今では、様々なAIを簡単に利用できるが、多くの場合「AI の回答には間違いが含まれている場合があります」といった注意書きが併記されている。実際、すでに事実が分かっていることを聞いてみると、ときどき間違った回答をする(写真01)。
間違いを指摘した回答は、何か話をごまかすかのような言い方になっている(写真02)。こうした回答には、何かサイコパス的なものを感じてしまう。もちろん、コンピュータのプログラムなので、「反省」も「自戒の念」もなければ、そもそも「悪い」という概念もなく、ユーザーを誤魔化そうという意識もないはずだ。逆にこれらをソフトウェアとして実装できたとしたらノーベル賞ものであり、「良心回路」の完成も近い。
筆者としては、AI自体やその利用を否定するつもりはなく、その可否については、個人の判断にまかせたい。もちろん、筆者もAIを利用することはある。ただ、全幅の信頼を寄せて利用するわけではなく、できるだけ間違いをしないような使い方をする。例えば、結果が分かっている、あるいは結果が分かりやすい範囲での利用、メーカー名や英単語の正しい綴り、著名なイベントの日時、あるいは専門用語の略語などに対する質問が主な使い方である。
最近のAIでは、質問に答えるだけでなく、資料から文章を作成する、あるいは文章の構成を直すといった使い方も可能なようだが、こちらは、どうも感覚が合わない。結果がどうしても、自分が考えているのと違うからだ。
人には、それぞれ固有の文章のパターンがあり、一定以上の文章であれば、文体からの個人の同定も可能である。逆に言うと、自分の文体で書かれた文章でなければ、自分の文章として認識できないのだ。
これは別に悪いことではない。良いたとえなのかは分からないが、年賀状を作るとき、既成のものに名前を入れるだけのパターンもあれば、自分でイラストを書く人もいる。さらには、プリンタや印刷サービスを使わず、イラストから宛先まですべてを手書きする人もいる。どれを選ぶかは、その人次第である。
この中でAIによる文書作成は、既成の年賀状の利用に似ている。この場合、差出人と宛先以外は同一の年賀状が大量に行き交うことになる。同条件で動く同一のAIならば、同じ回答が得られる。つまり、AIにより作られた文書とは「工業製品的」な文書なのだ。これに対して、普通に作られた文章は、「手工業的」な文書に相当する。
おおよそ、どんな製品も、手工業的な製品に対して、質を上回ることがなくても、最終的には、コストが安く、手軽に入手、利用できる工業製品が多くの製品で広く普及している。もともと、コンピュータのソフトウェアであり、一定条件下でのテストなら、おなじような結果が得られる。
工業製品が登場すると、手工業的な製品は作り手も激減し、場合によっては、もう誰も手作りできないことさえある。ワープロや表計算などのアプリケーションの登場により、パソコンではプログラミングの知識は不要になった。それと同じく、文書だけでなく、静止画や動画などの「作成」は、技法や知識が不要になり、AIに任せきりにできる。
おそらく、一般的な仕事や作業で必要な「作成」作業は、最終的には生成AIが行うことになると思われる。例えば、商品紹介などのWebページの作成では、文章からレイアウト、デザイン、説明動画など、ほとんどAIが行うことになるだろう。こうした文章は間違えていたら、指摘に従って修正すればいいだけだ。
AIに頼らず、ゼロから文章を作成するようなやり方は、プログラミングのような位置づけになり、特定の人のみが行う作業となるだろう。プログラミングはそれほど難しいものでもないのだが、理解する気がなければ、近づきがたい魔術のようにしか見えない。文章を書くことも、こうした魔術の1種のようになる日が来るだろう。
今回のタイトルネタは、チェスタトン(Gilbert Keith Chesterton)の、「木曜日の男」(原題“The Man Who Was Thursday: A Nightmare”、1908年)である。著名な作品なので、既にお読みになった人も少なくないと思う。原題に「A Nightmare」とあるように、ミステリというよりも、主人公が陥る悪夢の世界を描いているとも言える作品だ。











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