人気アイドルグループSnow Manの佐久間大介が、声優として着実に存在感を高めつつある。2026年の冬アニメ『ハイスクール!奇面組』(フジテレビ系)では、色男組のリーダー・切出翔を好演。
さらに4月から始まる春クールでは、『キルアオ』(テレビ東京系)の古波鮫シン役や、『メイドさんは食べるだけ』(TOKYO MX ほか)のチュン役を担当するなど、コンスタントな起用が続いている――。では、なぜここまで出演が相次いでいるのか。その背景には、単なる話題性だけでは語れない‟理由”がありそうだ。

【関連写真】映画『マッチング』“ストーカー役”に挑んだ佐久間大介

佐久間が所属するSnow Manといえば、デビューからわずか数年で日本のトップアイドルの座に登りつめた超人気グループ。そのためメンバーである佐久間が声優活動を行うと、‟ゲスト声優”や‟タレント声優”と見られがちだ。しかし彼の場合、いわゆる‟畑違いからの参入”という見方にはやや当てはまらないかもしれない。

実は佐久間は大学時代、エンタメ系の学部で学び、声優学科1期生として講義を受講していた。そのときの恩師が、『金田一少年の事件簿』の主人公・金田一一役などで知られる松野太紀さんだったという話は、ファンの間でもよく知られている。

基礎的な発声や演技の知識を身につけたうえで声優の仕事に踏み出している点は、ほかのアイドルにはあまりない大きな強みだろう。『ブラッククローバー』(テレビ東京系)で声優デビューした際、その違和感のない演技が話題となったのも、恩師の指導がしっかり生きた結果といえそうだ。

また過去の発言からは、単にオファーを受けるだけでなく、オーディションへの「挑戦」と「落選」を何度も重ねてきたことがうかがえる。テレビアニメ初主演作となる『風を継ぐもの』の立川迅助役や、4月から始まる『キルアオ』の古波鮫シン役も、そうした選考を経て勝ち取った役のひとつ。
プロの声優と同様にボイスサンプルを用意し、公式サイトに掲載している点からは、声優と同じ土俵で評価されようとする意識すら感じられる。

そもそも佐久間自身、筋金入りのアニメオタクとして有名で、自宅には『ラブライブ!』をはじめとするグッズが所狭しと並ぶ。それだけに、いわゆる‟ゲスト声優”に対して厳しい目が向けられることも、当事者としてよく理解しているはず。だからこそSnow Manの佐久間大介ではなく、‟声優・佐久間大介”として認められるための努力を重ねている――。オーディションへの積極的な挑戦やボイスサンプルの公開といった姿勢には、そんな意味も込められていそうだ。

では、肝心の演技はどうなのだろうか。例えば佐久間の声優活動における代表作のひとつには、アニメ『キミとアイドルプリキュア♪』(テレビ朝日系)の響カイトが挙げられる。本作は佐久間と同じ「アイドル」をモチーフとした作品で、響は18歳にして幅広い世代から愛されるレジェンド級の男性アイドル。普段は人当たりのいい爽やかな青年でありながら、仕事になると厳しい一面も見せるという役どころだった。

佐久間はそんな響の二面性を巧みに演じ分けるだけなく、ほかのキャストとも違和感なく馴染む演技を見せている。彼の出演を知らなければ、中の人が現役アイドルだとは思わないほど自然な演技だ。むしろ響をきっかけに、佐久間への関心を深めた視聴者も少なくなかった。


一方、『ハイスクール!奇面組』で演じた切出翔は、響とは対照的にキザな役どころ。女生徒にモテる軟派なタイプで、イケメンぞろいの「色男組」のリーダーを務めている人物だ。

キャラクターが強く個性的だと、演技もややわざとらしくなりがちだが、佐久間はそのバランスを絶妙に保っている。やや低めで色気を帯びた声質は「イケボ」として話題を呼び、1985年に放送された初代アニメで同役を務めた声優・難波圭一を想起させる演技も随所に見られた。現役アイドルという立場を意識させないほど自然で、声優としての力量が際立っている。

キャラクターの声に魅了され、声優・佐久間大介を知った視聴者のなかには、アイドルと同姓同名の別人と誤解する人も多いという。Kis-My-Ft2宮田俊哉とともに、一定の掲載基準を満たした声優のみが載る『声優名鑑』に初掲載されたのも、彼の演技力の裏付けといえるだろう。

2027年放送のアニメ『尚善』(フジテレビ系)においても、すでにメインキャストとして出演が決まっている佐久間。演技力を備え、各作品でしっかり爪痕を残し、着実に経験を積んできた彼ならさらなる活躍が期待できそうだ。むしろ声優としての躍進は、ここからなのかもしれない。

【あわせて読む】Snow Man公演めぐり異例の提訴「転売ヤーに2300万請求」エンタメ業界が本気で動き出した理由
編集部おすすめ