Googleは10月13日(現地時間)、画像生成AIモデル「Nano Banana(Gemini 2.5 Flash)」を、Google検索およびAIリサーチアシスタント「NotebookLM」で順次利用可能にすると発表した。「Googleフォト」への展開も「近日中」としている。

○「Googleレンズ」を通じた画像編集

今回のアップデートにより、Google検索では、画像認識機能「Googleレンズ」と「AIモード」でNano Bananaを用いた画像編集機能を利用できる。

Googleアプリ(Android、iOS)内のGoogleレンズを起動し、新設の「Create」モードをタップすることで、撮影した写真やギャラリー内の画像を、自然な言語での指示(プロンプト)によって編集できる。例えば、「私を写真ブースで撮って」と依頼したり、愛犬のハロウィンコスチュームを検討する際に画面上で様々な衣装を試すといった使い方が可能だ。

AIモードでは、テキストプロンプトを使って全く新しい画像を一から作成することが可能である。

GoogleレンズとAIモードでの画像編集は、米国とインドから英語環境で提供開始され、順次、他の国や言語にも拡大される予定である。

○動画要約がよりリッチなビジュアルに

研究や学習を支援するAIツール「NotebookLM」では、ユーザーがアップロードした文書やメモからナレーション付きの動画要約を生成する「動画解説」機能で、文脈に沿ったイラストがNano Bananaを使って自動生成されるようになった。イラストのスタイルは「水彩画」「ペーパークラフト」「アニメ」「ホワイトボード」「レトロプリント」「ヘリテージ」の6種類から選択でき、複雑な情報を視覚的にわかりやすく、楽しく理解できるよう支援する。

また、NotebookLMの動画解説に新フォーマットとして、詳細な解説を行う従来の「Explainer(説明動画)」に加え、要点を素早く把握できる短い「Brief」形式が追加された。

NotebookLMのVideo Overviewsの新機能は、Google AI Proプランから順次ロールアウトされ、数週間で全ユーザーに展開予定である。

nano-bananaは、プロンプトの理解力が高く、細かい要望や複雑な依頼にも柔軟に対応する。従来のAI画像生成が苦手だった「一貫性の保持(例:同一キャラの別シーン)」に強く、シリーズ素材やブランドデザインなど、同じ特徴を保ちながら多様なバリエーションの画像を生成できる。複数画像の合成、背景の変更、髪形や服装の編集など、これまで専門知識やソフトウェアを要した作業も簡単なテキスト指示だけで完結するため、一般ユーザーでも直感的に使える点が画像編集のハードルを大きく下げている。


Googleによると、Nano Bananaは8月の導入以降、Geminiアプリ上で累計50億枚超もの画像生成に利用された。こうした背景から、同社はNano Bananaをより広範なサービスに展開する動きを加速させている。数週間以内にGoogleフォトでも利用可能になる予定で、詳細は現時点で明らかにされていないが、編集機能におけるレタッチや生成機能の統合が見込まれる。
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