今年7月に『ウェザーニュースLiVE』キャスターとしてデビューした田辺真南葉。デビューから数カ月しか経っていないが、持前の愛嬌で番組視聴者を魅了している。
○アナウンサーからお天気キャスターへ 幼少期からの“お天気お姉さん”への憧れ
──ウェザーニュースのキャスターを目指したきっかけを教えてください。
幼い頃から、将来なりたい職業の欄に「お天気お姉さん」と書いていたくらいで、ずっと頭の片隅にあった職業でした。私自身が東京だけでなく、いろいろな地域で暮らすなかで、同じ空なのに地域によって天気がこんなに違うんだと実感したんです。そして、私は伝えるということが好きなので、どこに住んでいる方でも取りこぼすことなく伝えたいと思っていたところに、キャスターのオーディションがあったので、「ぜひなりたい!」という思いで応募しました。
──キャスターの前はアナウンサーをされていたとか。伝えるという点では近いお仕事ですが、そのイメージは幼い頃から?
アナウンサーに限らず、幼い頃からクラシックバレエをしていた経験から、人前に立つことに楽しさを覚えていたので、表に立って何かを伝えるのは自分の好きなことでもありましたし、続けているうちに得意なことにもなりました。大人になった今、職業として選択できているのは光栄です。
──なるほど。表に出るお仕事はたくさんありますが、その中でも「お天気お姉さん」に憧れたきっかけはあったんですか?
皆さんもお天気お姉さんを見る機会はとても多いと思うんですが、私もそうで「いってらっしゃい」といいながら、送りだしてくれる爽やかな笑顔にこちらも明るい気持ちになっていて、そんな存在に憧れました。今は私も誰かにとってそういう人になれたら、と思っています。
○アナウンサー時代と伝え方に違い「言い方が難しい場面もありました」
──今回は縁あって『ウェザーニュース』のオーディションを受けることになりましたが、選考はどんな雰囲気でしたか?
仕事終わりに受けていたので、実はリモートで参加させていただいていました。
──具体的なアドバイスで覚えていることはありますか?
メイクや見え方の話をたくさんしてくれました。私は今24歳で“大人っぽくなりたいお年頃”なので(笑)、前髪の分け方など具体的に言っていただいたのを覚えています。言われたことは守るタイプなので、最近は前髪を分けています!
──リラックスした選考を経て、合格を聞いた瞬間は?
とにかく嬉しかったです。ウェザーニュースキャスターは自分に合っていると思っていましたし、自分がその職業に就く姿も想像できていたので、本当に嬉しかったです。
──憧れの職業に就き、研修に入ってから感じたことなどはありますか?
これまでと伝え方の違いを強く感じました。アナウンサーのときも天気予報を伝えることはあったのですが、「雨が降るでしょう」「可能性があります」など、語尾に不確実性がある言い回しが多かったのですが、今は気象情報をお伝えしているフロアの隣に予報センターがあり、予報士さんがすぐ横にいて最新情報を届けられる環境なので、「雨が降ります」など言い切りの形で、より正確な情報をお伝えできるのが、大きなやりがいになっています。
──“言い切る”違いは、話し手の意識を大きく変えますよね。
以前も地方気象台に電話して取材するなど努力はしていましたが、報道機関として100%と言い切れない情報もあり、言い方が難しい場面もありました。今は誇りを持って働く皆さんが真横にいて、その近くで伝えられるので、意識は大きく変わりました。
○同期・松本真央キャスターは“まめ”な人
──7月のキャスターデビューを迎えましたが、デビュー放送を終えたときの心境は?
先輩方が「楽しんでね」と声をかけてくださって、実際に楽しんで終えられました。時間があっという間でしたし、コメント欄でもサポーターの皆さんから温かい言葉をいただいて、「ここで頑張っていきたい」という思いが強くなりました。
──お話しを伺っていても緊張はしないタイプなのかなと思いますが、デビューのときも平常心でしたか?
もともと物怖じしないタイプですし、緊張が表に見えないタイプなのですが、やはり速報で情報をお伝えする機会も多いので、内心すごく緊張はしています。間違えずにきちんと届けたいという気持ちと使命感、そして多分プライドが高いんだと思います(笑)。「緊張なんてしてちゃいけない」と自分に言い聞かせています。
──先ほど、同期の松本真央キャスターからは「プロ意識がすごい」と聞きましたが、まさにそれを象徴するようなお話しですね。逆に松本キャスターの第一印象は?
なんて爽やかな子なんだと……! 笑顔が素敵で明るい印象でした。真央ちゃんは、いつも明るく気分の波を表に出さない素敵な子だなと。第一印象から変わらないです。
──一緒に研修・出演する中で、「私だけが知っているという松本キャスターの一面」を教えてください。
とても“まめ”な子なんです。私はすべての研修に参加できなかったのですが、その間も真央ちゃんは一人でもがんばっていて、参加のたびに成長速度が早いと感じました。
○名前「真南葉」の由来「父と母の名前から字をもらっている」
──尊敬する先輩キャスターはいますか?
山岸愛梨キャスターはなんでも知っていて、気象や星座に詳しいのはもちろん、番組経験も豊富で尊敬しています。さらに、流行にも敏感で、SNSもまめにやってらして、TikTokの投稿に最新トレンドを取り入れていらっしゃる。気象情報の収集力だけでなく、SNSにもそういった一面が活かされているのがすごいです。私も山岸さんの視野の広さを見習って努力していきたいです。
──では、田辺キャスターのことも聞いていきたいと思います。プロフィールを拝見した際に「真南葉(まなは)」さんというお名前が目を引きました。由来を教えてもらえますか?
「“真”っすぐ“南”に生い茂る“葉”っぱ」みたいに、すくすく育つようにという意味があります。あとは父と母の名前から字をもらっているので、とても大切な名前です。すごく気に入っていますし、私自身、名前負けしていないところも好きです。
○天然? あざとい? 「周りを頼って生きている“妹気質”」
──ご自身につけるキャッチフレーズをつけるとしたら?
やっぱり“名前通り”がいいなと。ウェザーニュースキャスターとして元気にすくすく育っていきたいので、真っすぐ南に生い茂る葉っぱのように、たくさん吸収してもっと成長したい。今は“ふたば”くらいですが、この先大きくなる自分に期待しています。簡潔に言うなら…「葉っぱちゃん」(笑)? キャスターごとにイメージの絵文字もあるんですが、私は今、パンか四つ葉のクローバーなんです。どちらに決まるのかも楽しみです。
──ここまでのお話しでも存分に感じられますが、サポーターの間では「あざとい」「天然」というワードが飛び交います。普段から言われることは多いですか?
昔から言われています。ただ、あざとい自覚はあるんですけど、天然の自覚はないんです!
──あざといという自覚はあるんですね(笑)。
親にはよく「天然」と言われていました。
天然については、自分では“ただ抜けている”だと思っていて、良く言えばおっちょこちょい、悪く言えばただのバカなんです(笑)。落ち込むくらい失敗もよくしますし、本当の意味での“天然”ではないのかなと思います。天然の人はもっと愉快だと思うので、私は愉快ではないんです。ただ“養殖”か? と言われるとそれも違う気がするんですよね……魚以外に養殖ってあるのかな……?
──まさに今の発言がもう“天然”な気が……
うわぁ! 悔しい! “あざとい”と“天然”は違うものだと思うんですけど、私に限っては紙一重。幼少期からの妹気質やかわいいものが好きという性格的な部分、そしてかわいい女性になりたいという理想像もあって、そこに近づくために「みんなに笑っていてほしい、楽しませたい」というサービス精神から、今のキャラクターになったのだと思います。なので、わかっていてやっているところも正直ありますよ!
──自身のことを抜けていると表現されていましたが、最近のおっちょこちょいエピソードは?
日々反省が多いので、反省ノートをつけて二度と繰り返さないようにしています(笑)。誤作動でスマホの画面がモニターに表示されなかったことがあったんですけど、スタッフさんに「スマホを落として」と言われたんです。「壊しちゃった……」と焦って、スマホを“床に”置いちゃったんです……
そのときは、「気圧の関係で高層階だからスマホにも影響があるのかな?」と本気で思ってしまって(笑)。この話を家で父にしたら、笑われました。
■田辺真南葉
2000年12月20日生まれ。東京都出身。