節目を経験しており、ファンはその歩みを見守ってきた。その背景があるからこそ、一枚のグラビアにもストーリーが宿る。ファンは肉体だけではなく、その背後にある人生や物語を重ねて見ているのだ。

また、グラビアファンも年齢を重ねており、かつて10代・20代だったファンが30代・40代となり、同世代の女性の変化や再挑戦に関心を抱きやすい構造が生まれている。かつて応援していたアイドルが母となり、再びカメラの前に立つまでの変化を追体験すること自体が貴重なコンテンツになり、それが‟ママグラビア”の需要につながっている。

価値観の変化も大きい。かつては「母親は控えめであるべき」という考え方が根強かったが、現代では「ママになってもキレイでいたい」「輝き続けたい」という価値観が広がった。それを体現する表現方法の一つがグラビアだ。もちろん「子どもがどう思うのか」といった声もあり賛否はつきまとうが、そうした議論が起こること自体、社会が価値観の転換期にある証拠ではないだろうか。

「母親なのに」といった声も根強くあるが、ママであることは女性としての自己表現を制限する理由になるのか。‟ママグラビア”の隆盛は、その固定観念を問い直している。

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