山田裕貴主演の映画『爆弾』(10月31日公開)の主題歌が宮本浩次作詞・作曲の「I AM HERO」が起用されることが19日、明らかになった。

呉勝浩による同名小説を原作とするリアルタイム・サスペンスで、日本屈指のミステリー賞を総なめにした話題作の初映画化となる本作。
物語は、ある中年男が警察署で「都内に爆弾を仕掛けた」と自白する場面から幕を開ける。名乗った名は「スズキタゴサク」。すでに秋葉原では爆発が発生しており、今後も1時間ごとに爆発が続くと告げる彼は、警察に対して謎めいた“クイズ”を提示しながら、爆弾の情報を少しずつ明かしていく。巧妙な頭脳戦と挑発に、捜査陣は次第に翻弄されるのだった……

犯人・スズキを演じるのは、異色の存在感で知られる佐藤二朗。彼と対峙するのが、警視庁捜査一課の交渉人・類家。冷静沈着でありながら、内に秘めた情熱を持つ類家には山田裕貴が扮する。取調室という限られた空間で、犯人との丁々発止のやり取りが展開。一方、現場では警察官たちが奔走する。巡査・倖田を演じるのは伊藤沙莉。相棒の矢吹役には坂東龍汰が名を連ね、東京中を駆け巡って爆発を阻止しようと奮闘する。さらに、染谷将太演じる刑事・等々力や、渡部篤郎演じる類家の上司・清宮など、個性派俳優たちが捜査の多層的な側面を担う。

そんな緊張感あふれる物語の主題歌に、宮本浩次の「I AM HERO」が決定した。
今作では監督との対話を経て、作品の核心となるテーマと向き合いながら、情熱を込めて楽曲を書き上げた。宮本はこの曲に込めた想いを「この作品で描こうとしているのは"本当の自分の声"だと思います。それは、生きるうえで誰もが避けて通れない普遍的な問い。その重みを全力で曲に込めた」と語っている。

岡田翔太プロデューサーも、宮本の起用に大きな期待を寄せている。「『爆弾』は、いままで見たことのない作品を目指していました。音楽面でも、それに匹敵する衝撃を求めていた中、宮本さんから届けられたこの楽曲には、心を震わせる熱量が込められていました」と、楽曲への賛辞を惜しまない。主演の山田裕貴も、「I AM HERO」の歌詞に感銘を受けたという。当初は犯人・スズキの姿を思い浮かべたが、実際に曲を聴いてみると、追い詰められながらも任務に挑む類家自身の姿と重なっていったと語る。「くじけそうな瞬間、背中を押してくれるような主題歌です」と、その力強さに胸を打たれたと明かしている。

また、取調室を舞台に宮本の歌声が響き渡り、「I AM HERO」というフレーズが幾度も繰り返されるリリックムービーも公開された。画面には「俺の野望 俺の絶望 俺の明日 さあ行くぜ I AM HERO」といった力強い言葉を投影している。


■宮本浩次 コメント

私はこの四月映画「爆弾」主題歌の件で永井聡監督とはじめてお会いしました。私と対面して席についた監督は映画で描こうとしている核心の部分と主題歌が荷うべき役割について力強く話されました。私は永井監督のこの映画に賭ける意気込みと熱い思い、そして曲に寄せる大きな期待にいささか圧倒されながら、同時に感動したことをよく覚えております。会談後私はとても清々しい気持ちで帰りの車に乗り込み、監督の話を改めて頭の中で反芻しながらはやくも車中で主題歌の大まかな構想を得ることに成功しました。『爆弾』で描こうとしている大きなテーマの一つは「本当の自分の声」だと私は思います。

これこそ私たちが生きていく上で絶対に避けて通ることのできない恐ろしいテーマであり、永遠に未解決の問題でもある。そういう私なりの解釈を全力でこの曲「I AM HERO」に私は込めました。今はこの曲が映画『爆弾』を盛り上げる一助ともなりまた映画ともども愛される曲になりますように、そんな風に思っています。最後に私に声をかけて下さった永井聡監督及びプロデューサー岡田翔太氏に心から感謝を申し上げます。このような大きな舞台で思い切った曲に仕上げることができました。本当にありがとう!

【編集部MEMO】

宮本浩次は、1966年6月12日生まれ。59歳。
東京都出身。エレファントカシマシのボーカル&ギターとして長年にわたり日本のロックシーンを牽引。2019年よりソロ活動を開始し、配信デビュー曲「冬の花」がヒット。アルバム「宮本、独歩。」、「ROMANCE」、「縦横無尽」を次々と発表し、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した。紅白歌合戦出場や47都道府県ツアーを経て、2024年にはソロ活動5周年記念ツアーを開催。2025年も新曲のリリースを重ねるなど精力的に活動している。
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