米Mozillaは、9月16日(現地時間)にWebブラウザFirefoxの新バージョンとなる「Firefox 143」をリリースした。Firefox 143は、いつも通りFirefox 142から4週間でのバージョンアップとなった。
水平タブストリップモードで隣接していない複数のタブをドラッグした場合、タブがグループとして正しく移動できない問題の修正
複数のタブをドラッグしても、ツールバーが応答しなくなったり、視覚的な不具合が発生する問題の修正
テキストカーソルが間違った場所に表示される問題の修正
特にmacOSにおいて、ゲームパッドを使用するとクラッシュする問題の修正
サイドバーのホバーで、展開機能が時々機能しなくなる問題の修正
Linux版:KDE Plasmaで、特定のカスタムウィンドウ装飾を使用するとクラッシュする問題の修正
今回は、142.0.1からのアップデートとなる。
Firefox 143のインストール
すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。
アップデート後のFirefox 143は、図2のようになる。
新規に、Firefox 143をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。
[Firefoxをダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。
画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能のいくつかを具体的に見ていこう。
Firefox 143の新機能
では、Firefox 143の新機能を見ていこう。
Windows版:Webサイトをタスクバーに直接ピン留めしたWebアプリとして実行できるようになる。実行するには。アドレスバーの右端にある「タブをタスクバーに追加」ボタンをクリックする。
インストール済みのアドオンへのアクセスを失うことなく、タスクバーから直接ピン留めして簡易ウィンドウとして実行可能となる。また、スタートメニューにも、Webアプリとして登録される。
この機能は現在、Microsoft StoreからインストールしたFirefoxでは利用できない。
タブをタブストリップの先頭にドラッグしてピン留めできるようになり、重要なサイトに簡単にアクセスできるように。
MicrosoftのCopilotをチャットボットとして選択すると、サイドバーからメインビューを離れずにすばやくアクセス可能に。
サイトがカメラへのアクセスを要求した際に、許可ダイアログ内でプレビュー可能に。結果、複数のカメラを切り替えることができるように。
Firefoxのアドレスバーに重要な日付やイベントが表示されるように。この機能は、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリアの地域でのイベント(例:「母の日」)の表示をサポートしている。
フィンガープリンティングを防止のための保護機能が拡張され、ユーザーのプライバシー保護が強化。コンピュータ内でいくつかの追加された属性により厳格な保護が行われる。
プライベートブラウジングモードでファイルをダウンロードする際、セッション終了後にファイルを保存するか削除するかを尋ねるように。
この動作は設定で調整可能。
WindowsのUIオートメーションをサポートするように。結果、Windows Voice Access、テキストカーソル インジケーター、ナレーターなどのアクセシビリティツールのサポートが向上する。
今回のアップデートでは、利便性とより安全なブラウジングが提供された。
セキュリティアップデート
同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベースで11件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「High」が3件、4段階で上から3番目の「Moderate」が5件、4段階で上から4番目の「Low」が3件となっている。「High」では、
Graphics: Canvas2Dコンポーネントのメモリ使用後によるサンドボックスのエスケープ
未定義の動作、Graphics: Canvas2Dコンポーネント内の無効なポインタによるサンドボックのエスケープ
Firefox ESR 140.3、Thunderbird 140.3、Firefox 143、Thunderbird 143で修正されたメモリ安全性の問題
が対応された。すみやかなアップデートをすべきであろう。