ENEOSは11月4日、同社が設立した「公益信託 ENEOS 水素基金」の2025年度助成対象者6名を決定したと発表した。水素エネルギー社会の実現に向けた研究支援を継続するという。


○11月14日には贈呈式を開催

今回の助成対象者は、産業技術総合研究所の石山智大氏、同志社大学大学院の盛満正嗣氏、物質・材料研究機構の土井康太郎氏、関西大学の田中俊輔氏、横浜国立大学大学院の本倉健氏、北海道大学の鳥屋尾隆氏の6名。

研究テーマは、「第1分野:水素製造技術」として石山氏の「300℃で作動可能な革新的水蒸気電解セルの開発」と盛満氏の「水素製造のための超低過電圧水素発生触媒の開発」。「第2分野:水素貯蔵・輸送に関する技術」として土井氏の「水素・腐食・応力からなるトリニティマップ技術による高強度鋼の水素脆化起点予測」。「第3分野:CO2固定化・削減技術」として田中氏の「ゲート開閉型吸着を引き起こす無機ゼオライトによる高効率CO2分離回収」、本倉氏の「シリコン還元剤と金属ナノ粒子触媒によるCO2変換反応の開発」、鳥屋尾氏の「機械学習を用いた二酸化炭素からのプロピレン合成触媒開発」 が採択された。

同基金は、脱炭素に向けた水素社会の早期実現に貢献することを目的にENEOSが2006年3月に設立したもので、水素供給に関する研究助成に特化した公益信託としては日本初とされる。年間総額5,000万円(1件あたり上限1,000万円)の研究助成金を約10年間にわたり交付可能な規模を有しており、今年度は62件の応募から審査を経て助成対象者が選定された。研究助成金贈呈式は11月14日に開催される。
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