女優の倍賞千恵子と、木村拓哉が主演を務める映画『TOKYOタクシー』(11月21日公開)が、第38回東京国際映画祭のセンターピース作品に選出されたことが明らかになった。
『TOKYOタクシー』は山田洋次監督の劇場公開91本目となる最新作で、2022年に公開され、スマッシュヒットを記録した『パリタクシー』の日本版リメイク。
タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、高野すみれ(倍賞千恵子)を東京・柴又から、神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることになったのだが、その道中で起こるさまざまな出来事、すみれに起こった過去が描かれる。
この度本作が、10月27日から11月5日まで、日比谷・有楽町・丸の内・銀座で開催される第38回東京国際映画祭のセンターピース作品に選出されたことが明らかになった。東京国際映画祭のセンターピース作品とは、オープニング作品、クロージング作品と並ぶ目玉作品として映画祭の中盤を盛り上げる大作であり、特別な存在感と大きな話題を象徴するものとなる。山田監督作品はこれまで、倍賞も出演した『男はつらいよ お帰り寅さん』が第32回のオープニング作品として上映、木村が山田監督と前回タッグを組んだ『武士の一分』が第19回のオープニング・イブに選出され、同映画祭史上初の邦画オープニング作品として上映されるなど、監督・キャストともに縁が深い。今回の選出に際し、山田監督と映画祭プログラミング・ディレクターの市山尚三氏からコメントが届いている。
■山田洋次監督
今の東京を映し撮るように作った『TOKYOタクシー』を、東京国際映画祭で上映できることを嬉しく思います。偶然出会ったドライバーと乗客の心が通じ合い、人生が重なり合っていく、運命のような1日を描きました。先の見えないこの時代に、観る人の人生に寄り添い光を灯すような映画であればと願っています。
■東京国際映画祭プログラミング・ディレクター市山尚三氏
日本映画界を代表する巨匠・山田洋次監督の新作がかくも軽やかで瑞々しい作品となったことは大きな驚きでした。映画にはまだ多くの可能性があることを確信させてくれるこの傑作をセンターピース作品として上映できることを光栄に思います。
(C)2025映画「TOKYO タクシー」製作委員会
【編集部MEMO】
原作となったフランス映画『パリタクシー』は、クリスチャン・カリオン監督作で、コメディアンのダニー・ブーン、歌手のリーヌ・ルノー共演でパリを舞台としている。こちらは、パリの中心街から12.6km離れたブリ=シュル=マルヌから、中心街の反対側にあるクルブヴォワまでの道中を描いた作品だ。