乾燥するこれからの時期に活躍するのが加湿器ですが、手入れをせずに使い続けると健康に悪影響を与える可能性があることはご存じですか? 加湿器は、価格が手ごろで電気代が安い超音波式が人気ですが、超音波式は内部の清掃を怠ると雑菌を部屋中にまき散らし、健康維持のために設置したのに逆に健康を害する要因になることも。清潔を保つには、まめに手入れをする必要があり、意外と面倒なのです。


機種によっては、霧状に放出されたミストの粒が大きく、蒸発せずに床に落ちてびしょびしょになったり、床や家具にカルキ由来の白い粉が付着することも。

そのような超音波式加湿器の欠点を解消した次世代の加湿器がカドーから登場。内部の水を加熱して除菌する機構を備えており、頻繁なメンテナンスいらずで清潔に使えるのがよいと感じました。

内部で水を加熱して除菌する仕組みを備える

デザイン性に優れた加湿器を得意とするカドー。Makuakeでクラウドファンディングを開始した最新モデル「STEM 500H」は、超音波式ながら超音波式の欠点を解消した意欲作です。

超音波加湿器は、水を細かく振動させて霧状にして噴霧する仕組み。構造がシンプルなので本体の価格が安く、消費電力も安く済むのがメリットですが、注意点も。内部の水トレイにたまった水が劣化して雑菌が繁殖している場合、その雑菌を部屋中にまき散らしてしまうのです。

それを防ぐには、週に1回は水トレイやタンクを洗剤できれいに洗う必要がありますが、やはり手入れするのを忘れてしまいがち。ひと月ほど使ってから思い出して掃除しようとすると、ピンク色に濁ってぬめりのある汚い水がたまっていて、うわぁ…と驚くはめになります。

STEM 500Hは、加湿器内の水の劣化を防ぐため、水トレイ部に水を加熱する2つのヒーターを搭載。約70℃の低温で加熱除菌することで、細菌、酵母、カビなどの雑菌をほぼ100%抑制し、ピンクカビやぬめり、バイオフィルムの発生を防止。
加湿器を動かしていない時でも12時間に1回自動で加熱除菌を実施する仕組みも備え、こまめな手入れの必要なしで清潔に使えるとしています(定期的な各パーツの分解・清掃は必要)。

除菌の観点でいえば、水を沸騰させて蒸気を出すスチーム式にはかなわないものの、スチーム式はとにかく消費電力が大きいのが欠点。蒸気でやけどをする心配もあります。STEM 500Hは水を常に沸騰させるわけではないため、電気代はスチーム式の1/6程度。加熱も約70℃と低めなのでやけどの心配もなく、いいとこどりの仕上がりだと感じます。

超音波式加湿器は、水道水に含まれるカルシウムやミネラルも水と一緒に噴霧するため、長く使うと成分(ホワイトダスト)が床や壁などに白く付着することがあります。それを防ぐため、STEM 500Hはカルシウムやミネラルの成分を除去するフィルターを備え、ホワイトダストを抑えています。

また、超音波式加湿器は噴霧するミストが大きい場合、すべて蒸発せずにテーブルや床に付着して濡らす原因に。STEM 500Hは、約2μmとミストを細かく放出する仕組みを備えています。

水の補充は手軽にでき、最大加湿モードでも静か

実際に使ってみました。本体の構造はシンプルで、上部のパネルを外すだけで水が補充できるのは便利だと感じました。運転や加湿設定などの操作は前面のタッチセンサーででき、LEDで状態も確認できます。


最大加湿で動かしたところ、目で見えるほど盛大にミストが吹き出しますが、駆動音はほとんど気にならないレベルに収まっています。湿度に応じて加湿量を調節する自動モードでも、寝室で使えると感じました。運転時は内部のLEDが現在の湿度に応じて光り、水がなくなると赤色になって知らせるライトも内蔵します。

肝心の清潔機能については、今回の試用期間だけでは長期的な効果を確認できなかったものの、加熱による除菌機能を備えているのは頼もしいと感じます。特に、こまめなメンテナンスに意識が回らないシニア世代の世帯には、安心を与える要素となるでしょう。メーカーの試算では、6カ月間の電気代は3,000円チョイで済むとしており、ランニングコストも比較的安く済む点が評価できます。

一般販売価格は33,000円ですが、Makuakeでの早割価格では28,050円で購入できます。超音波式加湿器としてはかなり高価ですが、デザイン性と除菌性能を評価できれば検討する価値はアリだと感じます。この仕組みを採用した、ひとまわりコンパクトな製品の登場にも期待したいところです。
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