「日曜劇場『高市早苗』キャスティング案」なる投稿がSNSで話題になっている。架空の‟ネタ”ではあるものの、実在の政治家を想起させる役者の写真が並んでいるとして、ネット空間で大きな反響を呼んでいる。
そこで本稿では、「日曜劇場『高市早苗』キャスティング案」が実現すればどうなるのかを妄想しつつ、女性政治家が描かれてきた過去作品を振り返ってみたい。

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◆「日曜劇場『高市早苗』のキャスティング案」が実現したら
現在、SNSで拡散されているのが「日曜劇場『高市早苗』のキャスティング案」だ。あらためて強調しておくが、これはあくまで‟架空のネタ”であり、現時点で放送される予定はない。

この妄想キャスティングで、高市早苗役は天海祐希となっている。天海は首相になってほしい芸能人ランキングで1位にランクインすることも多く、リーダー的イメージは広く共有されている。

天海自身も政治への関心は高いようで、2025年秋に放送された『人は2000年前をどう生きたのか 天海祐希と古代ローマの謎を解く』(BS朝日)では、「国家ってトップの人が全ての人をファミリーだと思って、この人たちを食べさせたい、飢えさせないようにしたいと思うことが必要だと思う」と持論を述べていた。

そのほかのキャストはも実に‟それらしい”。麻生太郎役に秋野太作、片山さつき役には清水ミチコ、小野田紀美役には内田有紀が当てられている。秋野の容貌と雰囲気は麻生副総理に重なるし、清水のハキハキとした歯切れのよさは片山大臣の印象に通じる。内田の華やかさと凛々しいルックス、内面からにじみ出る愛らしさは、小野田大臣の強さと親しみやすさのバランスを想起させる。

さらに興味深かったのが、日本維新の会のトップ・吉村洋文役の竹内涼真ドラマに引っ張りだこの竹内が勢いのある政治家を演じる構図がおもしろい。


高市首相は‟強い国づくり”を掲げるが、外交・防衛と医療・福祉・国民生活のバランスは大きな課題となっている。この架空ドラマが実現すれば、天海演じる女性首相は国力強化を進める一方で、国内の社会的弱者の問題にどう向き合うかが見どころになるかもしれない。

また、高市首相の人となりを語る要素として、豚まん好きや関西弁があげられるが、そうしたエピソードが物語に織り込まれれば話題になりそうだ。

◆女性政治家はどう描かれてきたのか
高市政権誕生の際に筆者が思い浮かんだ作品が、2015年に放送された『スケープゴート』(WOWOW)だ。黒木瞳演じる三崎皓子が、組閣時の記念撮影で前列中央に堂々と立つシーンが印象的だった。放送当時、女性がその位置に立つ未来が訪れるとは想像もしていなかった。

本作は、働く女性のカリスマと称される大学教員の三崎皓子(黒木瞳)が内閣総理大臣・山城泰三(古谷一行)に引き込まれ、異例の速さで首相に就任するまでを描く。

皓子は政界入り後、同じ政党の男性から軽視され、「所詮、女だ。いざとなったら泣きを入れてきますよ」と揶揄されることもあった。そんな中でも、国益のため、よりよい未来のために、金融・経済の知識を武器に奮闘する。皓子が総裁選に出馬し勝利したのは、彼女の政策と人望が中堅若手議員に支持された結果だった。

一方、2017年に放送されたのが『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(フジテレビ系)だ。
中卒でコールセンターのオペレーターをしていた佐藤智子(篠原涼子)が、政治が分からない主婦目線で市政改革に乗り出す物語である。

智子は子育て世代の支持を集め、当選後は教育こども委員会に所属する。子育て支援策に偏りがちな活動は、地方の女性政治家にありがちだが、政治家が自身の生活経験から優先課題を選ぶなら、子育て中の智子にとって自然なことのようにも思う。

社会には今なお「女性の領域=ケア」「男性の領域=法律・金融・防衛」といった固定観念が根強い。だが、実在の政治家もドラマの中も政治家も、本来は性別に縛られることなく、それぞれの信念と視座で社会を見つめている。

日本初の女性首相の誕生によって、ドラマの価値観も大きく更新されていくだろう。

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