歌手で俳優の木村拓哉が3日、都内で行なわれた映画『TOKYOタクシー』(公開中)の大ヒット御礼舞台挨拶に倍賞千恵子、蒼井優、山田洋次監督とともに登壇した。

木村は、なぜ長年にわたる“スター”として芸能界で活躍し続けているのか。
今回の舞台挨拶で、記者はその理由を垣間見た気がした。

イベント冒頭、MCの呼び込みで姿を現した木村は、自身の後方を歩く山田監督を気遣いながら壇上へと歩みを進めた。階段に差し掛かると後ろに振り向き、サッと手を差し出し、山田監督をエスコートする。山田監督の歩みに合わせて、腕の高さを変えるスマートな所作からも、細部にまで届く木村の思いやりを感じ取ることができる。

また、こうした周囲に対する行動は共演者や監督だけに向けられるわけではない。

登壇後、木村は劇場の端から端を見渡すように、客席の一人ひとりに視線を送る。ここからは推測になるが、この行動も集まったファンへのサービス、いわゆる“ファンサ”なのではないだろうか。

さらに、自身の座っていた椅子をスタッフが撤収しようとすると、お礼を言うような姿も見せたほか、イベント終了時には、倍賞、蒼井、山田監督の降壇を見送ったあとに、最後まで劇場に残った木村は、客席に視線を送った後、MCにも目線を送りながら会釈をした。

時間にして約30分ほどの短い舞台挨拶の中でも、各所への感謝と気遣いを忘れない。その姿に記者は感銘を受けた。あくまで主観だが、これこそが木村が長年“スター”として、ファンのみならず愛され続けている理由なのではないだろうか。
編集部おすすめ