OpenAIは11月24日(現地時間)、「ChatGPT」に「ショッピングリサーチ」機能を導入した。Web版とChatGPTアプリでログインユーザー(無料、Go、Plus、Pro)に提供され、入力ボックス横の[+]を押して表示されるメニューから「ショッピング リサーチ」を選択して利用する。


インターネット上で商品を探す際、多くの場合で複数の比較サイトやレビューを行き来する必要がある。ショッピングリサーチは、この煩雑なプロセスをAIが能動的に支援する機能である。

具体的には、利用者が購入を検討しているものを伝えると、ChatGPTがネット上の信頼性の高い情報源を横断的に調査し、比較・検討に必要な情報をまとめて提示する。たとえば「静かなスティック型掃除機」「1000ドル以下の15インチ超のノートPC」「4歳の姪へのアート系ギフト」といった曖昧な依頼でも、ChatGPTは追加の質問を通じてユーザーの意図を細かく把握し、好みや用途を絞り込んでリサーチを進めていく。

これまでもChatGPTで価格確認や商品について調べることは可能だったが、通常のChatGPTが“質問応答ツール”であるのに対し、ショッピングリサーチは“調査ツール”として設計されている。「条件・制約」(例:予算5万円以内)、「優先順位」(例:低価格 vs 画質や性能)など購入判断のポイントに基づいて情報を体系的に整理し、複数の製品を「比較」して膨大な候補の中から条件に合致する製品を選び出す。通常のChatGPTの回答より時間はかかるが、より有用な買い物ガイドが得られる。

OpenAIによれば、ショッピングリサーチによる調査内容や会話データが小売事業者と共有されることはない。結果は公開情報に基づくオーガニックなものであり、低品質サイトや広告的情報を避ける設計がなされているという。

一方で、過去の会話内容やChatGPTの「メモリ」機能を活用することで、ChatGPTが好みや予算感を学習し、個々により適した提案が可能になる。たとえば過去に電動自転車について会話していれば、関連アクセサリーを提案するといったパーソナライズが行われる。

ショッピングリサーチには、買い物タスクに最適化された「GPT-5 mini」モデルが採用されている。
信頼できる情報源を読み取って比較ポイントを適切に判断できるよう強化学習されており、対話内容に応じて調査結果をリアルタイムに更新する仕組みも取り入れられている。ただし、AIが収集する情報にはリアルタイム性に限界があり、価格や在庫情報に誤りが生じる可能性があるとして、OpenAIは販売サイトでの最終確認を促している。
編集部おすすめ