今年開園170周年を迎える日本最古の遊園地「浅草花やしき」(東京・台東区)が7月20日、新エリアをオープン。新エリアにはアトラクション3種のほか、飲食店やフォトスポットを楽しめる空間が多数。
浅草門入り口をくぐってメリーゴーランドなどのお馴染みのアトラクションを通り過ぎ、西に進むとその建物が見えてきた。時空階段と呼ばれるレトロな雰囲気の階段を上ると、おどろおどろしい門が現れる。
門の上には「お化け屋敷」の文字。歌舞伎や落語、講談などさまざまな形で現代にも伝わる「番町皿屋敷」「四谷怪談」などの江戸四大怪談をモチーフにした内容で、恐る恐る中に入ると、頭上からは童謡を歌う子どもの声が聞こえ、すすり泣きの声もする。
かなりの暗闇だ。明かりを見つけてホッとするも、障子の向こうにはこの世のものではない、女の影が……。その後も、ろくろ首やら「1枚……2枚……」と皿を数えるお菊さんやらが次々に登場し、記者の肝を冷やす。
関係者によると移築前のお化け屋敷に比べ、子ども向けにマイルドにしたそうだが、とはいえ十分怖いよと突っ込みたくなる。実は以前のお化け屋敷には「本物」が出るとまことしやかにささやかれたが、今回は果たして──。
お化け屋敷を出て右に進むと「摩訶不思議!? 君もスクープカメラマン」の受け付けがある。これは、カメラを模した専用デバイスを手に園内をまわり、制限時間内にそこかしこに隠れる妖怪たちを撮影してまわる周遊アトラクションだ。
妖怪は園内にある12カ所の看板に潜み、そこに向かってデバイスを向けるとAR(拡張現実)に妖怪の姿が見え隠れする。すかさず撮影ボタンを押して、見事にフレーム内に収めると成功だ。ゲームを終えて受け付けでデバイスを提出すれば、自分が収めた妖怪たちが新聞の紙面を飾る。
ちなみに記者は6体しか見つけられなかった。妖怪のなかにはなかなか出現しない「レアもの」もいるという。
映像型アトラクション「パノラマ時間飛行」は、4面のマルチ映像で浅草のいまと昔をたどる。2016年に惜しまれつつ引退したアトラクション「Bee タワー」で一望できた浅草の街並みの風景を再現したものだが、それだけでは終わらない。次第に暗雲が立ち込めて……その先の驚きの展開はぜひ自分の目で確かめてほしい。
新エリアの1階では、花をモチーフにした作品を数多く手がけるクリエイティブカンパニー「NAKED, INC.」が手がけた、プロジェクトマッピングによる四季折々の風景が展開される。併設された飲食店「お花見茶屋」では、花やしきを象徴するパンダカーを模した「パンダカー焼き」をはじめ、おにぎりやモナカも。ここで映像を見ながら「花見」を楽しむのもオツだろう。
老若男女問わず楽しめるこれら新エリアの計画が本格的に動き出したのは、広報担当者によると昨冬から。
今後については、これまでの日本のファミリー層に加えて、インバウンド(訪日外国人客)を取り込みたいとのこと。「海外の方の周知をさらに増やしていきたい。浅草の遊び方をいろんな形で楽しんでほしいと思う」と担当者は話した。

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