ソフトバンクは9月22日、Meta、アイ・ピー・エス(IPS)、マレーシアのTM Technology Services、インドネシアのPT XLSmart Telecom Sejahteraと、日本とシンガポールを結ぶ国際海底ケーブル「Candle(キャンドル)」の建設に合意し、NECとシステム供給契約を締結したと発表した。
○2028年に運用開始予定の「Candle」
Candleは、日本、台湾、フィリピン、インドネシア、マレーシアおよびシンガポールを結ぶ総延長約8000キロメートルの光海底ケーブルで、2028年の運用開始を予定している。
Candleのシステムでは、24ファイバーペア構成(光ファイバーは2本で一対とカウントし、24ファイバーペアは48心のファイバー数)を採用。これまで光海底ケーブルのシステムは多くても16~20ファイバーペアだったが、24ファイバーペアを採用することで、大容量・低遅延の通信インフラを構築し、活発化するアジア地域の通信需要に対応する。
ソフトバンクは、Candleの日本の陸揚げ局として、千葉県南房総市に所在する「ソフトバンク丸山国際中継所」を提供するほか、海底ケーブル戦略の一環で新たに北海道(苫小牧市)および九州(福岡県糸島市)に陸揚げ拠点を建設する取り組みを進めている。日本各地に陸揚げ拠点を分散配置することで、災害や障害に強い冗長性を確保するとともに、国際通信網のさらなる強靭化を図る考えだ。
さらに、既設の国際海底ケーブルである「JUPITER」や「ADC」、現在建設中の「E2A」とCandleを組み合わせることで、日本を起点とした国際通信インフラの多様化・冗長化を推進するとともに、ネットワークの安定性・拡張性を強化し、アジア全域における持続的な社会・産業の発展を支えていくという。