住宅ローンの返済期間というと、「最長で35年」というイメージをお持ちの人も多いでしょう。しかし最近では、40年や50年といった長期にわたって返済できるローンが登場しています。
またある調査では、35年超の長期ローンを利用する人が増えているというデータもあります。実際に、長期ローンを選択する人は増加しているのでしょうか。長期ローンのメリット・デメリットとともに解説します。
返済期間「35年超~50年以内」は+4.6ポイントと増加目立つ

住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査 【住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)】」によると、住宅ローンを利用して住宅を取得した人の返済期間は、「20年以内」が13.6%(2024年10月調査比+1.6ポイント)、「20年超~35年以内」が60.9%(2024年10月調査比-6.2ポイント)、「35年超~50年以内」が25.5%(2024年10月調査比+4.6ポイント)となりました。

2024年10月の結果と比べてみると、今回は返済期間「20年以内」がわずかに増加しているものの、「20年超~35年以内」が-6.2ポイントと大きく減少していることがわかります。それに対し、「35年超~50年以内」は+4.6ポイントと、長期ローンを利用する割合の増加が目立ちます。

では実際、35年超の長期ローンを組む人は増えているのでしょうか。

住宅ローン専門金融機関である日本住宅ローン株式会社の担当者によれば「住宅価格の高騰に伴い、住宅ローンの借入金額は増加傾向にあり、月々の返済負担を減らすため、35年超の返済期間を選びたいニーズが高くなっています。ニーズに応えるため、ほとんどの金融機関が35年超の返済期間を選べるように対応している印象です。弊社でも35年超の返済期間を選ばれるお客様が年々相対的に増えております。」とのこと。

「通常、返済期間が長いため、総返済額は、35年返済と比較すると増加する傾向にあります。一方、返済期間を短くすると、総返済額は少なくなるものの、毎月の返済額が増加するため、結果として生活を圧迫してしまう可能性があります。
そのため、今後のライフプランを考えながら、無理のない返済を続けていくことも大切ですし、場合によっては繰り上げ返済をしながら、総返済額を抑えていくことも一つの手です。」

「なお、当社では35年超のお借入れを希望される方のニーズに対応するため、最長40年まで全期間固定金利でお借り入れすることができるフラット極40をご用意しております。毎月の返済額を抑えながら、借入金額を伸ばせる商品となっておりますので、多くのお客様に安心してご利用いただいております。」と話していました。
長期ローンを組むメリットとデメリット

住宅ローンの返済期間は、ライフプランにも大きく影響します。長期ローンを検討している場合は、下記に挙げるメリット・デメリットを参考に、慎重に返済期間を決めましょう。
<メリット>

長期のローンを組んで返済年数を長くすると、月々の返済額が抑えられます。収入に対して返済額が少なければ、家計をやりくりしやすいですし、教育費などの支出が一時的に増えても柔軟に対応できるでしょう。将来の収支計画に未確定な部分があっても、比較的安心して住宅ローンを利用できます。

また、月々の返済額を抑えることで、住宅ローンの審査に通りやすくなるというメリットも期待できます。多くの金融機関では、住宅ローンの審査において、年収に占めるローン返済額の割合(返済比率)を重視しているからです。

さらに、団体信用生命保険(団信)の保障が長く続く点もメリットでしょう。団信に入っていれば、返済中に万が一死亡したり高度障害になったりしても、保険金でローンが完済され家族がローンを引き継ぐ必要はありません。団信の保障はローンの返済中ずっと続くため、返済期間が長ければ、その分保障が長く続き安心できます。

<デメリット>

長期のローンを組むデメリットは、返済総額が増加することです。たとえ金利は同じでも、返済期間が長いと利息の負担金額が大きくなり、返済総額としては高くなる可能性があります。

また、金融機関によっては、長期の返済になると金利が上がるケースもあります。これは、金利を上乗せすることで、長期返済のリスクをカバーするという考え方です。そして、諸費用の一つである保証料も返済期間が長くなるほど高くなりますので注意しましょう。

何より、長期にわたって返済が続くことで、リタイア後や年金生活中も返済が続くリスクがあります。返済期間を長くすれば月々の返済額は抑えられますが、支払総額の増加、完済時の高齢化といったデメリットもあるため、これらにも目を向けてよく検討する必要があるでしょう。

実際に長期ローンを利用する場合は、定年までに繰り上げ返済をする、完済時の年齢が高齢になることを踏まえ、団信に医療特約を付けるなどの対策を講じましょう。

武藤貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント 会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中 この著者の記事一覧はこちら
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