高級ブランドの腕時計が"投資先"として注目を集めている今現在、数字が書かれたカード(プレート)がパタリとめくれて時刻を表示してくれる時計・フリップ式置時計も注目すべき時計かもしれません。実際のところ、時代に逆らうアナログな仕様のフリップ式置時計がフリマアプリなどで、悪くない値段で取り引きされるケースは珍しくありません。
買取業の「買いクル」を運営する株式会社RCのCSO・島津大輔氏に、なぜ今フリップ式置時計に熱視線が注がれているのかを聞きました。
――フリップ式置時計が人気を集めている理由を教えてください。
デジタル化が進んだ結果、アナログなものに好意を持つ人は増えています。特に"パタパタ"と数字が切り替わる独特の動きは、単なる時計としての役割を超えて「レトロな体験」を提供しており、現代のデジタル製品にはない魅力を感じさせます。
デジタル時計が主流の今の時代だからこそ、フリップ式置時計が人気を集めている印象です。
また、SNSやインテリア誌で「映える雑貨」として取り上げられることも多く、実用性とインテリア性の両面から注目されています。
――「こういうフリップ式置時計が売れやすい」という傾向はありますか?
『世界陸上』でも「セイコー(SEIKO)」製の時計が使われるなど、世界的に知名度が高いため、セイコーのフリップ式置時計は人気があります。特に精度や耐久性の高さから「実際に日常的に使いたい」というユーザーに選ばれやすく、単なる装飾品ではなく"道具としての信頼感"が購入動機につながっています。
そのため、品質に定評のあるセイコー製が選ばれやすく、国内にとどまらず海外の人が購入するケースも珍しくありません。
――外国人向けに販売する人もいるのですね。
「メルカリ」や「ヤフオク」では最近、海外向けに販売する人が増えてきました。加えて、日本国内で仕入れたフリップ式置時計を海外のECサイトで再販売する"越境リセール"も活発化しており、日本製ブランドへの信頼感が追い風になっています。
――フリップ式置時計はどれくらいの金額で取引されているのですか?
大前提として、売れるものは現在販売されていないものです。具体的な値段ですが、6000~8000円で売買されており、金メッキが施されたものは1万円超で売られたこともあります。
また、同じフリップ式でも状態(動作の安定性や外観の美しさ)によって価格が大きく変わり、オリジナル箱や説明書付きはさらに高値が期待できます。
また、「カシオ」などの他の時計メーカーもありますが、"世界基準のブランド"という安心感から、セイコー製の人気が突出しているのが現状です。
島津大輔 しまづだいすけ 株式会社RC CSO/フランチャイズ 本部責任者、SevenStarsIslands株式会社 SNS事業責任者、買いクル本部 中学・高校・大学 特別授業講師。2018年、出張買取サービス「買いクル」初期立ち上げメンバーとして株式会社RCに参画。買いクルフランチャイズ全国122拠点への展開・教育体制構築に貢献し、2024年から現職。外部の企業PR、新サービス開発コンサルティング事業にも携わり、事業開発と現場支援を両立。SNS講師として教育機関・自治体・企業研修で登壇実績多数。 この著者の記事一覧はこちら