ファッション&コレクティブルマーケットプレイス「SNKRDUNK(スニーカーダンク)」を運営するSODAは、自社に蓄積された取引データおよび真贋鑑定データに基づき、現在アートトイ市場で絶大な人気を誇るPOP MART「LABUBU(ラブブ)」の偽造品流通に関する調査レポートを9月4日に公開した。

近年、アートトイやトレーディングカードといったコレクティブル市場は、個人間取引の活性化により急速な成長を遂げている。
特にPOP MART社の「ラブブ」は、国内外の著名人の影響もあり、社会現象的な人気から入手困難な状況が続く一方で、裏側では精巧な偽造品の流通が深刻な問題となっている。

今回、実際の取引と鑑定データに基づき、人気商品の偽造品流通の実態を定量的に可視化することで、消費者に注意喚起を行うとともに、改めて安心安全なC2C市場の重要性を社会に問いかけることを目的として実施した。調査期間は2024年8月1日~2025年7月31日。調査方法は「スニーカーダンク」内における取引データおよび真贋鑑定データの分析、調査対象は「スニーカーダンク」で取引されたPOP MART関連商品。
○ラブブ人気が2025年7月に急騰

スニダンにおける「POP MART」及び「ラブブ」関連カテゴリの月間取引数は、2024年秋頃から始まり、2025年に入ると着実に増加。2025年7月には取引数が急激にスパイクし、市場が過熱していることがデータから裏付けられた。
○人気に比例し偽造品も急増

この人気に完全に比例する形で、偽造品の流通も深刻化している。市場が本格的に拡大する前の2024年中は、偽造品の着荷は確認されていなかった。しかし、流通量が増加し始めた1月に初めて確認されるとその後は右肩上がりに増加。7月には偽造品着荷数が1月の約2.7倍にまで膨れ上がっており、人気の高まりが偽造品の流入を招いている実態が明らかになった。

偽造品増加の背景には、K-POPアイドルBLACKPINKのLISA氏などの影響で人気が沸騰し品薄状態が加速したことと分析。二次流通市場での価格が高騰し、偽造業者にとって格好のターゲットとなる土壌を形成している。


また、スニダンに到着した偽造品シリーズの内訳では、「THE MONSTERS - Big into Energy シリーズ」が大多数を占めるという結果になった。特定の人気シリーズに偽造品が集中していることがうかがえる。

○フリマアプリで購入する際の注意点

特に個人間取引のフリマサイトやプラットフォームでは多数の偽造品が確認されている。購入する前には、下記のポイントをチェックするとよい。
○出品価格が他と比べて安い

まず、出品価格が他と比べて安い 商品の値段が相場より極端に安いものはコピー商品の可能性がある。大幅に値下げされている商品は警戒する必要がある。
○受取評価の前に商品をよく見る

次に、受取評価の前に商品をよく見るフリマアプリなどでは、受取評価をした後はキャンセルができない。商品説明や写真が正規商品でも、届いたらコピー商品だった、ということもある。事前に見ていた情報と合っているか確認する必要がある。もしコピー商品なら、出品者に連絡して返品する。
○評価やプロフィールを調べる

そして、評価やプロフィールを調べるほとんどのフリマアプリやネットショップでは以前の購入者からの評価を見ることができる。悪質なトラブルがなかったか確認するとよい。
またプロフィールに「ノークレーム・ノーリターン」などの購入者に不利な条件が書かれていないかもチェックするとさらに有効だ。
○プロの鑑定士が解説する、ラブブの真贋鑑定ポイント

スニダンの鑑定では、日々持ち込まれる商品から多くの偽造品が発見されている。偽造品は一見精巧に見えるが、細部には明確な違いが存在する。

偽物のパッケージは正規品に比べ、箱のロゴや文字のフォントが不鮮明で、印刷に滲みが見られる。フィギュア本体では、正規品の手足はマットな質感だが、偽物は安価なプラスチックのようなテカリが目立つ。さらに、偽物は歯の部分などに色ムラや塗料のはみ出しが多く見受けられる。

ブラックライトに照らすと、正規品が特定の箇所のみ鮮明に発光するのに対し、偽物は顔全体がぼんやりと反応するなど、使用されている素材自体が異なると推測される。X線で内部を調査すると、正規品には存在する「手を繋げるパーツ」が偽物には入っていないなど、肉眼では見えない構造的な違いも確認されている。
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