WOWOWのドラマ『三谷幸喜「おい、太宰」』が、「東京ドラマアウォード2025」の作品賞で優秀賞を受賞。28日、都内ホテルで行われた授賞式に、脚本と監督の三谷幸喜らが登壇した。


授賞式の司会も務めている三谷は、MC卓から慌てて受賞者席に座り、もう一人の司会の有働由美子に「それではご登壇いただきます。脚本と監督、三谷幸喜さん」と呼び込まれると、何食わぬ顔をして立ち上がって再びステージ上へ。

トロフィー片手にマイクを持ち、堂々と挨拶するも、「どうもはじめまして、三谷幸喜です。本当にこの賞を頂けて光栄に思っています。え~大変な作品で、100分間長回しを1回も止めることなく、しかも~外で浜辺で撮りましたので、とにかく俳優さんも大変だし、一番大変なのはカメラマンの山本(英夫)さんだったんですけど…」と言いかけたところで、有働が「30秒経過」とカットインし、スピーチを強制終了させられた。

このスピーチ30秒以内ルールは、三谷自身がスムーズな進行のために登壇者に義務付けたもの。三谷は抵抗することなく「ありがとうございました」と従った。

一度もカメラを止めない「完全ワンシーンワンカットドラマ」の第3弾として制作された同作。山田雅樹プロデューサーは「三谷さん、キャスト、カメラマンの山本さんをはじめ、スタッフの皆さんに頂いた賞だと思っています」、村松亜樹プロデューサーは「脚本の段階で本当に爆笑して、さすが三谷さんだなと思ったら演出も本当に面白かったのですが、天候などいろんなハードルを越えてさらにもっと面白い作品を作ろうとする三谷さんのクリエイターとしての精神が本素晴らしいなと思いました」と、三谷が伝えきれなかった思いを述べた。

続いて森賢正プロデューサーが話そうとすると、三谷に「森さん、巻きでお願いします」と促され、「この作品を含めて山本さんと監督の二人三脚の作品になってると思います。どうもありがとうございました」と、コンパクトにまとめて締めくくった。

○「東京ドラマアウォード2025」受賞作品・受賞者

■作品賞〈連続ドラマ部門〉
グランプリ 『海に眠るダイヤモンド』(TBSテレビ)
優秀賞 『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)
優秀賞 『東京サラダボウル』(NHK)
優秀賞 『ホットスポット』(日本テレビ)
優秀賞 『御上先生』(TBSテレビ)
優秀賞 『夫の家庭を壊すまで』(テレビ東京)
優秀賞 『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ)
優秀賞 『ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』(WOWOW)

■作品賞〈単発ドラマ部門〉
グランプリ 『スロウトレイン』(TBSテレビ)
優秀賞 『憶えのない殺人』(NHK)
優秀賞 『新・暴れん坊将軍』(テレビ朝日)
優秀賞 『三谷幸喜「おい、太宰」』(WOWOW)

■ローカル・ドラマ賞
『ススキノ・インターン~マーケ学生ユキナの、スナック立て直し記~』(北海道テレビ)
『迷子のわたしは、諦めることもうまくいかない』(中京テレビ)

■個人賞
主演男優賞 松坂桃李 『御上先生』(TBSテレビ)
主演女優賞 奈緒 『東京サラダボウル』(NHK)
助演男優賞 角田晃広 『ホットスポット』(日本テレビ)
助演女優賞 杉咲花 『海に眠るダイヤモンド』(TBSテレビ)
脚本賞 詩森ろば 『御上先生』(TBSテレビ)
演出賞 塚原あゆ子 『海に眠るダイヤモンド』(TBSテレビ)
主題歌賞 King Gnu「ねっこ」 『海に眠るダイヤモンド』(TBSテレビ)主題歌
特別賞 故・西田敏行(俳優)
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