子持ちの同僚のフォローに疲れた
職場に小さい子どもを持つ同僚がいるのですが、子どもが熱を出してしまった時や体調が悪いという時はもちろん急遽仕事を休んだり、早退したりしています。それは全く仕方がないことだとは思いつつ、そこのフォローを毎回任されていると少し疲れてしまいます。
私は将来子どもを産むかも分からない状況で、この立場を続けるのが正直つらいです。でもこれは私の心が狭いだけでしょうか? 皆さんはどのような気持ちで世の中のお母さんたちをフォローしているのか知りたいです。(広報/30代)

わーかーるーーー!

と、共感している人、たくさんいると思います。

同僚が子どものことで早退したり休んだりするのは仕方ないこと。でもそれを自分が無償で(ということですよね)フォローしなければならないのは納得がいかない。そして大変だし、つらい。

そう感じるのは当然です。なぜって、明らかに過重労働で、不公平で、理不尽だから。

単純に業務が増えるのに加えて、フォロー業務発生のタイミングが予測不可能なのもストレスになるはず。そして、どれだけ頑張っても評価もされず手当が出るわけでもないとなると、報われないですよね。

ただ、この感情をどう扱うかは、注意が必要。

というのも、あなたは「将来子どもを産むかも分からない状況で、この立場を続けるのが正直つらい」とのこと。
つまり、自分が相手を助けてばかりで、相手から助けてもらうことはないかもしれないことにモヤモヤしているわけですよね。

その気持ち、すごく分かります。

でも、そこで「私は子どもを産まないかもしれないのに」という気持ちにひきずられてしまうと、「ずるい」という感情が生まれ、女性同士で意味のない対立が生まれてしまう。それこそ無意識のうちに。

実際には、「おかしい」「納得いかない」と訴えるべきは、子どものいる同僚ではなく、不公平な状況を放置している会社なのです。
だから、解決するために必要なのは上司に相談すること。「自分の業務もあるので、常にフォローしないといけないのは負担が大きい。無理のない業務配分や何らかの仕組みを作るか、フォローする分の手当てがほしい」と。

確かに個人でフォローするのは無理があるか……と分かってくれた場合、会社で何らかの対策を講じてくれるかもしれません。

今、日本において、子どもがいる社員といない社員との間で生じる不公平問題は、現在進行形の課題。

新たな制度を導入した企業もあります。例えば、三井住友海上火災保険は2023年から、育児休暇を取った社員を除く全員に「育休職場応援手当」として3千円~最大10万円の一時金を給付しているそう。


これは出産前のフォローに手当てを出す制度ですが、出産後のフォローについても、これから新たな仕組みが生まれていくかもしれません。

そのためにも、当事者が声をあげることは大事!

中間管理職の友人も言っていました。「黙っていても会社は気付かない。会社側が自ら解決のために動くことはまずない」と。

大変な思いをしている社員が業務をきちんとこなし、かつ何も不満を訴えてこない場合、「問題ない」とみなす、と(悲)。

もし真剣に会社に訴えても「まぁまぁ」と軽くいなされ何もしてくれない場合は、転職を考えてもいいと思います。責任感ある人ばかりが割を食う職場にいるのは、あなたとあなたの人生がもったいないです。人手不足の昨今、少なくとも今よりは納得できる働き方ができる職場がきっとあるはず。

子どもを産む人生、産まない人生、それぞれに違う苦労があります。産んだ女性が昔に比べると働きやすくなってきたように、子どものいない女性も納得いく働き方ができるようになっていくはず。そう信じて、まずは行動を起こしてみてください。私も陰ながら応援しています!

<Point.>
・子持ちの同僚のフォローにつらさや理不尽さ、不公平さを感じるのは自然なこと
・同僚を「ずるい」と思うのではなく、会社に問題があるのだと冷静に捉えることが大
・当事者が声をあげることで、会社がフォロー体制や手当て支給を考える可能性あり

(文:ヨダエリ、イラスト:黒猫まな子)
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