の約5年ぶりとなる新曲『Five』が3月4日に配信され、同日付の「オリコンデイリーストリーミングランキング」で1位を獲得した。オリコン史上最高となる再生数320.9万回を記録し、同日付の「オリコンデイリーデジタルシングル(単曲)ランキング」でも1位(7.4万DL)に輝くなど、圧倒的な強さを見せている。


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3月13日から始まるラストツアーへの期待も高まっている嵐。活動休止を経てもなお、5人がそろった瞬間に社会現象級の注目を集めるのはなぜなのか。偉大な先輩グループ・SMAP、そして令和のスター・Snow Manと比較しながら、日本のアイドル史における「嵐の特別さ」を改めて考えてみたい。

まず、SMAPは日本のアイドル史において革命的なグループだった。アイドルでありながらバラエティに果敢に挑戦し、ブレイク後は木村拓哉のカリスマ性、中居正広のリーダーシップ、草彅剛香取慎吾の個性、稲垣吾郎の独自の存在感など、メンバーそれぞれが強烈なキャラクターを武器にソロ活動でも大きな成功を収めた。バラエティ、ドラマ、映画と幅広く活躍し、文句なしの「国民的アイドル」と言われる存在となった。

一方でSMAPは、メンバーの脱退や独立騒動などを経験している。また、メンバーの距離感はプロフェッショナル感が強く、いわゆる「慣れあい」をあまりしないスタイルだった。むしろ、それぞれが個性をぶつけ合うことで、グループの魅力を生み出していたとも言える。

そうしたSMAPとは異なる魅力を築いたのが嵐だ。嵐が特別と言われる理由の一つは、1999年の結成から現在に至るまで、約27年にわたり誰も脱退することなく5人で歩んできたことだろう。アイドルグループはメンバーの変動が珍しくないだけに、この安定感は非常に希少だ。


さらに嵐の大きな特徴としては、絶対的なセンターが存在しないことが挙げられる。大野智、櫻井翔、相葉雅紀、二宮和也松本潤の5人がそれぞれ個性を持ちながらも、誰か一人が前に出てグループを引っ張る形ではない。「5人で嵐」という言葉が象徴するように、全員が互いを信頼しながら横並びでグループを支えるスタイルを続けてきた。

その空気感は、ファン文化にも大きな影響を与えた。嵐といえば、メンバーの仲の良さが伝わる「わちゃわちゃ」感で多くのファンを魅了してきた。バラエティやコンサートで見せるメンバーたちの自然体のやり取りは、グループの魅力の一つとして愛され、ファンはその関係性を見守り、共有すること自体を楽しんでいたのである。「わちゃわちゃ」を隠さずに見せていくスタンスは、後輩グループにも受け継がれていった。

また、嵐の楽曲が私たちの生活と結びついていることも大きい。卒業式で『サクラ咲ケ』が流れたり、失恋したときに『Love so sweet』で涙したり、結婚式で『One Love』をBGMにしたり、落ち込んでいるときに『Happiness』で元気をもらったりと、楽曲を聴くと人生のさまざまなシーンが思い浮かぶ。単なるヒット曲というより、それぞれの人生に寄り添う‟応援歌”として多くの人に記憶されているのだ。

さらに忘れてはならないのが「演出家・松本潤」の存在だ。松本はコンサート演出を手掛け、客席の上を移動する可動式ステージ(ムービングステージ)などの革新的な演出を続々と導入し、嵐のライブを日本屈指のエンターテインメントへと進化させた。
斬新なステージ演出や映像、没入感を重視した構成は高く評価され、特別な時間を体験できるライブとして、唯一無二のファンとの一体感を生み出した。

では、令和の時代における‟国民的グループ”として注目されるSnow Manはどうだろうか。Snow Manは9人組という大人数グループであり、長い下積みで培った圧倒的なダンススキルとパフォーマンス力が大きな武器だ。

メンバーの仲の良さを見せる「わちゃわちゃ」感は嵐と共通するが、YouTubeなどのデジタル発信を積極的に活用し、SNS時代のファンと「距離感の近さ」を感じさせる関係を築いている。テレビ中心だったSMAP、国民的な親しみやすさを築いた嵐とはまた違う、令和仕様のスター像を体現していると言える。

このように見ると、SMAP、嵐、Snow Manはそれぞれ異なる形で時代の‟国民的アイドル”を体現してきたことが分かる。SMAPは個のカリスマで時代を切り開き、Snow Manはデジタル時代のエンターテインメントを牽引する存在だ。そして嵐は、親しみやすさと結束の強さを維持しながら、グループとして「5人で嵐」という安定感と信頼感を築き上げてきた。

嵐が「特別」と言われる理由は、突出した誰かではなく、5人の関係性そのものが魅力だったからなのではないだろうか。だからこそ、長い活動休止を経ても、新曲で「5人がそろった」瞬間に大きな反響が生まれる。時代ごとにスター像が変化してきた日本のアイドル史の中で、「5人で嵐」という形を守り続けたことは、ひとつの到達点だったと言えるのかもしれない。

SMAPやSnow Manと並べて語られる存在として、嵐はどのように記憶されていくのか。
その答えは、これからも長く議論されていくことになるだろう。

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