米Mozillaは、8月19日(現地時間)にWebブラウザFirefoxの新バージョンとなる「Firefox 142」をリリースした。Firefox 142は、いつも通りFirefox 141から4週間でのバージョンアップとなった。
Linux版:古いNVIDIAドライバーを使用している環境で起動時にクラッシュする問題の修正
キャンバスオブジェクトがドラッグが可能になり、Web互換性が発生する問題の修正。
要素を含むページを検査するときに発生するWeb Developer Toolsパネルがクラッシュする問題の修正
ユーザーインターフェイス全体で軽微な視覚的問題を修正。
Waylandのサポートのない環境でGTK+がビルドされた一部のシステムでは、Firefoxが起動しない問題の修正。
ピン止めされたタブをクリックするとコンテンツ領域からフォーカスが奪われ、キーボードナビゲーションが妨げられる可能性がある問題の修正
141.0.3では、以下の修正が行われた。
Svelteフレームワークで構築されたサイトで問題を引き起こしていたレグレッションの問題の修正
強化型トラッキング防止機能で、クリプトマイナー(マルウェアの一種で、攻撃対象のPCで暗号資産をマイニングするもの)がブロック対象としてリストされない問題の修正
今回は、141.0.3からのアップデートとなる。
Firefox 142のインストール
すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。
アップデート後のFirefox 142は、図2のようになる。
新規に、Firefox 142をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。
[Firefoxをダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。
画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能のいくつかを具体的に見ていこう。
Firefox 142の新機能
では、Firefox 142の新機能を見ていこう。
米国のユーザー向けの新機能となるが、新しいタブページに表示される記事のおすすめが、スポーツ、フード、エンターテイメントなどのトピックセクションごとにグループ化される。これにより、記事がより整理され、見やすくなった。また、興味のあるトピックをフォローしたり、表示したくないトピックをブロックすることもできる。新しいタブを開いたときに表示される記事をより細かく制御可能に(この新機能は、段階的にロールアウトされる)。
リンクプレビュー機能では、リンクにアクセスする前にリンクの内容を確認できる。リンクを長押し(または右クリックして[リンクをプレビュー]を選択)すると、プレビューにAIが生成した重要なポイントが表示されるようになる。これらのポイントの生成は、プライバシー保護のためデバイス上で行われる。リンクプレビュー機能も、パフォーマンスと品質確保のため段階的にロールアウトされており、現在、3GB以上のRAMを搭載した環境で、米国、カナダ、英国、オーストラリアで利用可能である。
Windows版:Firefoxを閉じたり再起動したりするときに永続的な通知をクリックすると、Webサイトのメインページが開くのではなく、関連するWebページが表示された状態でFirefoxが起動。
強化型トラッキング防止機能(ETP)の厳密モードで、柔軟な例外リストをサポートするように。例外リストはベースライン(コア機能)と利便性(追加機能)に分かれており、ユーザーは主要なプライバシー保護を損なうことなく、サイト互換性を維持・向上できる。
タブグループを折りたたんだ状態でもアクティブなタブを表示。具体的には、タブグループ内のタブを1つだけ表示する。アクティブなタブはつねに表示されるので、グループを折りたたんだ状態でも内容を確認できる。
拡張機能アイコンを右クリックし、[サイドバーから削除]を選択することで、サイドバーから拡張機能を削除できるように。
ブックマークダイアログのスクロール速度が、コンポーネント領域を超えないように改善
BLOBイメージのドラッグアンドドロップサポートが改善
セキュリティアップデート
同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベースで9件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「High」が5件、4段階で上から3番目の「Moderate」が1件、4段階で上から4番目の「Low」が3件となっている。「High」では、
オーディオ/ビデオでの、GMPコンポーネント内の無効なポインタによるサンドボックスエスケープ
Graphicsでの、Canvas2Dコンポーネントにおける同一オリジンポリシーのバイパス
Firefox 142、Thunderbird 142で修正されたメモリ安全性の問題
Firefox ESR 140.2、Thunderbird 140.2、Firefox 142、Thunderbird 142で修正されたメモリ安全性の問題
Firefox ESR 115.27、Firefox ESR 128.24、Thunderbird ESR 128.14、Firefox ESR 140.2、Thunderbird ESR 140.2、Firefox 142、Thunderbird 142で修正されたメモリ安全性の問題
が対応された。すみやかなアップデートをすべきであろう。