(3回連載の2回目)
【写真11点】『青きヴァンパイアの悩み』では吸血鬼を熱演、ゆうたろうの撮り下ろしカット
――ゆうたろうさんはデビュー当初、"謎の美少年"と紹介されることが多く、肩書きも曖昧だったかと思います。
ゆうたろう そうですね。自分でも肩書きを名乗るとき、「ショップ店員だけど、もうモデルやってるし、タレントもやってるし……」と悩みました。でも、この仕事って色々できてナンボだし、自分の可能性を見出せる環境なので、今でももっと手広くやっていきたいなとは思っています。
――そんなゆうたろうさんは現在では「俳優」という肩書きが印象強いと思います。そんな俳優として一番最初に出演したのが舞台『初恋モンスター』でした。
ゆうたろう 演技をするのも初めてだったので、最初は「一度全部ちゃんとやってみて、無理そうだったら今後は諦めよう」という軽い気持ちで始めました。舞台って練習中に演出家さんから怒鳴られるようなイメージだったんですけど、みなさんすごく優しくて。この作品のおかげで、本当に0の状態からうまくスタートできたなって今でも思っています。モデルの仕事だと、長くて1日とか自分1人で簡潔してしまうことが多いんですが、俳優となると、長い時間共演者のみなさんと一緒に過ごすので、自然と仲良くなって友達も増えてきて。すごく居心地の良さを感じたし、「この仕事楽しい!」って思いました。
――学校というコミュニティが苦手だったと思いますが、多くの人と接することに不安はありませんでしたか?
ゆうたろう みんなが初めましてだったし、年齢差があったのがよかったと思っていて。初舞台のときも一番上で40歳、他も基本的にお兄ちゃんくらいの年齢だったので、そこはすごく助けられました。
――俳優デビュー当初は主に舞台で活躍していましたが、2018年には『3D彼女 リアルガール』で映画デビューを果たしました。
ゆうたろう 舞台だけをやっていた頃は、それはそれで楽しかったけど、このまま俳優としてどうなっていくんだろうと自分自身分からない部分もあったんです。そんなときに、マネージャーさんから電話が来て『3D彼女 リアルガール』出演を伝えられて。最初は信じられなかったです。しかも、数ヶ月後には撮影が始まると聞いたので、すぐにマンツーマンで演技のレッスンをしたりドキドキでした。僕のクランクインは撮影2日目からの予定だったんですけど、1日目も見学しに撮影現場に行っていて。そしたら、雨で外のシーンが撮れないから、急遽僕の出番がある別のシーンを撮ることになったんです。何も準備をしていないまま始まったので「どうしよう」ってなったんですけど、どうにか無事に終わって。その日の夜ホテルに帰って、自分がカメラの前に立ってお芝居したっていうことが夢のようで、思い出したら涙が止まらなくなりました。普段全然泣かないんですけど、溢れ出る涙と湧き上がる感情を実感をして「あ、この世界にいていいんだ」って思ったし「もっといたい」という欲も出てきました。
――ゆうたろうさん自身、俳優として「成長」を感じた場面はありますか?
ゆうたろう 俳優を始めたころは"モデルのゆうたろう"を見て声をかけていただけることがあって、中性的だったり実写だけどキャラクターっぽい役を演じることが多かったんです。でも、2年前くらいから、ちょっとクールな役も演じさせていただくことが増えて。演じることが難しくて壁にぶつかることもあったんですが、「あ、これはたぶん一皮むけるときだ」と感じる瞬間が多かったです。特に舞台「みみばしる」(2019年公演)に出演させていただいたとき、僕とはかけ離れている20代後半くらいの役を演じることになって、最初は「え、これ僕なの?」と正直思ったんですよ。でも、演出の松居(大悟=劇団ゴジゲン主宰)さんが「今までゆうたろうがしたことないような顔が見たい」って言ってくださったんです。そのとき、初めて役者の一人として認められたなと思いました。その頃から、他の作品を観ていて「この子にはまだ勝てない」と悔しいと思うことも増えて、どうすれば勝てるのか研究したり、闘志が出てきて。そこから、積極的にオーディションを受ける機会も増えましたし、ちょっとずつ選考に残ることが増えました。
――他に印象的だった作品はありますか?
ゆうたろう 『KBOYS』(2018年放送・朝日放送テレビ)は、半年ぐらい共演者のみんなと一丸となって頑張ったし、マジで2回くらい辞めたくなったときもありました(笑)。ダンスレッスンのときにスタッフの方に「遊びに来てるわけじゃないんだから。もちろん仲良くなることはいいと思うけどそれをここでやっちゃうと皆で撮影する意味がなくなっちゃうよ。ダンスが踊れないんだったらダンスを踊れる子に演技を教えればいい」と注意されたことがあったんです。
【つづけて読む】『青きヴァンパイアの悩み』で話題のイケメン俳優・ゆうたろうの恋愛観「勝手に失恋してたんです」
▽ゆうたろう
2016年、ショップ店員から“可愛すぎる美少年”モデルとして芸能界デビュー。 2017年からドラマや舞台で精力的に俳優活動を行う。現在放送中のドラマ『青きヴァンパイアの悩み』では桐山漣とW主演を務める。