WOWOWで12月に放送・配信される「連続ドラマW 池井戸潤スペシャル『かばん屋の相続』」に、町田啓太、菅生新樹、伊藤淳史藤原丈一郎が主演することが22日、発表された。

『空飛ぶタイヤ』『下町ロケット』『株価暴落』『アキラとあきら』『鉄の骨』『シャイロックの子供たち』など、連続ドラマWで様々な作品を放ってきた池井戸作品。
今回は、2005年から2008年にかけて発表された6つの短編からの4篇(※『かばん屋の相続』所収)をドラマ化する。

4篇とも主人公はいずれも働く男たちで社会で、懸命に生きる人々が抱える“苦悩と葛藤”、“ささやかな希望”がリアルに描かれる。

本作は1話完結のオムニバスドラマ。東京第一銀行に勤める永島慎司(町田)が、会社が倒産し路頭に迷ったはずなのに、なぜか羽振りが良さそうな神室電機の元社長・神室彦一を見かけたことから真相を調べようとする「十年目のクリスマス」。

新人の行員・山田一(菅生)が、初めて担当となった資金繰りに苦戦する土屋鉄商の女社長・土屋年子を支えようと奔走する「芥のごとく」。

京浜銀行から融資の見送りを告げられた印刷会社の社長・小島守男が独力で5千万円もの融資を取り付けたことに疑念を抱いた融資課長・北村由紀彦(伊藤)が、その資金繰りの真相を調べる「セールストーク」。

そして、「松田かばん」の社長・松田義文が急死し、遺言状には会社を支えてきた次男の均ではなく、家業を嫌い行員となった長男の亮に会社の全株を譲ると書かれていたことで、亮と対峙(たいじ)することになる湊信用金庫の職員・小倉太郎(藤原)の奮闘を描く「かばん屋の相続」の全4話だ。

コメントは、以下の通り。

○■町田啓太

池井戸潤さんの大切な作品、その世界観に挑戦できることを心から光栄に思っています。
西浦正記監督とは『フィクサー』以来、再びご一緒できるのが楽しみでなりません。
衣装合わせの際には「すでに信頼関係を築けている状態でクランクインできるから、より深く物語に没入できそうだね」と盛り上がり、顔なじみのスタッフさんも多く、現場の空気もすでに温かく感じています。
本作はミステリー要素を味わいつつも、家族の絆や人の情感を丁寧に描いた作風と感じています。

キャスト・スタッフ一丸となって真摯に取り組み、豊かな世界をお届けできるよう努めてまいります。どうぞ楽しみにお待ちください。
○■菅生新樹

池井戸潤さん原作の作品に出演できる!
しかも、主演を務めさせていただけるんだ!と凄く嬉しい気持ちが溢れました。
それと同時に正直自分に務まるのだろうかという不安も感じましたが、監督、プロデューサー、スタッフの方々や共演する素敵な先輩方のお名前を伺った時に身の引き締まる思いと切り替わりました。
こんなにも贅沢な方々とご一緒できるからこそ、大船に乗らせていただき、ただひたすらに頑張るのみです。
今作では銀行員という初めての職業を演じさせていただきますが、日常の一部を切り取ったかのようなリアルに描かれている脚本なので、立場や職種は違えど、見てくださる方々に共感していただける部分がたくさんある作品だと思います。
僕の出演します、第2話「芥のごとく」、どうぞお楽しみに!!
○■伊藤淳史

この度、池井戸潤さんの原作『かばん屋の相続』の一編、「セールストーク」に出演させて頂くことになりました。銀行、町工場という、皆さんとそう遠くない距離感の中で繰り広げられる、重厚なミステリーになっていると思います。1時間ドラマという短い尺の中で、池井戸さんの世界観や、ドラマとしての緊迫感や魅力を、たっぷりとお伝え出来るように、キャスト、スタッフ、一丸となって、撮影に取り組みたいと思っております。
主人公ということもあり、ほぼ、全てのシーンに出演しております(笑)
最後まで、目の離せないドラマになるように、自分自身も楽しみながら、演じていこうと思っております。
よろしくお願いいたします!
○■藤原丈一郎

WOWOW 連続ドラマW 池井戸潤スペシャル『かばん屋の相続』の4話「かばん屋の相続」で主演を務めさせていただく、小倉太郎役の藤原丈一郎です!
今回が初めての信金マンの役で、セリフの言い回しや専門用語などいつも以上に苦労しました。作品では"相続"が軸になっていますが、小倉太郎の正義感や人との温かみなどにも注目して下さい。

今回の役は、新たな挑戦でもあるので今までに見たことのない藤原丈一郎をお見せできるはずです。
ぜひ、アイドルの顔とは違う姿を楽しみにしてて下さい!
○■池井戸潤氏

『かばん屋の相続』は、決して血湧き肉躍るというスケールの作品とはいえないでしょう。その代わりに下町の、一見ありふれた日常に潜む人の営みを描き、より私たちの身近な問題を取り上げた作品集です。
この原作に新たなテイストが加えられ、ドラマ・オリジナル版の連続ドラマが誕生しました。
さて、映像クリエーターの皆さんがどんなチューニングを施し、ストーリーを映像化したのか。
私も視聴者の皆様とともに、楽しみたいと思います。

【編集部MEMO】
池井戸潤氏は、1963年6月16日、岐阜県に生まれる。慶應義塾大学を卒業後、88年に旧三菱銀行へ入行。企業金融の現場を経験したのち退職し、コンサルタント業などを経て執筆活動へと舵を切った。98年、『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。銀行・企業を舞台にした知見と、徹底した取材に裏づけられたディテールで一気に注目を集める。以降、『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞(2010年)を受賞し、11年には『下町ロケット』で直木三十五賞を受賞。
誠実な職人たち、現場で奮闘するサラリーマン、理不尽に立ち向かうチームの姿を描き続け、読み手のカタルシスを生む“逆転劇”の名手として評価を確立した。代表作には『半沢直樹』シリーズ、『空飛ぶタイヤ』『下町ロケット』『陸王』『ノーサイド・ゲーム』『ルーズヴェルト・ゲーム』などが並び、多くがテレビドラマ化・映画化されている。
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