●ドラマ『MISS KING / ミス・キング』でのんと共演
テレビドラマ初出演にして、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの『なつぞら』(19)に出演し、今年前期の『あんぱん』で、主人公・のぶと共に戦後初の女性記者になった小田琴子を演じて、早くも朝ドラ2作品を経験した俳優・鳴海唯。現在、映画『アフター・ザ・クエイク』が公開中、ドラマ『シナントロープ』も放送中と、まさにばく進中である。
さらに、『アフター・ザ・クエイク』でもキャストに共に名を連ねている俳優・のんが主演を務める、ABEMAオリジナルドラマ『MISS KING / ミス・キング』にも出演している。父への復讐心を胸に、“史上初の女性棋士”への道を切り拓こうとする主人公・飛鳥を中心とした物語が、映画のような映像美で進む本作。鳴海は才能ある女性棋士の早見由奈を演じ、のんと盤を挟んで対峙する。鳴海に話を聞くと、負けず嫌いな一面や、俳優業への熱い思いが伝わってきた。
○将棋×復讐劇が交錯する物語に惹かれて
――『MISS KING / ミス・キング』の脚本を読んだときの感想を教えてください。
一見普遍的な復讐劇のようにも見えながら、その実、違っていて、飛鳥というひとりの女性が、棋士の父への復讐を果たすために、プロ棋士を目指していく物語です。飛鳥は父への復讐だけでなく、将棋界を揺るがすような偉業も成し遂げていく。将棋と復讐劇を絡めた作品というのは今までにないと感じましたし、ふたつの物語が同時に進行している作品で、そこが魅力だと思いました。
――鳴海さんは、女流棋士として活躍しながら、飛鳥の父で天才棋士の結城彰一(中村獅童)の息子の婚約者でもある早見由奈を演じています。また、将棋を通じて飛鳥と通じ合う役でもあります。才能のある女性ですが、ジレンマも抱えていて、多くの人が共感を寄せる人物だと感じました。
女性がプロ棋士を目指すということが、将棋界においてどれだけの偉業なのかを勉強するところから始めました。
○のん演じる飛鳥と対峙して、自然に湧き上がってきた感情
――のんさんの印象はいかがでしたか?
本当におおらかな方で、現場も緊張をせずに自然と入れました。ご一緒したシーンは、どこを思い返しても楽しかったです。そして脚本を読んだときに感じた飛鳥への印象と、のんさんを通して飛鳥に対面したときの印象が、いい意味でかなり違っていました。最初は、飛鳥という女性に対して、由奈として怒りの感情を抱いたり、「敵わない」と思えるだろうかと、正直不安に思っていました。でも、のんさんを通した飛鳥と向き合ったとき、そうした気持ちが自然に湧き上がってきました。
――由奈としての気持ちが。
飛鳥には復讐という目的がありますが、それとは別に、純粋に心から将棋を楽しんでいます。その姿を目の当たりにして、「この人の将棋に対する潔白さに、私は敵わない」と思い知らされる瞬間がすごくありました。由奈はどこかで将棋を諦めるきっかけを探していた女性だと思います。
○「負けました」と絶対に言いたくなくて涙
――将棋は、投了する際に「参りました」「負けました」と相手に向かって頭を下げます。最初に見たとき、個人的に衝撃を受けました。
私も衝撃でした! この役が決まってから、友人に手伝ってもらって対局したんです。ルールを覚えたての状態だったので、当然完敗だったのですが、実は私、そのとき泣いたんです(笑)。
――泣いた!?
悔しくて悔しくて。「負けました」と絶対に言いたくなくて泣いてしまって。ド素人の私でもそうした気持ちになったということは、本気で向き合えば向き合うほど、言いたくない言葉ですよね。プロの方たちは、それこそ命をかけて勝負されているわけですから、そうした方々にとって「負けました」というセリフがどれだけの重みがあるのか。私は想像するしかないですけど、すごいことだと思いました。
●ドラマ、映画と出演作が続く中での“変化”「自分の考え方はどんどん変わっている」
○鳴海唯が語る“ライバル”とは
――お芝居には勝ち負けはないと思いますが、鳴海さんにとってライバルと感じる存在はいますか?
ライバルとはまた違うかもしれませんが、上京した際、養成所に通っていた時に、そこに同じ夢を持って頑張っている仲間たちがたくさんいました。その後、お仕事をスタートさせて私も7年くらいになります。これは仕方のないことではあるし、それぞれの選択があるわけですが、同じステージで戦い続けている仲間が、年々、少なくなっています。だからこそ、今も同じ場所にいる仲間を見ると、それだけで胸が熱くなります。実際に一緒にいるわけではないけれど、一緒に頑張っている気がして。それだけで、「彼ら、彼女たちも頑張っている。私もまだまだ負けてられないぞ。やってやるぞ」という気持ちになります。
――ステキなお話です。
「俳優は向いていないんじゃないか」とか、「やめたい」などと思ってしまうときもどうしてもありますが、そうした存在が自分を鼓舞してくれます。特定の人というより、当時の仲間や、当時の自分自身、俳優仲間や、制作側のお友達もいます。制作側のお友達とは、よく一緒にご飯を食べにいって、熱い話をしたりします。
○俳優として成長し続けるために
――ドラマに映画にと、現在、引っ張りだこです。周囲やご自身に何か変化を感じていますか?
周りの環境はそんなに変わっていないと思いますが、自分の考え方はどんどん変わっていると思います。作品の中で担う役割、役がどんどん大きくなっているので、今まで以上に、役と向き合う時間を増やさないと現場に立てないと感じています。よくも悪くも、年々、慎重になっている気がしますね。
――最初の頃は、カメラの前に立ってセリフを言えるだけでうれしかったときもありましたか?
セリフを覚えて言うだけで大変でした。それがいろんな経験をさせていただく中で、それ以外のことがいかに大事なのかを、先輩方の背中を見て学ばせてもらっています。私はどうしても怠惰な人間なので、自分に甘くなってしまいそうになりますが、作品に挑む際、限られた時間のなかで、どれだけの準備ができるかがとても大事だと感じています。準備期間って、孤独だし、試練です。でも、そこをいかに怠けずにやれるか。
――なるほど。
そこに向き合えば向き合うだけ、現場で役として自由にいられると感じてます。なので、それこそお芝居に勝ち負けはありませんが、自分自身に打ち勝つために、どれだけ役と向き合う時間を取れるか、毎回戦っていますし、その思いが強くなっています。ただ、これも先輩方みなさん歩んでいる道だと思いますし、そうした姿勢は大切にしながら、できる限り焦らずに、いつも通り、着実に一歩一歩進んでいこうと自分に言い聞かせています。
――ありがとうございます。これからも期待しています。最後に、由奈を演じた鳴海さんから、『MISS KING / ミス・キング』のおススメポイントを教えてください。
飛鳥の復讐劇と、対局の場面はもちろん見どころです。加えて、私がこの作品を通じて感じたのは、女性の強さやパワーについてです。由奈もそうですが、社会で生きていくことへの葛藤を抱えている人ばかりが登場しますので、ぜひご自身を投影して見ていただくと、より深く感じられるかなと。将棋のルールを知らない方でも、自分事のように捉えていただける作品になっていると思います。
■プロフィール
鳴海唯
1998年5月16日生まれ、兵庫県出身。2019年にNHK連続テレビ小説『なつぞら』でドラマ初出演を果たす。

![【Amazon.co.jp限定】鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 豪華版Blu-ray(描き下ろしアクリルジオラマスタンド&描き下ろしマイクロファイバーミニハンカチ&メーカー特典:谷田部透湖描き下ろしビジュアルカード(A6サイズ)付) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Y3-bul73L._SL500_.jpg)
![【Amazon.co.jp限定】ワンピース・オン・アイス ~エピソード・オブ・アラバスタ~ *Blu-ray(特典:主要キャストL判ブロマイド10枚セット *Amazon限定絵柄) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Nen9ZSvML._SL500_.jpg)




![VVS (初回盤) (BD) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51lAumaB-aL._SL500_.jpg)


