日本のトップコスプレイヤー・えなこほか、インスタグラビアの女王・似鳥沙也加などが所属する事務所としてここ一年で一気に注目度を高めているPPエンタープライズ。

そんな話題の事務所に所属するコスプレイヤーたちに私服での撮り下ろしとインタビューを実施。
今回はフワフワとした可愛らしさと“オトナのお姉さん”の魅力が融合する“さきみー”こと宮本彩希が登場。コスプレとの出会いから、プロとして活躍する過程の物語。そしてコスプレイヤーに特化したマネジメントブランド「L’erable」(レラブル)のプロデューサーとしての側面に迫りました(前後編の前編)。

【写真】光の中でスカートをヒラリ、宮本彩希の私服撮り下ろしカット【11点】

     *     *     *

――宮本さんはこの世界に入る前から趣味でよくコスプレされていたそうですが。キッカケはなんだったのでしょうか?

宮本 小さい頃からオタクでアニメやゲームが大好きな子だったんです。その中でも『コードギアス 反逆のルルーシュ』のC.C.というキャラクターが可愛くて大好きで。この子みたいになりたい!と思ったのがキッカケです。けど、実際になれるわけではないじゃないですか(笑)。なら、衣装だけでも着て近づいてみたいなぁと思ったんですね。それが10年ぐらい前だったかな? C.C.の衣装を買って着てみたんですよ。あの緑ロングヘア―が全然似合わなかったんですけど、すごく楽しかった気持ちを覚えています。

――そこからコスプレイヤーに目覚めていく?

宮本 いやぁ~、全然オタクお友だちがいなくて、何をどうすればいいかわからなかったので、家でずっと衣装を着て、なんとなく変身願望を叶えて満足!安心!! という生活を何年もやっていました(笑)。
イベントに行き始めるようになったのは確か2014年ごろですね。

――最初に参加したイベントの思い出をうかがえればと。

宮本 最初のコスプレイベントデビューは秋葉原UDXで開催された「僕らのラブライブ!」という『ラブライブ!』のオンリーイベントです。前からコミケにお買い物に行っていたのですが、今回はお買い物にプラスして初めてコスプレもやってみたいなぁと思い、自分で作った西木野真姫ちゃんのスクフェス限定衣装を着て参加したんですよ。気持ちとしては『ラブライブ!』好きな人が集まる場所なので、このコスプレを通してオタク友だちが少しでもできたらいいなぁ~という下心があって(笑)。

――人に見てもらいたい!というよりは、オタク友だちが増えたらいいなが強かったんですね。

宮本 高校の頃は学校に好きな漫画を持っていって「これ、オススメなんだよ!!」と読んでもらったり、好きなアニメの話をして「この声優さんがスゴいんだよ!」とプレゼンしても「ふ~ん……よくわかんない」で終わってしまって、寂しい想いをしていたんですよ(苦笑)。こんなに布教してもオタク友だち育たないんだ~!! もう養殖できないなら天然モノを捕まえるしかない!って。

――なるほど(笑)。しかも最初のイベント参加に自作で臨むのはスゴイですね。

宮本 真姫ちゃんの衣装は当時出たばかりのイベント限定デザインだったので、既製品の衣装が出ていなかったんですよ。一度、高校の文化祭で衣装を作ったことがあって、その時の記憶を頼りに、じゃあ作ってみるか!って。


――自作の衣装に袖を通した時は感動的だったのでは?

宮本 本当に糊でくっつけるだけのような簡単な造りなんですけど、嬉しかったことを覚えています。その頃は実家に住んでいたので母に「あんた、何作ってんの?」ってずっと言われていて、「コレを作ってました!」って発表会もやったんですよ。ただ、母の反応も「ふ~ん、へぇ~……」って感じで(笑)。

――ツライ! お友だちと同じ反応!!

宮本 そんな感じか~、褒めてくれないんだ~……ってションボリしました(笑)。

――アハハ。最終的に何着ぐらい自作の衣装ってあるんですか?

宮本 累計では100着ぐらいでしょうか。本当に出来はさておいて、どれも愛着のある衣装でした。

――そこからコスプレにはハマッていった。

宮本 はい。私の思惑が見事通じたのか、マニアックな衣装が良かったのか、お友達ができまして。そこから時間を空けずに「東京ゲームショー」に友だちと一緒にコスプレ参加して、そこからトントン……とイベント参加が増えていきました。みんなでコスプレしてイベントに行くのが、なんかお祭りに参加している!みたいで楽しかったんですよ。


――趣味であったコスプレが仕事になったのは何かのタイミングがあったのですか?

宮本 当時の事務所の先輩にコスプレイヤー/占い師の渚(現:マジョノカ渚)さんがいらして、渚さんと一緒に2016年の東京ゲームショウでKADOKAWA GAMESさんの公式コスプレしたのがキッカケです。

――コスプレを仕事にするというのはどうでした?楽しい気持ちもありつつ、プロフェッショナルに徹しないといけない部分もあって。

宮本 すっごい難しかった。「仕事楽しい~!!」ってテンションが上がり過ぎちゃってって、楽しい気持ちを抑えきれずちょっと舞い上がってしまって(苦笑)。けど渚さんはシッカリ“キャラになって”スッ!と立っていらしたので、これはダメだ!と、楽しい気持ちを抑えて渚さんをジッと見ながら「これがプロの仕事かぁ」と勉強していました。あと、えなこさんとお仕事をご一緒する機会が増えたことすごく大きかったですね。この当時、コスプレを職業にする発想自体がそもそもなく、楽しいことだけをもっとしたいな!という気持ちしかなかったので、えなこさんがコスプレを通じて作品の魅力をさらに強く伝えていて。私もコスプレを通じて、いただいた仕事に対して実力以上のものを出せたらいいな、という気持ちに変っていったんです。

――徐々に企業案件が増えていったわけですが、どこを評価してもらっていたと思いますか?

宮本 とある企業さんが、私が『アイドルマスターシンデレラガールズ』の高垣楓さんのコスプレした姿を見て「“キャラ愛”が伝わってくる」とオファーしてくださったんですよ。私、版権コスプレする時は、作品やキャラにリスペクトを持つことを大事にしていて。その子がどんな子であるのか?「この子はこういうポーズするよね、こういうことはしないかな?」と自分なりに研究して、それをシッカリ落とし込もうと気を付けています。

――左目下にある泣きぼくろが、見事に楓さんほぼ同じところにありますからね。


宮本 いやぁ~、実はこのホクロ、高校生の時になって急に出てきたんですよ。その時はなんで!?ってショックだったのですが、今考えるとラッキー!でしたね。

――オタクの神からの「数年後に高垣楓のコスプレしろ!」という思し召しですよ。

宮本 ウフフ、神様に感謝ですね。本当に楓さんは好きで、家にあるグッズが溢れかえっていて。その光景をSNSに載せていたのも評価していただいたようです。私が大切にしている“キャラ愛”が企業さんにも通じていたのはすごく嬉しかったですね。

インタビュー後編<「PPエンタープライズに入って変わったこと」>はこちらから。

▽宮本彩希
みやもとさき。2014年にバラエティ番組『アイドルの穴~日テレジェニックを探せ!~』に出演し、準日テレジェニックを受賞。その後、「池袋ハロウィンコスプレフェス2017」や「ニコニコ超会議2018」でコスプレを披露し話題を呼んだ。コスプレイヤーに特化したマネジメントブランド「L’erable」(レラブル)のプロデューサーも務める。
2020年7月には、漫画、アニメ『ド級編隊エグゼロス』エグゼロスガールに就任した。
Twitter:@saki_miyamoto
Youtubeチャンネル:さきみーのおつまみー
編集部おすすめ