アドビは8月28日、商店街などにある個人店を応援するデザインワークショップ「まちの広作室」を開催しました。
これまで東京・下北沢、福島県大熊町、鹿児島市、宮崎市など様々な地域で開催されてきた同ワークショップですが、今回の舞台は東京・高田馬場。
高田馬場では中国、ベトナム、ミャンマー、韓国など、さまざまな国籍や背景をもつ外国人住民が増加する一方、地元商店街では彼らを受け入れるにあたって、コミュニケーションに課題を感じている声が多く寄せられていたといいます。
今回は、この地域の商店街や飲食店組合やまちづくりに携わる早稲田大学サークルの学生が参加した「まちの広作室」の様子をレポートします。
○ 日本人と外国人、双方が変化して交わるのが「他文化共生」
会のはじめには早稲田エリアにオフィスを構える一般財団法人ダイバーシティ研究所 代表理事 田村太郎さんが登壇し、「多文化共生に求められる情報発信の仕方」と題してスピーチしました。
多言語・多文化というキーワードが使われるようになったのは、田村さんいわく阪神・淡路大震災のときから。
震災の3日後から多言語コールセンターを運営開始した田村さんは、多言語化はただ言葉を置き換えるだけではいけないと気が付いたといいます。
多言語対応することで、単に意味が伝わるだけでなく、外国人の方々への承認効果(存在の承認)、日本人に対して外国語話者が存在すると知らせるアナウンス効果があると語ります。
しかし、多言語化はポジティブな面だけではありません。注意書きばかりを翻訳してしまうと、その言語の話者にネガティブな印象を与える上、日本人の側にも「この言葉を話す人は違反行為をするんだ」という刷り込みになってしまうとのこと。
「多文化と接したとき、人は共生を目指したいが、歩み寄ることに恐れがあり、すみ分けをする。その後、接点がないために疑心暗鬼が起きる」と田村さん。地域に日本人と外国人の接点を作って、お互いに変化して新しい社会をつくることが多文化共生につながると話し、場を締めくくりました。
○Adobe Expressでチラシの多言語翻訳も瞬時に完了
続いて行われたワークショップの講師は、イラストレーター/キャラクターデザイナーの北沢直樹さん。
ワークショップは前後編になっていて、前半では初心者でも手軽に扱えるアドビのデザインツール「Adobe Express」の基本的な使い方を学ぶため、北沢さんの解説のもと、全員で同じ課題に取り組みました。
Adobe ExpressはチラシやSNS用画像などの情報発信ツールを手軽に作れるだけでなく、今回のテーマに直結する「翻訳機能」も備えています。
生成AIによる翻訳対応言語は46種。ベトナム語、ヒンディー語、韓国語、中国語など、高田馬場エリアで話者が増えている言語もしっかりカバーし、くだけた、丁寧など文章のトーンも指定できます。
最近搭載された「コンビニプリント機能」を使えば、お店や自宅にプリンターがなくても近所のコンビニで作ったビジュアルを印刷できるため、ぜひ活用してほしいとも案内されました。
後半は、各々でSNS用画像やチラシを作っていきます。
北沢さんやアドビスタッフからサポートを受けつつ、参加者は自身の作りたい制作物に取り掛かります。
イベントの告知や自身の携わる施設のチラシなど、各々の構想を形にするため試行錯誤する姿が印象的でした。
早稲田大学の学生グループも複数参加。地域情報誌を作るなどして地域創生に参画している「まっちワークグループ早稲田」からは、今回学んだことを活かし、今後も商店街の方をサポートしたいとの声もありました。
会の最後は制作物の講評。
○参加者の作品(一部)