AIで800社以上、17万3000人以上のビジネスパーソンを分析してわかった事実――。それは、仕事ができる人は「小さな習慣」をコツコツと積み重ねているということです。
どんな、小さな習慣なのか。

それは、「小さなムダ」を見逃さないということ。余計なことに時間を使わずに大事なことに集中できる環境を整えるからこそ誰よりも早く結果を出せます。この記事では、こうしたムダのなくし方を解説した『AI分析でわかった 仕事ができる人がやっている小さな習慣』(越川 慎司/アスコム)から一部を抜粋して紹介します。

今回のテーマは『「カジュアルウェア」は心労を増やし「働き方改革」に逆行している!?』。
○服装自由なのになぜか同じ服がオフィスにあふれる!?

「最近、わが社も「働き方改革」に取り組んでいてね。さっそく、オフィスでのカジュアルウェアを導入したよ」

そんな話、よく耳にします。

率直に言えば、カジュアルウェアの導入は、働き方改革でもなんでもないと思うのですが、どうも、管理職の方たちというのは、「形から入る」のがお好きなようで、カジュアルウェアを導入すると、働き方改革に取り組んだ気になるのです。

もしかすると、かつて話題になった「カジュアルフライデー」が頭に残っているのかもしれません。

それはそうと、今まではスーツを着ていればよかったのに、いきなり「来週から、カジュアルウェアを導入します」と言われて、困った方は多いのではないでしょうか。

毎日、何を着て会社に行くか迷ってしまい、気分はまるでファッションモデルのごとし......。

あまり、ラフな格好だと、職場にはそぐわないし、かといって堅すぎるとスーツと代わり映えがしません。
TPOを考えると、もうドツボ。

こんなふうに、どうでもいいことで悩む時間は本当にムダですよね。

こういうとき、女性は普段からおしゃれに気を使っているので、意外と平気です。

困惑するのは、会社ではスーツ。普段着はTシャツ、外出はポロシャツ(いわゆるゴルフウェア)しか着ていない男性社員たち。「何を着てもいいよ」と言われると、かえって何を着たらいいかわからず、結局ゴルフウェアに行きついてしまいます。事実上の「ゴルフウェア制服」状態です。職場がゴルフ場のレストハウスみたいになってしまうのです。
○解決策

スティーブ・ジョブズが、三宅一生デザインのタートルネックをいつも着ていたのは有名ですよね。ほかにも、ビル・ゲイツはいつも同じジーンズとポロシャツですし、ザッカーバーグもいつも黒いシャツとジーンズです。

同じ服装をしている理由は、「服装を選ぶ時間がもったいないから」。そんなことにエネルギーを使いたくないという合理的な考え方です。


あるアメリカの大企業の役員は、靴下に穴が開いていることを指摘されて、「新し靴下を買うのは時間のムダだし、靴を履いていれば見えないのだから問題ない」と、一笑に付したそうです。

基本的に、あなたが何を着ていようが、誰もたいして気にしていないと悟りましょう。オフィスファッションショーの観客はゼロなんです。ある程度の鈍感さは必要です。

せいぜい、気を利かせた同僚が、「その服、似合っていますね」と言ってくれたり、先輩社員が、「今日はお得意先に謝罪に行くから、ネクタイはしろよ」と言ってくる程度のこと。
要は、「会食に行ったら、1人だけジーンズだった」みたいな、場違いでなければ、おしゃれに気を使った服装をする必要はありません。

自分で着心地がよい服装を3パターンぐらい持っておいて、それを着まわすのも手です。今回は黒いシャツとジーンズだったら、次は白いシャツとジーンズ、その次は黒いシャツとチノパンといった組み合わせをずらしていくのです。ファッション好きでも、シャツやパンツの組み合わせを変えて楽しんでいます。

定番のパターンを決めるうえで大切なのは、仕事のしやすさとか、自分の快適さとか、その服装を着ることで、仕事のスイッチが入るとか、そういうことです。

ダサいと言われようが何だろうが、ゴルフウェアが快適であれば、それで通せばいいのです。やがて、誰も何も言わなくなります。


いっそ悩むことを捨てて、毎回同じ服でもよい

○『AI分析でわかった 仕事ができる人がやっている小さな習慣』(越川 慎司/アスコム)

あなたの仕事には、多くのムダが潜んでいます。あなたの足を引っ張る、結果とは関係ないムダ仕事の数々。こうした仕事は、日々のルーティンに組み込まれていたり本人は「良かれ」と思ってやっているため、一見するとムダだと気づきにくいものです。私はこれらを「名もなきムダ仕事」と呼んでいます。こうした仕事は、実はちょっとした工夫でなくせます。それを習慣化し、積み重ねることが後々、大きな差につながるのです。AIで分析したところ、ムダな会議をなくす工夫で、1年で174時間削減。社内資料がすぐ見つかる工夫で、1年で118時間を削減できます。自分で使える時間が増えれば、スキルアップにあてることもできますし思い切ってリフレッシュして、気力体力を充実されることもできます。ぜひ、本書で、「仕事ができる人」の第一歩を踏み出してください。
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