ABEMAオリジナル連続ドラマ『スキャンダルイブ』(11月19日スタート 毎週水曜22:00~ 全6話)で主演を務める柴咲コウと、今作が柴咲と初共演となる川口春奈が、自身の役柄やお互いの印象について語った。

○柴咲コウと川口春奈の役づくり

――オファーを受けたときの感想を教えてください。


柴咲:私はもともと、プロデューサーの藤野(良太)さんとお仕事をしたことがありまして、「おもしろいことをしたいね」と話していて。その中で「おもしろい企画が実現しそう」と、お話をいただきました。脚本を読んでみたら、リアルの世界でも日常的に取り沙汰されるスキャンダルのお話なので、外側から見られる自分たちと、内側から巻き起こっている動向を映し出せる、いい機会なのかなと。そこを丁寧に描いてもらえそうだなと思ったので、お引き受けしました。

川口:「なかなか攻めてるな」というのが率直な感想です。芸能界のスキャンダルと、それを追う記者の話って、あんまり見たことがないなと。描くには刺激的ですし、どうなるんだろうという好奇心もあって、(出演オファーは)うれしかったです。

――柴咲さんは、週刊誌より所属俳優のスキャンダル記事掲載の告知を受け奔走する芸能事務所社長・井岡咲を。川口さんは、咲にスキャンダル記事を突き付ける芸能週刊誌記者・平田奏を演じます。役づくりはどのように行いましたか?

柴咲:いわゆる世の中が想像する“女社長”って、年配でビシッとスーツを着ているようなイメージなのかなと思うんですけど、(自分が演じる咲は)現場上がりで、小さな事務所だから今も現場第一主義。所属タレントファーストでずっと動いていて、大手事務所から独立して、揉まれながら、「負けないぞ!」と頑張っているので、共感してもらえるようなところもあると思います。ヘアメイクやスタイリングは現実離れしないように、でも、業界の人なので、ちょっとオシャレに、華やかさを失っていない見た目を作っていました。


川口:週刊誌の記者の方って、本当にそれぞれ、十人十色だと思うんですけど、奏はニュートラルというか、フラットな感じなのかなと思いました。自分の信念を持って、粛々とやるべきことに取り組む。第三者から見たら、すごく勝気ではっきりしているキャラクターなのかなと。格好も人それぞれだと思うんですけど、気負いしていないというか、基本的には取材に出ているので、動きやすいラフな格好で。でも、芯のあるところをお芝居で出せるように意識しました。

○柴咲コウと川口春奈がお互いの印象を語る

――お二人は今回が初共演になるそうですね。お互いの印象を教えてください。

柴咲:メディアで見る川口春奈さんそのままで、飾り気なく、嫌味なく、そりゃ好感度が高いよなっていう(笑)。それも作ってる感がなくて、ストレス溜まらないのかなって。

川口:あはは(笑)。

柴咲:いい子です! 取り繕わないというか、カッコよく見せようとしない。抜けてるところもそのまま見せてくれるから、こっちも自然体になって、あくびが出ちゃうみたいな(笑)。


――川口さんはいかがですか?

川口:カッコいい女性のイメージがありましたが、一緒にお仕事をさせていただいたあともやっぱりそうで。現場でもペースが乱れずにストイック。本当に頼もしい座長だなというふうに思いました。咲さんとリンクするところがあって、大変な状況やアクシデントがあっても、動じないんだろうなっていう強さ、頼もしさを感じました。3カ月4カ月、毎日撮影するのって、精神的にも大変な部分があるなかで、ずっと変わらずに現場にいてくださるので、安心する。女性としても、役者としても、カッコよかったです。男前です。

柴咲:(川口さんに対して)私も男前だと思ってる(笑)。「うふふ」とかしないじゃない? そういうかわいいところも見てみたいくらい(笑)。

――一緒にお芝居をして、刺激を受けたことや印象に残っていることはありますか?

柴咲:(咲と奏は)バチバチとしたところがある関係値で、咲としても何らかの過去があり、週刊誌に対して嫌悪感を強く抱いているのが、如実に見えるんですけど、(撮影本番でカメラが回って)対峙したときの、奏の表情が本当に腹の立つ (笑)。事実、私もいち俳優として、そういうことを書かれた経験もあって、同じような感覚を持ったことがありますが、(タレントを記事のネタになる)モノとしてしか見てないな、この人っていう。書く側の正義であったり、それは信念としてあると思うんですけど、(咲と奏は)相容れないということが表情ひとつで伝わってくる。
瞬時にその空気になるというのが、すごく頼もしくて。自分で(嫌悪感を抱く)気持ちを作らなくても、その表情を見ただけで、そういうモードになりました。

川口:コウさんは、カメラが回る前後で全くスイッチが見えないというか、そのままフラットでいらっしゃる。例えば私は、長いセリフのシーンはどこかでプレッシャーに感じたり、言えなかったらどうしようと焦ったりしてしまうことがあるんですけど、それが1ミリたりとも感じられない。

柴咲:あったよ(笑)!

川口:でも、それが分からないんです。セリフもすごく多いし、エモーショナルな場面も多いなかで、そこの境目を全く感じなかったのがすごいなと、ひしひしと感じていました。

柴咲:役柄と多少は違えども、独立して、自分で会社を経営して、スタッフがいて、自分の芸能のこともやっているので、(咲と)近いところもあって、真逆というわけではない。なんなら、ちょっと当て書きされた? って思うくらいの役だから、その影響もあるかもしれません。

○柴咲コウと川口春奈が週刊誌に抱くイメージ

――最後に、週刊誌に対して、どのようなイメージをお持ちか教えてください。

柴咲:読む機会は少ないですが、芸能に限らず、政治的なことの「闇を暴く」というイメージがあります。トピックによっては、それが世の中の価値観を変える大きなきっかけになるようなことを書いていらっしゃるのかなと思いますが、こと芸能に関しては、書かれる側なので、ビクビクしています(笑)。「優しくして」と思います。


川口:私も全く同感です(笑)。自分から手に取ることは本当に少ないのですが、記者の役を演じて、各ジャンルのトピックへの執着や熱量はすさまじいんだなと思いました。そこに対する世間の興味も同じようになるよねっていう、需要と供給をすごく感じます。

(C)AbemaTV,Inc.

柴咲コウ衣装
スタイリスト:柴田 圭
・ドレス/FETICO(THE WALL SHOWROOM) ・ピアス/avgvst ・ピアス リング2点/norme、・リング3点/oeau ※その他スタイリスト私物

川口春奈衣装
スタイリスト:緒方なぎさ(サブレットプラージュ)
・ブラウス パンツ/FETICO ・イヤカフ/avgvst ・リング2点/HOORSENBUHS ・シューズ/YOSHITO

【編集部MEMO】
大手事務所から独立して4年、看板俳優・藤原玖生(浅香航大)を悲願の地上波ドラマ主演にこぎつけた事務所“Rafale”の代表・井岡咲(柴咲コウ)。そんな矢先、井岡の耳に飛び込んできたのは、藤原の「“不倫スキャンダル”が掲載される」という週刊誌からの告知であった。記事の執筆者は平田奏(川口春奈)。数多の芸能人のスキャンダルを白日の下に晒してきたあの週刊文潮の記者である。記事発売まで、あと72時間。スキャンダルの掲載を巡り、事務所と週刊誌の熾烈な争いが火蓋を切る。そして、スキャンダルの裏側に隠された新事実は、彼らをより芸能界の深い闇へと引き摺り込んでいく――。
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