第19回朝日杯将棋オープン戦(主催:朝日新聞社・日本将棋連盟)は二次予選が進行中。11月26日(水)にはAブロックの3局が行われました。
このうち羽生善治九段―千田翔太八段の間で争われた予選決勝は羽生九段が116手で勝利。本戦進出を決めるとともに自身通算1600勝という節目の記録に到達しました。
○意表の千田流四間飛車
二次予選は8ブロックに分かれ、各ブロックの4人によるトーナメントを制した者が本戦へ進みます。羽生九段はこの日の午前に行われた本田奎六段戦で、劣勢の終盤戦から相手の緩手に乗じて逆転勝利を収めています。対するは八代弥八段に勝って予選決勝にコマを進めた千田八段で、決勝の戦型は千田八段の四間飛車に羽生九段がミレニアム囲いで挑む構図へと落ち着きました。
9度目の対決となった両者、6年前(2019年の王位リーグ)には羽生九段の四間飛車に千田八段が居飛車穴熊で挑む構図も見られました(結果は羽生勝ち)。奇しくもそのリベンジを目指す形となった千田八段ですが、この日は羽生九段の積極的な指し回しに翻弄されることに。交換した角を先手陣深くに打ち込んだのが高美濃囲いのスキを突く好手でした。
○大局観の勝利
羽生九段の卓越した大局観は自玉の桂頭のキズを放置したところに現れました。桂損でも両者の大駒の働きには大きな差がついており、自陣の嫌味が消えたことも加味すれば十分にお釣りがくると見ています。この直後、スパッと飛車を切り飛ばして角と刺し違えたのがさわやかな決め手。さばき合いが一段落した局面は振り飛車の駒得ながら、玉の堅さが大差で居飛車ペースです。
秒読みのなか「もうちょっといい手があったか」(局後の感想)と攻めあぐねた羽生九段ですが、形勢逆転までには至りませんでした。終局時刻は15時45分(対局開始14時)、最後は敵玉に詰みなしと認めた千田八段が投了。堅陣を生かした攻めで快勝と言える一局を飾った羽生九段は通算1600勝(歴代1位)を達成。「ひとつの節目を迎えることができてうれしく思う。(今後も)一局一局を丁寧に指していくのが大事」と喜びを語りました。
水留啓(将棋情報局)
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