auのCMに起用され、目にしない日はなくなってきたモーニング娘
'14。結成から17年目、彼女たちの復活劇はいかにして起こったのか? リーダー就任から2年、常にメンバーの模範として、グループの精神的支柱として活躍してきた道重さゆみが語るその真実。この24ヵ月間、モーニング娘。'14の中で一体なにが起こっていたのか!? ※本インタビューは月刊エンタメ6月号(4月30日発売)に掲載された「道重さゆみロングインタビュー '14体制の真実」から一部を抜粋したものです。 私ができることは何か? 世間に届けることだと思った ――道重さんがモーニング娘。8代目リーダーに就任したのが2012年の5月18日。早いもので、あれから2年が経過しようとしています。思えば就任当時の道重さんは、「なるようにしかならない。自然体でいく」と本誌でもリラックスした様子で話していましたよね。 道重 そうでしたっけ? むしろリーダーになったばかりの頃は、プレッシャーがすごかった気がします。「人気が下がったらどうしよう?」とか「本当に私に務まるのかな?」とか、そういう不安や緊張感が沢山ありました。リーダーになる前は「リーダーになりた~い」「リーダーになるまでは辞められませ~ん」とか平気で言っていたんです。
当時のリーダーの前でも言っていましたからね。今考えると随分と失礼な話だと思うんですけど(笑)。ただ実際になってみると、想像以上にプレッシャーがきつくて……。 ――その「リーダーになってから辞める」発言というのは、今振り返ると軽い気持ちだったということですか? 道重 その当時は当時で、真剣ではあったんですけどね。さゆみにとってリーダーというのは、ひとつの大きな目標だったんです。リーダーになって具体的に何がしたいかというより、せっかく大好きなグループに入ったんだから、その大好きなグループの一番上を経験してからじゃないと卒業はしたくなかった。でも実際になってみないとわからない気持ちというのがあって、これは自分でも驚いたんですけど、本当にいろんな感情が一気に襲ってくるんです。周りの評価、自分の立場、グループのまとめ方……日々、プレッシャーに押し潰されそうでした。 ――道重体制のグループ作りは、実は苦悩の連続だったわけですね。 道重 本当にいろいろ考えましたね。「さゆみがリーダーになるということは、どういうことなんだろう?」って。今までいろんな先輩たちがリーダーになってきましたけど、どうやって自分のリーダー像を作るべきなのか。
自分なりのリーダーになる。そうやって口で言うのは簡単ですけど、「自分なり」とか「自分らしく」って実際にやるのは大変なんですよ。でも、そこが一番重要だとも思っていたんです。  そこで、よーく考えた上で出した結論は、「今のモーニング娘。を世間に伝える」ということ。それが自分なりの使命だと気づいたんですね。私はダンスや歌が得意ではないし、後輩に厳しく注意するタイプではないかもしれない。「じゃあ自分にできることは何か?」って考えたときに、とにかく世間のみんなに届かせることを全力でやると決意しました。 ――たしかに今のメンバーだと、道重さんの知名度がズバ抜けていますからね。情報発信能力も非常に高いですし。 道重 私だけ10年以上やっていて、それ以外の子は2年とか3年ですからね。そうなるのは当然だと思うんです。
それに私は9期・10期・11期を一番近くで見ている立場だから、伝えられることも多いはずですし。みんなが経験不足でできないことは、さゆみがフォローしなくちゃいけないと思った。で、またそう感じるようになると、お仕事への取り組み方とかも全部が変わってくるんですよ。 ――具体的には何が変わりました? 道重 たとえば、なにかイベントがあるとしますよね。そこに漠然と顔を出すのではなく、「このお仕事は、モーニング娘。にとってどういう意味があるのかな?」って考えるようになったんです。1人で参加する場合でも、「どうやったらモーニング娘。に繋げることができるかな?」って前日から考える習慣がつきましたし。 ――なるほど。吉野家、au、オリンピックと、それこそ「世間に届かせる」作業だったんでしょうね。 道重 モーニング娘。の名前を世の中に少しでも広げていくために、深く考えるようにはなりました。
――この2年間を振り返ると、小田さくらさんが加入し、田中さんが卒業しました。その部分での変化はいかがですか? 道重 れいながいなくなったときっていうのは、先輩はおろか、とうとう同期もいなくなるということで、周りからも心配されたんですよ。「本当に大丈夫なのか?」って感じで。私自体もインタビューとかでは「不安です」とか答えていたと思うし。でも内心では、「いや、絶対に大丈夫!」って信じていたんです(笑)。 ――その自信はどこから来たんですか? 道重 なんとかなるかなって。大好きな同期の(亀井)絵里が卒業したときだって「もうダメかも……」ってリアルに思ったけど、なんとかなったし、それはあの(高橋)愛ちゃんのときですらそう。こんなことを11年も続けていたら、そのたびにマスコミの人に「不安ですか?」とか訊かれますけど、まぁ結局はなんとかなっているんですよ。  それは楽観主義とかじゃなくて、自分たちでどうにかしてきたということなんです。だから結局は自分たちでなんとかするしかないという話で。また違うモーニング娘。に会えることを、自分たちでも楽しみにしているんです。
あとですね、小田(さくら)に関してはつんく♂さんと気持ちが通じ合っていた部分も少しあったかのもしれない。 ――と言いますと? 道重 11期メンバーオーディションの時は、ステージ上でつんく♂さんに「次は歌のうまい子が入ってきて欲しい」と言ったんですよ。そして結果的に歌唱力のある小田が入ってきたんです。 ――今もオーディションで12期メンバーを募集し直していますが、改めてどういう子に入ってほしいですか? 道重 そうですね……。前回のオーディション(※)のときは、「飛び抜けて可愛い子に入ってほしい」って言ったんです。後藤真希さんみたいなイメージですよね。パッと見ただけで華がある女の子。だけど冷静に考えてみたら、そういうことでもないのかなって。そもそもモーニング娘。の始まりっていうのは、一回オーディションに落ちたけど、それでもなんとか頑張りたいと思った子が集まったグループじゃないですか。そういう姿を、さゆみ自身も『ASAYAN』で観ていたわけですし。それで実際にCDを買いたいって思いましたしね。
※モーニング娘。12期メンバー「未来少女」オーディションは、2013年8月24日に「該当者なし」の結果を発表。再度、オーディションし直すこととなった  だからつまり、一生懸命に頑張っている姿を応援したいっていう気持ちになったんです。だから、モーニング娘。の根本のとにかく一生懸命、がむしゃらに頑張る心意気のある子に入ってきて欲しい。もちろん最初からダンスができる子は素晴らしいし、できることなら可愛い子のほうがいいかもしれない。でもね、やっぱり最後は気持ちが大事ですよ。モーニング娘。'14を愛する気持ち。 ――最後にお伺いします。もし仮に道重さんが卒業するとしたら、それはどういうタイミングだったり、心境の変化があるときなんでしょうか? 道重 このグループにきちんとした形で恩を返すことができたとき。そのときは、私が去るべきだと思っています。……ただなぁ、今はグループがどんどん新しい形になっている状態が楽しくてしょうがないんですよ。不安とかはまったくなくて。つんく♂さんを信じ切っているというのもありますしね。だから、今は「これから先が楽しみ!」っていう気持ちのほうが強い感じですかね。 ※本インタビューの完全版は、月刊エンタメ6月号にてご覧いただけます。
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