この9月にリリースされたwatchOS 26で、Apple Watchに「睡眠スコア」の機能が加わりました。「睡眠スコアは、他社の同等機能よりも信頼できる点数をお知らせします。
睡眠の追跡や可視化で、みなさんの身体的・精神的な健康を維持するのに役立ててください」と、Apple Watchの機能の開発などを手がけるApple役員のサンブル・デサイ医学博士は、睡眠スコアが睡眠の質の向上や健康増進に役立ってくれることに自信を見せます。

Appleが睡眠に注目する理由、Appleならではの工夫は

昨今、睡眠が注目されています。質の悪い睡眠が続くと健康に悪影響を与えたり、人生の幸福感が損なわれることもある、といった研究結果が報告されており、睡眠の品質を高めて健康増進につなげたいと考える人が増えています。

そのような流れを受け、各社のスマートウォッチやスマートリングは、収集したヘルスケアデータから睡眠の状況をスコア化する機能を続々と搭載しています。Apple Watchも、最新のwatch OS26で睡眠スコアを追加。睡眠時の状況をApple Watchでモニタリングし、睡眠のよしあしを点数化してくれます。

サンブル・デサイ氏は「人々が自身の健康に向き合い、自身の体をモニタリングしたいというニーズをAppleは知っています。みなさんがより能動的、かつ予防的に健康を管理することを促進すべく、Apple Watchにさまざまなモニタリング機能を備えてきました」と語ります。

続いて、「Appleは睡眠の質を改善するために何がよいかと考えてきました。その答えが睡眠スコアです。睡眠の主要な指標を継続的にトラッキングすることが重要であることは、2025年の世界睡眠学会の最新情報に基づいて確認されています。みなさんが毎朝起きた時に、前夜の睡眠の質を睡眠スコアで確認できるようにしました。
スコアは0から100の数値で算出し、どなたが見ても分かりやすいように『非常に低い』から『非常に高い』までの5段階で判定します」と解説します。

さらに、スコアの正確さも強調しました。「同等の機能は他社にもありますが、睡眠スコアならではの特徴がデータの正確さです。500万以上の睡眠データをもとに、アルゴリズムを設計しています。さらに、Appleが実施した『Apple Heart & Movement Study』の研究結果に加え、世界睡眠学会などが提供する情報も盛り込み、スコアをできるだけ透明に提供することを重視しました」
watchOS 26に対応できれば、古い機種でも精度は変わらない!

このように精度の高いスコアを出してくれる睡眠スコアですが、新しいApple Watchを使った方が、睡眠スコアの精度がより高まるのでしょうか?

サンブル・デサイ氏は「Series 10やSeries 11はバッテリーの持ちがよいので、より長時間装着できるというメリットはあります。ですが、Apple Watchのモデルによる精度の違いはありません。常にアルゴリズムの微調整を重ねており、旧モデルであっても高い精度を維持するよう設計しています」と語り、機種による違いはないと説明しました。
高血圧通知とともに、健康維持に貢献してくれる

2025年内には、日本でも高血圧の通知機能が追加される予定になっています。Apple Watchを装着しているだけで高血圧の兆候に気づくことができ、迅速なアクションにつなげられることが期待できます。

サンブル・デサイ氏は「睡眠スコアと高血圧通知が、日本のみなさんの健康維持に役立つことが待ちきれません」と期待を寄せました。

最後に、Apple Watchが目指すことについて、サンブル・デサイ氏に聞きました。

「Apple Watchは、みなさんの健康維持に欠かすことのできない存在になりたいと考えています。
体に大きな問題が発生する前に健康に向き合う機会をもたらし、ユーザーが能動的に行動できるよう支援することで、長期にわたって健康を維持していただくことを目指しています」

当初は、iPhoneに届いた通知が手元でサッと見られる、という利便性を売りに登場したApple Watchですが、昨今は「装着しているだけで健康を見守ってくれるデバイス」として評価されるようになりました。睡眠スコアと高血圧通知の追加で、さらに健康増進に貢献するデバイスになるのは間違いないでしょう。
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