●「コミュニケーションが大事」我慢せず言うべきことは言うように
元純烈でタレント・俳優の小田井涼平と妻で映画コメンテーターのLiLiCoが、映画『ローズ家~崖っぷちの夫婦~』(10月24日公開)の予告映像で夫婦そろってナレーションに挑戦した。息ぴったりの掛け合いを披露した2人にインタビューし、作品の魅力を聞くとともに、結婚後の変化などを聞いた。


本作は、ある夫婦の離婚をめぐる“戦争”を描き世界的大ヒットを記録した『ローズ家の戦争』を再映画化したもの。運命の出会いから10年、将来有望な双子にも恵まれ、楽しい結婚生活を送っていた建築家のテオ(ベネディクト・カンバーバッチ)とシェフのアイビー(オリヴィア・コールマン)は、テオの失業を機に夫婦の立場が大逆転。すれ違いが増え、夫婦喧嘩はヒートアップしていき、ついには命懸けの展開に。ローズ夫婦の行き着く先は、離婚か、それとも――?

――『ローズ家~崖っぷちの夫婦~』の魅力をどのように感じましたか?

LiLiCo:名優2人がまさかの夫婦役で共演。周りの役者さんも名俳優ばかりで。そして、ポスターなどでもドタバタな雰囲気が伝わっていると思いますが、その中にリアリティがたくさんあって、衝撃的なエンディングではありますが、見終わったときに自分の大事なパートナーをハグしたいなと思いました。

――試写は別々にご覧になったのでしょうか。

LiLiCo:そうなんです。一緒に見たかったんですけど。なので、帰ってからハグしました(笑)

――小田井さんは作品をご覧になっていかがでしたか?

小田井:たくさんの人の喜怒哀楽が詰まっている作品だなと思いました。単なる恋愛、夫婦関係、親子関係ではなく、ひねった要素が入っているというか、喜怒哀楽の4つではなく、喜怒哀楽変みたいな、「変」な感情もあるなと。グサグサ刺さるところもいっぱいあって、自分たち夫婦とここが似ているなとか、ここは違うなとか思いながら見ていました。


――ローズ夫婦とどんなところが似ているなと思いましたか?

小田井:お互い仕事をしていく中で、家族という関係性において自分をちょっとずつ見失っていくというか、相手がそうなっているのはわかるのに、自分がそうなっているのは気づかず、そういうすれ違いはあるだろうなと思いました。例えば、「全然自分のこと構ってくれない」と不満に思っているけど、実は自分もそうなってしまっているとか。自分のことには気づかず、相手の文句ばかり言ってしまうというのは、どの夫婦もあるんじゃないかなと思います。

――LiLiCoさんはいかがですか?

LiLiCo:家を建てたときに「でも私が払ったから」と言うところとか(笑)。私は家を建ててないし、全部お金を出しているわけではないけど、フィギュアとか私が買ってあげたんだけどねというのは、たまに言いたくなります。あと、一個気になるところが出てくると、ほかのこともどんどん言いたくなるというのは、女性はそういうところがあるんじゃないかなと。でも、夫婦関係を美化しても仕方ないので、言うべきことは言った方がいいと思っています。

――我慢するのではなく、思ったことはちゃんと言うようにされているんですね。

LiLiCo:そうですね。コミュニケーションを取ることが大事というのは、付き合っていたときから言っています。必ずしも奥さんが3歩下がって歩かなくてもいい。私が道を知っていれば、私が先に歩いていくべきだと思っています。


●結婚から8年 互いに変化「柔らかく」「価値観が変わった」
――2017年に結婚されてから8年になりますが、相手に影響を受けて変わったことを教えてください。

LiLiCo:私は柔らかくなりました。出会う前はたぶん更年期もあって、いつも怒っていたので、何の疑問もなくバラエティでキレキャラでいられましたが、もう怒るのも面倒くさくなって。昔だったら怒っていたことも、今は笑っちゃうようになりました。

――穏やかな小田井さんの影響で?

LiLiCo:癒やしパワーをもらっているのかもしれないです。心に余裕ができて、穏やかになって、この人の妻でいることがすごく幸せです。化粧も薄くなりました。表に出るときは濃いですけど。あと、彼のファンにあまり気を使わなくなりました。

――最初の頃は小田井さんのファンの方を意識されていたんですね。

LiLiCo:爪とか派手にしていると、料理してないんじゃないかとか思われるんじゃないかなと思っておとなしくしていましたが、爪を派手にしていても、やることはちゃんとやっているんだからと思えるようになって。

――小田井さんはいかがですか?

小田井:僕は食生活の変化が大きいです。
行くお店も変わりました。

LiLiCo:独身時代に行っていたお店とかもっと知りたいんですけどね。全然連れて行ってくれないので。

小田井:僕は相席でご飯を食べるのも全然平気ですけど、奥さんは2人の時間を邪魔されたくないという思いが強いので、そこに関しては奥さんの方に合わせるようにしています。僕は晩御飯ラーメンで十分ですけど、奥さんはお酒を飲んでゆっくり時間をかけて食べたいという思いがあるので、これはLiLiCoの方を尊重するべきだろうなと。しかも僕は変装するとバレないんですけど、LiLiCoは声でバレるので、そうなったらもうプライベートな話もできなくなるじゃないですか。

――そうなると、小田井さんが独身時代に行っていたお店は2人で行くのはなかなか難しそうですね。

LiLiCo:確かに。お酒が好きで 5杯ぐらいは飲みたいので、ゆっくり食事を楽しみたいんですよね。

小田井:僕は定食屋とかラーメン屋とか、そういうところばかり行っていたので、一緒に行くのは難しいんです。

――小田井さんは食生活のほかに内面的な部分で影響を受けていることはありますか?

小田井:付き合っていた頃からコミュニケーションの大切さを言われていたので、そこはすごく変わったと思います。あと家族との関係性もLiLiCoのおかげで変わりました。
純烈というグループをやっていく中で、紅白に出場するまでは、親に不義理をしているという気持ちがすごくあって、ずっと距離を置いていたんです。「夢は紅白! 親孝行!」と掲げていましたが、自分の親にはものすごく迷惑をかけているなという気持ちがあったので。でも、奥さんが1人でうちの親に会いに行って、仲良くなって、家族とご飯食べているところから電話してきたり、そういうことをやってくれて。

LiLiCo:小田井がいないときに1人で行ったりして。

小田井:普通なかなかできないと思うんです。奥さんが旦那さんの実家に遊びに行くのを躊躇するパターンが多くないですか? そこを積極的にやってくれたおかげで、僕も家族との人間関係含め、自分の価値観が変わっていきました。

●ドッキリ企画でまさかの離婚危機「本気で別れようと思った」
――お互いにいい影響を与え合っていて素敵ですね。本作ではローズ夫婦が離婚危機を迎えますが、お二人はそういった危機はあったのでしょうか。

LiLiCo:ドッキリをかけた時に、離婚の危機がありました。純烈のマネージャーさんに電話して、「短い間でしたけど、さよなら」と伝えて。本気で別れようという感じでした。

小田井:「飲食店で奥さんの手料理が出てきたら気づくか」というドッキリだったんですけど、ドッキリ仕掛けておいて怒るのはおかしいやろって思いました。


LiLiCo:でも、あんなひどいことを言われると思わなかったので。

小田井:十何年一緒にやっているグループのメンバーに自分の奥さんの話をするときに、のろけるのもちゃうかなみたいな。だから、くさす方へいくという傾向があって。またそれを助長するようなドッキリだったので、関西人の血なのか、悪い方へ盛ってしまったんです。それを全部モニタリングされていて。種明かしされてからLiLiCoに話さなきゃと思ったら、怒って帰ってしまったと。マネージャーも仕掛け人だったので、「これで離婚するかもしれへんから覚悟しといてな。半分、自分らのせいやからな」と言いました。

――その危機を乗り越えて、今に至るわけですね。

LiLiCo:そうですね。ドッキリかけておいてキレるなよっていうのはもちろんなんですけど、まさかあんなに言われるとは思わなくて。

小田井:「うちの奥さんの料理にめっちゃ似ているな」とか言っていたんですけど、店で奥さんの手料理が出てくるなんて思わないから。


LiLiCo:お皿はうちのだったよ。

小田井:皿は一緒でも、そもそも疑ってないから。

LiLiCo:でも、あのグループの中で会話していて、そういう風に言いたくなるのはわかります。この間、初めて純烈と対談したんですけど、掛け合いが面白いので、自分もどんどん面白いことを言いたくなって。ドッキリのときは本気で別れようと思いましたが、乗り越えられてよかったです(笑)

■小田井涼平
1971年2月23日生まれ、兵庫県川西市出身。神戸学院大学法学部卒業。家電メーカーの営業職中に勤務先の仙台でモデル活動を開始。その後東京へ移り、芸能活動に専念。2002年『仮面ライダー龍騎』で俳優デビュー。2007年から2022年までムード歌謡コーラスグループ・純烈として活動し、『NHK紅白歌合戦』に5年連続出場。現在はタレント・俳優として活動している。

■LiLiCo
1970年11月16日生まれ、スウェーデン・ストックホルム出身。18歳で来日、1989年から芸能活動スタート。TBS王様のブランチ』に映画コメンテーターとして出演。J-WAVE『ALL GOOD FRIDAY』など出演番組多数。ナレーション、俳優、声優などマルチに活躍。ジュエリーのデザイン、プロデュースも手掛ける。
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