映画『アフター・ザ・クエイク』(10月3日よりテアトル新宿、シネスイッチ銀座ほかにて全国公開)の舞台挨拶付きプレミア上映が10日、都内で行われ、岡田将生、鳴海唯、渡辺大知佐藤浩市、井上剛監督が登壇した。

○「意思がない男」「この男性はどこまで流れていくのか」

映画『アフター・ザ・クエイク』で、小村役を演じる岡田。
小村は妻の未名(橋本愛)から「空気のかたまり」と表現される人物だが、岡田の目にはどのように映ったのだろうか。

「言葉がアレなんですけど、意思がない男といいますか。この男性はどこまで流れていくのか。そして、たどり着いた先には、この男性の瞳には何が映るのか。そう思いながら、台本を読ませていただいていました」

この映画は、村上春樹氏の短編連作『神の子どもたちはみな踊る』(新潮文庫)に収録されている4編をベースに一部時代設定を変更。1995年から2025年の30年にわたる物語として新たに生まれ変わった。岡田が村上春樹氏の小説が原作となる映画に出演するのは、『ドライブ・マイ・カー』(21)以来、2度目。撮影で印象に残っていることを聞かれると、こう話していた。

「セリフは本当に大事で、村上春樹さんの言葉がものすごく力を持っていて。どうしても自分で発したいと思わせてくれる台本だったので、僕はとても楽しかったです。でも、どこか違和感を抱きながらやるのが正解なんだろうなと思って、演じていた。それは監督と現場で一つひとつのシーンを重ねながら、話し合いながら、やらせていただいた感じですね」

○映画『アフター・ザ・クエイク』ストーリー

1995年、妻が姿を消し、失意の中訪れた釧路でUFOの不思議な話を聞く小村。
2011 年、焚き火が趣味の男と交流を重ねる家出少女・順子。2020 年、“神の子ども”として育てられ、不在の父の存在に疑問を抱く善也。2025年、漫画喫茶で暮らしながら東京でゴミ拾いを続ける警備員・片桐。世界が大きく変わった30 年、悲しみや不幸を食べ続けたみみずくんが再び地中で蠢きだした時、人類を救うため“かえるくん”が現代に帰ってくる。

『アフター・ザ・クエイク』は、ギャラクシー賞を受賞したNHKドラマ『地震のあとで』(2025年4月放送)と物語を共有しつつ、4人を結ぶ新たなシーンが加わり、30年という時代のうねりを映し出した1本の映画として新たに生まれ変わった。
編集部おすすめ