「2000年に1人の美少女」——その言葉が世間に広まるほど、彼女は追い詰められていった。現在はアイドルユニット「ゑんら」として活動する滝口ひかり
芸能歴10年以上の中で、うつ病、活動休止、そしてニート期間も経験した。偶然のスナップ撮影から始まった芸能界入り、かつて所属していたアイドルグループ「drop」での限界の日々を紐解いていく。(前後編の前編)

【写真】アイドルユニットゑんらとして活躍する滝口ひかりの撮り下ろし【10点】

――滝口さんといえば、「2000年に1人の美少女」というキャッチフレーズが未だに印象に残っています。

滝口 あのキャッチは、事務所はつけたのではく、ファンの方が盛り上げてくれたものなんですよね。ただ、橋本環奈ちゃんが「1000年に1人」じゃないですか。その倍の可愛さを求められても困るって思っていました(笑)。ありがたいんですけどね。当時はやっぱり重圧で素直に喜べなかったです。

――改めて芸能界に入ったきっかけから教えてもらえますか。

滝口 友達が男性ファッション誌のイベントに誘ってくれて、ついて行ったんです。100人ぐらい女の子がいる中で「あなたとあなたはこっちへ」って急に言われて、そのままスナップ撮影が始まって。友達ともはぐれちゃって。


これ聞いても「?」ですよね。私も「へ?」ってなりました(笑)。そのスナップをX(旧Twitter)に上げて、それを見た当時の社長にDMでスカウトされた流れでした。

――当時はアイドルになりたかったわけでもなかった?

滝口 全然。そのスナップですら「何これ。めんどくさいな」と思いながら撮影してました(笑)。でも、その友達が連れいってくれなかったら今の自分はないから、感謝しています。

――2014年、アイドルグループ「drop」に加入されました。当時の生活はかなりハードだったそうですね。

滝口 毎日レッスンがあって、ダンスとボイトレを2時間やってから、平日でもライブがありました。実家が千葉なので、帰るのが毎晩12時ごろ。深夜1時半に寝て、6時には起きてレッスン、みたいな日々でした。


――当時の状態を、どう振り返りますか。

滝口 今思うと、あの時が人生のどん底だったかな。グループに入って2年ぐらいの時に、気がついたらうつ病と診断されました。事務所的にも「滝口はもう無理」「戻ってくるか分からない」みたいな雰囲気にもなっていたと思います。

――当時はその自覚があったのでしょうか。

滝口 なんか麻痺しちゃってたんですよね。考える暇がないというか、言われた通りにただやるだけ、みたいな状態で。今思い返すと、辛かったんだなって思います。

――その後、どういった生活を送っていたのでしょう。

滝口 アニメや漫画を見たり、おばあちゃんの家に行ってゆったりしたりを繰り返していました。ほんとにだらだらと1~2か月くらい。その間、SNSも見ずに一切仕事をしない状態で、実家でゆっくりしていました。


――「drop」を離れようと思ったのも、そうした日々の蓄積が原因ですか。

滝口 なんで頑張ってるのか分からなくなってしまった、っていうのが大きいです。みさと(木乃伊みさと:現在は「ゑんら」のメンバー)も同じグループにいたんですけど、お互いに「一緒にやめよう」って。1人だったら絶対に決断できなかった。みさとに助けてもらいましたね。

事務所とは3、4回ぐらい話し合いましたけど、私もみさとも辞める意志が固かったので、何を言われても押し通していました(笑)。

――アイドルを辞めた後はどういった人生に?

滝口 本当は就職しようと思っていたんです。でも、まず1ヶ月ニートしようと。だらだらしてたらニート向いてないなって思ってきて、ふとSNSを見るとファンの方の喪失感が伝わってきて、「かわいそう」って思ったんですよね。ちょうどみさとも同じ状況だったので、「一緒にまた動こう」という話になりました。

――実妹のきららさん(滝口きらら)が加入したのも、同時期だったんですよね。

滝口 私は歌声重視のグループにしたかったので、「いい子いないかな」って探していたタイミングで、きららがフリーで動いていて。
きらら、昔から歌が上手かったんです。それに、メンバーカラーが私は青、みさとが赤で、きららは前のグループで黄色だったんで、「ちょうどいいじゃん」「信号完成だ」って言って誘いました(笑)。

こうして2018年2月、「ゑんら」が誕生した。

▽滝口ひかり(たきぐち・ひかり)
1994年9月20日生まれ、31歳。千葉県出身。O型。身長154センチ。ファッション誌のスナップをきっかけに2014年、アイドルグループ「drop」でデビュー。「2000年に1人の美少女」の異名を持つ。17年に脱退後、実妹・きらら、木乃伊みさとと完全セルフプロデュースユニット「ゑんら」を結成。2024年に保育士資格を取得。アクスタを500体以上集めるアニメ好きで、「好きなことを言い続ける」ことを信条にしている。


【後編】以前は“ガチ恋製造機”滝口ひかり、「無意識でファンを触ったり…」うつ病時からの変化
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