今回はジョーシン浦和美園イオンモール店を訪ね、USB Type-Cポートを備えるUSB充電器の売れ筋を取材しました。

USB充電器には、出力ポートに長方形の「USB Type-A」と楕円で少し小さい「USB Type-C」が並んでいる製品が多くありますが、とりわけ最近はType-Cポートを重視して購入する人が増えているそうです。
同店スタッフの矢野湧也氏は「2年前から一気に需要が増えた印象です。ちょうどそのころは、コロナ禍が明けて外出する機会が増えた時期でもあり、Type-Cで給電する機器がたくさん登場した時期でもありました」と解説します。

USB充電器は、出力ポートの種類や数だけでなく、出力できる電力にも違いがあります。同店では、高出力タイプをパソコン売り場付近に、比較的低出力のタイプをスマホ売り場付近に置くことで、メインで給電する機器に不足のない充電器を選びやすくしています。それを踏まえ、今回はパソコン向けとスマホ向けでそれぞれ売れ筋トップ3を尋ねました。

下記の「USB充電器選び基本の3カ条」を踏まえ、売れ筋モデルを順に追っていきましょう。
○<USB充電器選び基本の3カ条>

パソコンの充電に使うなら、65W以上の出力を選ぶのが目安。スマホ用でも高出力ほど素早く給電できる。
出力ポートの種類や数のチェックももちろん重要。そのうえで、持ち歩きやすい形状や重さも比較したい。
高速充電規格の比較も大切。Type-Cなら「USB Power Delivery」(PD)や、機器ごとに最適な電力を供給できる「Programmable Power Supply」(PPS)、Type-Aなら「Quick Charge」(QC)の対応を見比べたい。


※本文と写真で掲載している価格は、2025年7月30日15:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
パソコン向け第1位:Type-Cケーブル一体型の「ACDC-PC8665BK」

パソコン向けで最も売れているのは、エレコムの65W出力モデル「ACDC-PC8665BK」です。長さ2mのType-Cケーブルが一体になったタイプで、PDとPPSに対応しています。取材時の価格は5,880円でした。

「ケーブル一体型なので紛失しにくいのと、65W出力ながら約158.8gと軽いのが魅力ですね。これ一個を鞄に入れておけばいいということで、学生さんや社会人の方に人気があります」

パソコン向け第2位:100W出力の3口モデル「ACDC-PD104100BK」

続く2位にもエレコム製品が入りました。100W出力の「ACDC-PD104100BK」で、取材時の価格は9,480円でした。Type-C端子2基とType-A端子1基を備えていて、Type-C端子はPDとPPSに対応しています。

「スマホも一緒に充電したいという方に売れていますね。100Wと出力が高くて、同時充電でも頼りになりますから」

パソコン向け第3位:安価で3台同時接続できる「QU-0200」

3位には、QTJの「QU-0200」が入りました。67W出力で、Type-C端子2基とType-A端子1基を備えます。
PDとPPS、QC(Ver.3.0)をサポートし、取材時の価格は4,280円でした。カラーはブラックとホワイトが選べます。

「3口タイプの67Wモデルで、コストパフォーマンスの高い製品ですね。なるべく安価で、パソコンとスマホを同時に充電したいという方に人気です」

スマホ向け第1位:コンパクトでPDとPPS対応の「MPA-ACCP9235」

スマホ向けの一番人気となっているのは、エレコムの35W出力モデル「MPA-ACCP9235」です。PDとPPS対応のType-C端子を1基備える製品で、取材時の価格は3,280円でした。ブラックとホワイトが選べます。

「高速充電できて、コンパクトで軽いというところが魅力ですね。もう少し出力が低い30Wモデルなら3,000円以下で買えますが、できるだけ高出力を求める方が多いようで、こちらがよく売れています」

スマホ向け第2位:パソコン用も兼ねられる高出力な「Nano II 65W」

2位には、アンカー・ジャパンの65Wモデル「Nano II 65W」が入りました。PD対応のType-C端子を1基備え、取材時の価格は4,490円になります。カラーはブラックとホワイトが選べます。

「1口タイプですが、高出力なのでパソコンの充電でも活躍します。コストパフォーマンスが高く、『スマホ充電がメインで、たまにパソコンも』という方によく選ばれていますね」

スマホ向け第3位:5種類から選べる低価格モデル「MPA-ACCP7320」

3位は、エレコムの20W出力モデル「MPA-ACCP7320」です。
PD対応のType-C端子を1基備えるシンプルな製品で、取材時の価格は1,980円でした。ブラック、ブルー、ピンク、ホワイト、顔つき(しろちゃん)ホワイトの5種類から選べます。

「とにかく充電できればいい、という方によく選ばれていますね。入門的に手にする方もいらっしゃれば、備えとして鞄に入れておくという方もいて、幅広い層に買われている印象です」

はみ出し情報・・・モバイルバッテリーは安心感で選ばれる

USB充電器に近いジャンルの売れ筋も尋ねました。最近何かと話題に上ることが多いモバイルバッテリーですが、同店では一時的な波はあったものの、長期的に見ると安定して需要があるとのことです。

一番人気は、エレコムの1万mAhモデル「DE-C38-10000」とのこと。Type-CとType-A出力を1基ずつ備えていて、最大で合計15Wの出力が可能です。輸送試験UN38.3に合格し、機内持ち込みも可能とうたっています。バリエーションはブラックとホワイト、顔つき(しろちゃん)ホワイトがあり、取材時の価格は3,780円でした。

「スマホが約3回充電できる容量と、機内に持ち込める安心があって、お値打ちということでよく売れています」

著者 : 古田雄介 ふるたゆうすけ フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年~)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007~2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。
著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。 この著者の記事一覧はこちら
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